釣行記

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茨城鹿嶋沖ヤリイカパラソル開花中![春の大型オス槍烏賊]

菅野 順也 2023年2月27日 更新

美しく透き通った身のヤリイカの群れが今年もやってきた。静かな誘いの中、いきなり乗ってくる重量感がたまらない!春の気配満点の茨城県鹿島沖で狙った。
※2013年3月掲載。

釣り期限定。釣りたい人、食べたい人は急げ!

鹿嶋沖のヤリイカは日中、流し釣りで狙う。好機を逸しないためには投入器を用いたスムーズな投入がマスト

数多くあるイカ類の中でも、釣り人から人気を集めるのがヤリイカ。仙台湾などのスルメイカ釣りでも混じることがあるが、ゲストの存在だ。透き通った身には甘味があり、パラソルと呼ばれるほど大型になる。釣って良し、食べて良しのヤリイカが今年も茨城県沖に入ってきたので早速釣行した。

2月中旬以降、千葉県沖で釣れていたが3月初旬からは茨城県沖もシーズンイン。釣り期は水温にもよるが、普通の年だと3月初めから4月いっぱいまで(昨シーズンは6月になっても群れの濃い状態が続いて、ロングランで楽しめた)。

3月3日、天候は晴れ。日中の釣りで狙うヤリイカは太陽の光が海中に届く好天の日が望ましい。当日、朝のうちは少し風が吹いていたが、後半凪になる予報。あとは潮が流れてくれればベストコンディションだ。東北道→磐越道→常磐道を走って鹿島新港へ到着。釣り船がズラリと並ぶ姿と釣り人の活気は圧巻だ。

11月~3月が釣り期のヒラメ船も出船。好調に釣れ続いているヒラメ釣りの人気は終盤になっても高く、当日乗船させていただいた清栄丸はヒラメ狙いへも出船していた。港を出て真っ直ぐ沖に向かい30分。午前6時、「オモリは100号を使用して下さい。海底付近に反応があります」津島一郎船長のアナウンスで釣りを開始。

投入器に仕掛けを装着して一斉に投入した。スルスルと勢い良く水面にイカヅノが飛び込んでいく。着底したら静かに誘いを掛ける。ヤリイカはスルメイカなどとは違い、お淑やかな性格(狙っているパラソル級はオスだけど…)。誘い上げに反応することはほとんどなく、頭上まで竿を持ち上げ一旦停止した後、数回に分けてゆっくりと落とし込んでいくと軽くお触りをしてくる。

ヤリイカに激しいシャクリは不要。そーっと上げてゆっくり落とすと、止まったあたりで乗ってくることが多い

「ちょんちょん」と、オモリを僅かに浮かすような感覚が伝わったら一呼吸置いて緩やかにアワセを入れると一気に「ズシッ!」いきなりの強いテンションを感じた。ここで追い乗りを待ちたいが、まずは最初の一杯に対面したく電動リールをオン。巻き上げ速度は身切れしないくらいにゆっくりで、うねりで船が下がっても穂先が浮かない位にキープ。嬉しい早朝の美しい姿に早速対面!胴長だけで42cm。一杯目から足先まで図ると50cmを超えるパラソル級だ(美しい姿でもオス…)。

早朝から1杯目をキャッチ!鹿嶋沖のポイントにはたくさんの釣り船が集結していた

その後、反応がまとまらず、ポツポツと掛かるだけだったが、9時半を過ぎたころに「少し浮いたね!底から10mまで上を探ってみて下さい」と、津島船長のアナウンス。

水深60mの底から50mに上げて、誘い下ろした瞬間に仕掛けの落下が止まった。群れの濃さを予感してゆっくりと手巻きすると「ギューン、ギューン」とロケット噴射が何度も伝わる。上がったヤリイカは一気に5点掛け。そこからは、当たりが遠のいても少し移動すると新たな反応があり、一投目は必ずヒットする乗り乗りの状態が続いて、44杯の嬉しい釣果。

良型ばかりの多点掛けもあるなど、乗りは良好!
場所を移動した直後の一投目は高い確率でヤリイカが釣れてきた
釣れてくるのはパラソル級と呼ばれる大型のオスヤリばかり!
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仕掛け選びと投入が肝心

仕掛けにはプラヅノ以外に、派手な色使いの浮きスッテをコマセ針として入れると寄せの効果がある。ただし、外道を呼び寄せることにもなるので1~2本程度に留めるのが無難。当日はサメもサバも全く姿を現さず、私が釣ったのはヤリイカばかり。それも全て大型のオスのみ。スッテへの反応も良かった。

ヤリイカ狙いではプラヅノ系を中心にスッテを1、2個混ぜるのが基本
この日はハイシーズンらしい釣れっぷり!釣友の若木さん(写真右上)も季節限定のヤリイカを堪能していた

釣りのスタイルは船を係留して漁り火で寄せる夜のイカ釣りとは異なり、反応を探して移動を繰り返しながら行うスタイル。青物のルアーフィッシングに似た感じで、移動後の一投目を素早く棚に入れる事が要求される。出遅れると他の人が釣ってしまうというより、ヤリイカ自体が船の下から消えてしまう。

投入器はかなり重要。船宿でも数量限定だが無料貸し出しを行っているので、希望の方は予約時に確認を(写真は菅野さんの自作品)

投入器の使用がオススメで、清栄丸では無料で貸し出してくれるので、予約時に確認を。釣り上がったヤリイカはクーラーにそのまま入れても良いが、透き通ったままの身で持ち帰りたければ一杯ずつナイロン袋に入れる方法も。

パラソル級の大きさだが、実際に傘袋に収める人もいる。私は慣れた仙台湾式を選択。雪を敷き詰めたイカ専用発泡スチロールの箱に並べてみた。一箱に18杯では収まりきれず足が出た。16杯にしてやっと蓋が閉まった。

釣ったヤリイカは氷に直接触れないようにして持ち帰ると、透明感を失いにくくなる
茨城県鹿嶋港の清栄丸はヤリイカ船の他、3月一杯はヒラメ船でも出船。ヤリイカ船乗り合い12,000円(氷付き)。女性と中学生以下は半額。オモリ80~120号(状況による)。左上はこの日、丁寧なガイドで釣らせてくれた津島船長。
【予約TEL】090-4919-6857、0299-82-3691
この日、菅野さんが使用したロッド2本。上の「がま船 タイドスターヤリイカ2.05」は軽量、高感度で操作性に優れたヤリイカ専用ロッド。浅場でもう少し軟らかめの調子の竿がいいかなという時は下の「がま船 V-シャフトタイプ BH1.85」がおすすめ(いずれもがまかつ)

【使用タックル】
■竿:がまかつ がま船タイドスターヤリイカ2.05、がま船V-シャフトタイプ BH1.85
■仕掛け:下田漁具 イカヅノシュリンプ針Ⅱ 11cm(2段)各色混合、ビードロ針11cm(1段)各色混合、らっきょ7.5cm(浮きスッテ)
■仕掛糸:ヤマトヨテグス フロロハリス5号

PROFILE:菅野順也

カレイ釣りのトーナメンターとして活躍しながら、ヒラメ、メバル、マダイ、深海などの各種船釣りにワカサギ、渓流までなんでもこなすオールラウンダー。がまかつ、山豊テグスフィールドテスター、マルキューフィールドモニター。福島市在住

 

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料理レシピ:ヤリイカの捌き方~

※取材・テキスト/菅野 順也
※取材協力/清栄丸(茨城・鹿嶋港)TEL:0299-82-3691

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