アオリイカの陸っぱりエギング
東北の釣り場
2020年頃まで東北のアオリイカ釣りは日本海側がメインだった。新潟(東北ではないが)の下越地方から山形県の庄内磯、秋田の象潟から男鹿磯、八森周辺、青森の西海岸、津軽半島まで実績のあるポイントが点在している。東北太平洋側では福島、宮城の一部エリアに実績があり、宮城県の七ヶ浜周辺は数は狙えないものの、熱心に開拓しているアングラーが2000年代の頃から存在している。
>[釣行記]仙台アオリ実態調査継続中!
[追記]2020年以降の最近の状況
海洋環境の変化、特に東北太平洋岸の水温の上昇と暖流系水の接岸などにより、宮城、福島の沿岸でアオリイカが急速に定着してきている。牡鹿半島以南(仙台湾以南)で春イカ、秋イカともに多数釣獲されているほか、宮城県北から岩手沿岸にかけても南の海域に比べれば数は少ないものの、アオリイカを狙って釣れるようになっている。
シーズン
アオリイカのエギングには親イカのシーズンと新仔の秋シーズンとが存在する。
■親イカシーズン:春から初夏にかけて、産卵のために接岸した親を狙う。本来、1kg、2kg以上の大型を狙えるシーズンだが、東北地方は関東以南に比べて親イカのキャッチ率が著しく低く、ほとんど狙われていない。東北地方は水温上昇が遅いためか、他地域より遅めの夏の入り始めに釣れたりする。
■秋シーズン(新仔):エギングのシーズンとしてはこちらがメイン。初夏、浅場の藻場等に産みつけられた卵が孵化、成長し、胴長10cm程度の通称コロッケサイズになったところを狙う。シーズン初期のイカは群れやすく、またスレていないため釣りやすいが、本格的にシーズンに入って1週間ほどすればイカも賢くなり、釣り上げるのにテクニックが必要になる。イカの成長は早く、秋の間にぐんぐんサイズアップ。東北では9月に入る頃から釣れ出し、9月一杯が初期の盛期。10月、11月は数は減るが、型狙いの時季。12月には終盤となってほとんど釣れなくなってしまう。
タックル・エギ
エギング文化の発展とともにタックルも多様化している。スピニング、ベイトとあるがスピニングタックルが一般的だ。小中型のエギをバランスよく使える汎用タイプのロッドが多数リリースされているので、初期から盛期まではイカのサイズに合わせ2.5号~3.5号のエギと、エギサイズに対応した8~9ftくらいのロッドを用意する。
ラインはPE。細糸も使われているが、これから始めるなら0.8号前後が一般的。リーダーはフロロカーボン2~2.5号くらい。リールはダイワ、シマノとも2500番前後の、できればある程度性能に優れたものを使いたい。
[ロッド・リール]
[ライン]
[エギ]
ポイントと釣り方
アオリイカは藻場のある所を好み、沈み根やカケアガリなどストラクチャーに着いて、小アジなどの小魚を捕食している。アオリは淡水を嫌うので、釣り場を選ぶ時は川水の影響の少ないエリアが◎。
初期は浅場に群れているイカが漁港や磯場から見えることも多く、イカを散らさないようにエギを投入する。アクションはシャクリ、フォール、ステイの組み合わせ。以前は「ビシバシ」といったシャクリの釣りがアオリの代名詞になっていたが、最近は小さめに動かすエギやフォールで乗せるタイプのエギも多くなっている。底付近まで沈めてから数回シャクって~再びフォールが基本。レンジはボトムから始めて、イカが誘い出されて浮いてきたら中層~表層を狙う(ボトムばかり狙うとタコが来ることも)
見えイカを狙う場合は、エギをチェンジしたり、アクションを変えたりしながら、追いかけてくるイカを如何に乗せるか(ダジャレじゃないです)が面白い所。イカをバラして墨を吐かれてしまうと、イカが警戒して釣れなくなってしまうので注意。イカを怒らせながら、上手に誘い出せば、連続ヒットも可能になる。
また、釣り人が増えてイカスレてきたり、成長して賢くなると浅場の簡単な所では釣れなくなる。シーズン盛期を過ぎてからは沖側の竿抜けポイントを探ったり、警戒心の強めのイカを何とか乗せるテクニックも必要。エギのサイズを大きくして遠投したり、下地テープを含めたカラーの使い分け、アクションの異なるエギの使い分けなど、アングラーはあらゆる手段を駆使してアオリイカと対決する。
そのゲーム性の高さに夢中になる人の多いアオリエギング。東北ではシーバス、ロックフィッシュが調子を落として釣り物が少なくなる時季に釣れることもあり、初秋限定で楽しむという方がかなり多いのも傾向だ。
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