シーズン
ヤリイカは他のイカタコ類同様に1年で生涯を終える。初秋頃から小型のヤリイカが釣れ始め、晩秋から大型のイカが釣れ始めると本格シーズン。メスの胴長は20cmほどだが、オスは胴長30~40cmと大型になり、春に釣れるパラソルヤリイカはオス。
釣り場
東北では秋から冬にかけての三陸沿岸で人気の釣種。岩手の各湾では11月頃から翌1月にかけて夜のイカ釣り船が出船する。冬の日本海でも狙え、山形、秋田では遊漁船の釣目にも入っているが、冬型の気候のため出船機会は少ない。また、以前は南の千葉~茨城沖で3~4月の春の季節に釣れていたパラソル級のヤリイカが仙台湾沖など東北沿岸でも釣れるようになってきている。
イカメタルのタックル
最近人気のイカメタルはライトゲーム用など手軽なタックルで狙うことができるのが魅力で、手軽さ、手返しのよさとで人気が広まった。ライトジギング用ロッドなどを使う人もいたが、今は専用タックルも豊富なのでイカメタル用を使うひとがほとんど。ヤリイカの場合はボトム主体とはいえ、タナ攻略が重要な釣りなのでカウンター付きのベイトリールがあるとかなり快適。メタルジグでもヤリイカは狙うことができる(イカジグ)が、どちらかというとジグはスルメイカ向きで、ヤリイカ狙いはイカメタル、オモリグの方が安定した釣果に期待できる。
イカメタルのリグ(仕掛け)
イカメタル(鉛スッテ)の上にドロッパー(浮きスッテ、ドロッパー用エギ)を1本か2本付けて狙う。リグを構築する仕掛けは自作も難しくはないが、イカメタルリーダー商品が複数発売されているので、市販品を選ぶと簡単。
ドロッパーには多点掛けを狙って数を伸ばす目的もあるが、潮なじみを調整するような役割もある。ドロッパーを使用しないテクニックもあり、経験に合わせて色々なリーダーのタイプを使い分けると良いだろう。
イカメタルとドロッパー
メタルの重さはポイントの水深と潮流によって異なるが、鉛の感覚が分かる範囲で出来るだけ軽めを選択する。12~15号を中間サイズとして、軽い場合で8~10号、20号や25号は季節により必要になることもあるので、釣行エリアごとにその時々の状況を把握してから釣行するようにしよう。
潮流が速く、ウエイトが必要な場合はシルエットの小さいタングステンが有利になったり、ドロッパーが重要になるケースもある。ウネリがあったり潮の速い状況では、オモリグという選択もあり。
イカメタルの釣り方
スルメイカ、剣先イカの他のツツイカ類に比べるとボトム中心に狙うことを意識する。スルメと同時に釣れている場合、反応が多いからと中層を釣っているとヤリイカがほとんど釣れずスルメばかりになることがある。
基本はボトムを取ってから、少し上のタナまでを探って反応無ければフォールして探り直し。スルメイカなどのようにハッキリした当たりが出ず、テンションをかけながらゆっくりフォールしている途中ラインや穂先に出るわっずかな変化にアワせないと乗らないケースも多い。冬場の時化ている日などは激ムズの条件になるが、それがヤリイカにハマる要因にもなる。
しっかり釣りをするための号数選択と、カラーによっても乗りが異なることがある。基本の赤緑、赤白系からピンク・紫系、イエロー系、ブラック系など、当地の実績色などもチェックして号数、カラーを揃えておくと手数が増えて状況に対応しやすくなるはずだ。
冬場のオモリグについてもこちらの取材で少し解説しているので参考にしてみてください!
イカサビキ釣りのタックル
ヤリイカ釣りの竿は操作性に優れた先調子竿が向く。三陸の夜ヤリイカの場合、2mくらいの先調子竿が人気。しっかりシャクれるものであれば2~3mの竿でもよく、好みで使い分けられる。
ヤリイカ竿のほか、水深が浅く50号くらいのオモリを使う釣り場であれば全長2m前後で、先調子だがちょっと胴に乗るくらいのカレイ竿(オモリ負荷が合うもの)も向く。
ラインはPE2~3号。三陸の浅場なら2号が150m前後巻いてあればいい。深場ならPE3号を200~300m使用(リールは糸巻き量に合わせる)
ヤリイカ用の仕掛け
手足の短いヤリイカには11cmくらいのプラヅノを使ったブランコ仕掛けが定番。紅白などのスッテが1本くらい混じったイカサビキがヤリイカ用に市販されている。幹糸5号、ハリス3号の5、6本バリが基本。
サビキ釣りの釣り方
三陸のヤリイカは船をアンカーで固定して釣るので投入器は不要。オモリから順に仕掛けを投入し、着底したらシャクりと止めを繰り返しながら10mくらい探る。アタリ棚は底付近であることがほとんど。着乗りも多いので油断禁物。
ポーズ時じ竿先でアタリを取り、竿先に変化があればアワせ。ゆっくり巻いて追い乗りを誘い、重みを感じたら丁寧に巻き上げる。ヤリはスルメに比べ手足が弱くバレやすい。取り込み中の身切れに気を付ける。