宮城福島の堤防アオリイカ 2024春イカ好調!
宮城県の牡鹿半島周辺から福島県の相馬周辺にかけて親イカと呼ばれる良型アオリイカの釣果が相次いで報告されている。冬から続く高水温の影響もあって、例年より1~2か月ほど早く釣れ始めた。釣った方のお話などをもとに状況をまとめて紹介します。
※2024年5月掲載時の情報です。
以前の宮城県は6月から8月のお盆頃に親イカが釣れていた
アオリイカは春から初夏に産まれた新子のシーズンが9月、10月頃から始まり、初冬にかけてぐんぐん成長。春になると産卵のため浅海の藻場などに集まってペアリングし、産卵後には1年の寿命を終えてすべて死んでしまう。
春イカシーズンは産卵のため集まった親のイカを狙い、関東以南では4~6月頃がシーズンとされている。東北太平洋側は春の海水温が低いためかシーズンが大分異なり、親アオリが釣れ出すのは大体6月頃から。遅いものは8月のお盆頃まで釣れた実績がある。
2024年は4月下旬頃から東北太平洋側でアオリイカが釣れ始めた
2024年は4月末頃から親アオリイカの釣果が聞こえ始めた。当初はコウイカ類(シリヤケイカ、カミナリイカ)などの見間違いでは?とも思われたが、SNSに写真付きの釣果が続々と上がりエギンガーがヒートアップ。昨秋の秋イカが好調でエギングをする人の数が増えていたこともあり、一気に釣り人が動き出し、釣果報告も増えた形だ。
フィーバー状態になったのが南の相馬周辺。1kgオーバー多数、3kg前後の大型個体も釣り上げられている。連日釣果が上がって岸壁の墨跡も多くなっているが、相馬港は釣り禁止のエリアが増えてきており、人の増える中でトラブル等の無いよう十二分に注意したい。
以前の釣行記で取り上げた仙台周辺の七ヶ浜や東松島エリアでもアオリイカが釣り上げられている。釣れているのは500g前後で相馬ほどの大型ではないが、地元アングラーのOさんは、「漁港のブイや藻のある周辺でかなり大きいオスと小さいメスのペアリングを見ました。エギを投げても見向きもしませんでしたが、確実に産卵に来ていると思います」
秋イカはカンパチやカマスなどの回遊魚が来ると喰われたり群れが散ってしまうことが知られているが、まだ回遊系の魚は少ない季節、他の魚に邪魔されず無事に産卵することを願うばかりだ。
昨秋にブレイクした牡鹿半島周辺も有望
牡鹿半島より南側の宮城沿岸はほぼどこも可能性があると言え、岩礁と藻の多いところや、コウイカの骨が落ちている海岸の近くなどを目安に狙える場所を探していくと良い。
昨年の秋イカシーズンに多くの釣果が上がった牡鹿半島の漁港でもアオリイカが釣り上げられている。牡鹿半島の場合は水温の関係なのか、南側(仙台湾側)の実績が圧倒的に多くなっている。
牡鹿半島より北側の女川、雄勝でも目撃例がある
牡鹿半島より北側は仙台湾側に比べるとアオリイカの釣果は少なくなるものの、可能性がゼロというわけではない。雄勝湾内で今年聞かれた話では、漁師さんの網に親アオリが入ったり、漁網にアオリイカの卵が産卵されていたケースも。東北沿岸の水温が上がり、宮城沿岸はアオリイカが繁殖できる海域になってきているようだ。
最後に、ようやく盛り上がってきた東北太平洋側のアオリイカがさらに盛り上がっていくように、資源を育てながら釣りを楽しんでいただきたい。必要以上のキープは控えるようにしましょう。
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