山形飛島沖ジギングでヒラマサ20kgの快挙!
山形県の飛島沖(酒田港・さつき丸)で2023年4月5日、20.4kgのヒラマサが釣り上げられた。おそらく東北地方で釣り上げられたものとしては最大級と考えられるこの大物を釣り上げた、キャスティング仙台南店店長の大橋永嗣さんに釣った時の状況などを伺った。
マダイ~青物シーズンへ移行中の山形酒田沖
「最初はシーズンの春マダイを狙いに行こうという予定でした。(出船の)数日前にさつき丸さんでヒラマサが釣れたという情報が入ってきて、それならサイズは小さくても良いから今シーズン初めてヒラマサと青物を狙ってみようかと。久しぶりのハイピッチでの釣行でした」
ヒラマサの中型クラスを想定し、ロッド「SALTIGA R J62S-3 LO」にPE3号の近海ジギング用タックルを用意。誘い出しも釣れているそうだったが、今回はキャスティングのタックルは用意せず。春から初夏のシーズンのハシリを楽しめれば、くらいの意気込みで挑んだ。
飛島沖はヒラマサどころかワラサも少ない状況
ただ、この日の飛島海域の釣況はおもわしくなく、大瀬周辺ではワラサが結構釣れていたようだが、こちらは厳しい状況。そんな中、僚船から「誘い出しで8kg級が上がった」との情報が入り、その船の近くに移動することに。
シモリ根のポイントを水深60~80mくらいから浅い方へ流し初めて、25~30mまでいったら入り直し。ドテラ流しで、右舷側、左舷側を交替で流していった。船長の話では、ボトムから30mくらいまでに過去のヒットレンジが集中しているとのことだったので最初はボトム中心に攻めた。
中層を探ってみたら本命ヒラマサがヒット!
「ボトムからもアタリはあるのですが、ホッケなど小さなものが多くて。朝方、ミヨシ側で回収中に中層で大きそうな魚がヒットしていた(その後、バラシ)ので、もしかしたら中層なのかなと思い、水深70mくらいの所の50mから20mまで中層を探ってみました」
シャクっていると魚が追っているような違和感があり、そこからフォールを入れた所でラインが止まり、突如やり取りスタート!
「ドンッ!ときて一気に走り、何とか止めようとするのですが、少し巻いたとしてもすぐに走り出すような状態で50mくらいから動きませんでした。船長にも『それ以上下に行くと危ないから何とか止めて』と言われ、ラインを手で押させながらやり取りしますが、このタックルの限界はすでに突破していました」
「そんな感じで常に圧力をかけるようにして耐えていると、途中から徐々に少しだけ巻けるようになってきて、『もしかして行ける?』と思い始めました。そうこうして20mくらいまできて、最後はどう取り込めばいいのか考えていたのですが、リーダー位まで巻き上げたところで魚が横向きになった瞬間に船長がタモ入れしてくれて、ポンっとランディングできてしまいました」
東北各地でオフショアゲーム本格シーズン
次の流しでは背中側の大トモのアングラーも中層から9kgのメーターオーバーを釣り上げていて、どうやらこの日のヒラマサは中層狙いが正解だったようだ。ヒラマサの場合、誘い出しでも釣果が上がっているのをみれば分かるように、水深のあるポイントでも全層頭に入れて、船長の許可を得られるようならキャスティング用のタックルも用意しておくと良いだろう。
「今回はこのタックルで釣ることができたのは、掛かったのが中層だったこともあるし、本当に運が良かったと思います。あとはこういう想定外の魚も釣れることもあるので、常に準備は万全にしておきたいですね」
近年、東北でも色々な回遊系の魚種が釣れるようになっているが、いままでは夢のような存在だったターゲットを狙えるチャンスも増えてきている。まだまだ大きな夢の可能性のある東北のオフショアゲームをお楽しみいただきたい。
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写真・解説/大橋永嗣
取材協力/さつき丸
熱いボイジョ愛で磯ロック黎明期から活躍してきた元祖ハードロックフィッシュ担当。近年はジギング、ワカサギ、アユ、ヘラ、磯釣りなど東北各地のいろいろな釣りや、山菜、お酒、キノコなども幅広く楽しむ。キャスティング仙台南店長