魚種別攻略法

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    【東北の魚種別攻略】

    マハゼの数珠釣り

    マハゼ

    マハゼ

    マハゼの数珠釣り(数珠子、じゅずっこ釣り、じゅず釣り)は塩釜・松島湾周辺に伝わる伝統釣法。ハリは一切使わず、数珠状にした虫エサ(イソメ・ゴカイ類)を魚に咥えさせて釣り上げる。

    ハゼの魚影が抜群に濃い松島湾だからこそ生まれた釣法(漁法)で、盛期にはわずかなエサで数100尾の釣果を得ていた。また、松島湾には海草のアマモ場や海藻のガラモ場が多く、ハリを使わず藻掛かりしにくい数珠仕掛けが適していたというのも、この釣法が広まった一因になっている。

    ハゼのほか、夜のアナゴなどもターゲットにされてきたが、近年はエサのアオイソメが容易に入手できるようになり、また以前に比べればハゼの魚影も薄くなったことで、この技を使える人も少なくなってきた。ここでは、数珠釣りを後世に伝えるために発足した「数珠釣り伝承プロジェクト」を取材し、数珠釣りの方法を紹介します。

     
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    講師

    佐藤啓一さん(七ヶ浜町・要害浜)※向かって右側。

    数珠釣り仕掛けを作る1:準備編

    数珠釣りではタコ糸にアオイソメを通したものをエサにするが、針金やステンレス線に穴空け加工したものを使ってイソメを糸に通す。また、ナス型オモリと道糸、数珠を結ぶにはシブ糸を2本ヨリにして使用。これらが仕掛けになる。

    【仕掛けの材料】

    ・たこ糸(数珠=イソメ用):2~3号 25~26cm 2本
    ・ステンレス線:1.2mm 1本
    ・シブ糸(赤):細地 20cm弱 2本
    ・ナス型オモリ:4号前後(竿に合わせる)

    【ステン線とタコ糸の準備】

    ステンレス線の端を叩いてつぶし、穴を空け、たこ糸を通す
    穴の空いた頭の部分

    【オモリ周辺の仕掛けを作る】

    17~18cmに切ったシブ糸を折って2本ヨリにし、両端を結ぶ。結び目はほつれにくいようにライター等であぶっておく
    輪の先をオモリの環に通し、写真のようにシブ糸を結ぶ。同様にもう1本シブ糸を撚り、オモリに結ぶ
    オモリに2本のヨリ糸を結んだところ。上側(赤)は道糸の先に、下側(橙色)は数珠に結ぶ。数珠はヨリ糸の先から交換可能

    数珠釣りの仕掛けを作る2:エサ付け編

    たこ糸にイソメを通して数珠を作り、オモリに結ぶ。1本のたこ糸に5匹くらいのイソメを通し、同じものを2本束ね、撚り合わせたものをさらに折り合わせて数珠団子のようにする。イソメを糸に通す作業は慣れないうちはちょっと難しいので、少し長めにたこ糸を切っておくとやりやすい。

    【イソメを糸に通す】

    ステンレス線の端(たこ糸の無い側)にイソメの頭を刺す。このとき、頭の真中ではなく、少し横から針を通すのがポイント
    イソメの中空部にステンレス線が入るように、指でこき上げていく
    イソメの尾の近くまでまっすぐに通す
    同様に、次々とイソメを通していく
    イソメをタコ糸にこき上げたところ。イソメが千切れないよう、丁寧に通し、たこ糸1本あたり5匹のイソメを数珠つなぎにする(数珠仕掛け1個あたり同じものを2本作る)

    【イソメ数珠を作る】

    先ほど、イソメを通したたこ糸2本を束ねる。このとき、イソメを真ん中にこき上げて、両端に数cmの余裕を作っておく
    片側の端を固定し、もう片側をクルクルと回して2本のたこ糸を撚り合わせる
    しっかり撚り合わせたら、さらに半分に折り、再び撚り合わせて端と端を結ぶ
    先ほどオモリに結んだヨリ糸の先に数珠を結び完成
    予め、この数珠を何個か作っておけば、すぐにエサを交換できる

    タックル:ノベ竿に糸巻きを付けて自作可能

    佐藤さんが使う竿は2.5mくらいの竹竿(長さは水深による)。2本をV字状に持って誘う。食いこみ性は必要ないため、小さなアタリがしっかりと取れ、ロスなく魚を引き抜ける、張りのある調子が◎。伝承プロジェクトではノベ竿に糸巻きを装着した竿を1本竿で使用。

    左の2本が佐藤さんの数珠釣り竿。右は2本竿を固定して使うタイプ
    佐藤さんの竿はグリップの部分は下端が細く加工されており、2本を交差させて使いやすいようになっている。この竿に糸巻きは無く、水深に合わせて穂先に道糸を巻いて長さを調節している
    数珠釣り伝承プロジェクトでは、ノベ竿に糸巻きと小径ガイドだけを取り付けた竿を使用

    実釣編:ハリ無し仕掛けでハゼを釣る

    底を取ったら5、6cmの幅で上下に誘い、「クククッ」というアタリがあったらそのままスッと上げる。このときアワセを入れたり、ガバっと慌てて上げるとハゼがエサを離してしまいバラシが多くなる。

    ハリが無いのに魚が上がってくるのは、ハゼが大きな口に数珠を頬張って抜けなくなるのと、細かいハゼの歯にイソメやたこ糸、シブ糸が引っ掛かって外れなくなるためと思われ、船上に抜き上げてもしばらく落ちない場面もみられる。何尾かハゼを釣った後のイソメはズタズタに痩せて、ハゼの掛かりも悪くなる。

    自身で操船しつつ、座りながら釣るのが佐藤さんの定位置
    誘いは手首を使わずに、2本の竿を5~6cmほどゆっくり上下させるだけ
    アタリに集中し
    アタリがあったらアワセや食いこみの間を置かず、スッと抜き上げる
    立ち上がりながら抜き上げることで、糸をたぐることなく船上に魚を引き抜ける。身長と竿の長さで一気に抜き上げられないと、糸をたぐる必要が出てきてバラシが多くなる
    一つの数珠で10尾以上は釣ることができるが、数尾釣るとイソメが痩せ細ってくる。ハゼの活性が高ければ食いは落ちないが、口の中で引っ掛かりにくくなるのか、途中で外れて落ちる確率が高くなる
    すっかりイソメが小さくなり、ふやけたタコ糸が見えてしまっている。こんなときは数珠から先を交換してあげよう

    【関連記事】
    「松島湾 数珠釣り伝承プロジェクト」実釣講習会!【イベント情報】
    https://tsuri-kahoku.jp/event/10011 

    ※取材協力/宮城県釣船業協同組合

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