伊藤育男式!東北カレイ仕掛けの作り方
東北の人気釣種、船カレイの仕掛けの作り方をがまかつテスターの伊藤育男さんがやさしくレクチャー!今回は育男オリジナルかかり釣り用モデルを題材に、意外と簡単な仕掛け作りの基礎テクニックをお教えします。
※2013年1月掲載の記事です。
10代にしてカレイ船釣り大会で優勝した経歴を持つ、東北屈指のカレイ釣り職人。ここ数年は、船釣りをメインに、もっぱら楽しい釣りを追求中。がまかつフィールドテスター、サンラインフィールドテスター
先糸部分に上バリを1本出した3本バリ仕掛け。テンビンのかわりに親子スイベルを使用し、仕掛けパイプで糸絡みを防いでいる。かかり釣り用の短めの設定で、カレイの活性が高いときであればオモリに反応して寄ってきた魚が上バリだけに食ってくる
◆スナップスイベル
◆スナップ付き親子スイベル(テンビンのかわりに使用)
◆マジックスイベル(小型スイベル)
◆プラサルカン(エダス出し)
◆仕掛けパイプ(夜光イエロー)
◆夜光ビーズ(夜光イエロー)
◆エッグボール(夜光イエロー)
※左から順に
右上段)直感天秤スリム:今回は使っていないが、テンビン部分をスネーク型にしたいときに使用。/がまかつ 蒲克工房 マジックスイベル:下バリの接続に使用した小型スイベル。/蒲克工房ワンタッチエッグボール スーパーイエローS:アピール素材としてハリスに通して装着。伊藤さんはパーツ全般にイエローを愛用(商品はいずれもがまかつ)
右下段)作業に使用するアイテム。精密ドライバーは結び目の締め込みに使用。100均の商品でOK。ハサミは糸の切断面を細かく加工できるがまかつのフィッシングシザース。ラインの長さを測る定規なども忘れず用意
先糸は長めに取って切る
まずは幹糸用の糸を仕掛け最上部のスナップスイベルに結び、先糸の部分を作る。今回は先糸からもエダス(上バリ)を出すことになるので、糸を切る時は少し長めに取り、パーツを結ぶ時に長さを調整する。
※糸はトルネードVハード7号(サンライン)使用。
※この時点ではまだラインは切らない。
エダスパーツは精密ドライバーで締め込め!
先糸から上バリを出すため、エダスパーツを装着する。ここで使用したプラサルカンは両端を夜光玉(ビーズ)と結びコブで固定するタイプ。穴とラインのサイズがギリギリの時は通し方にちょっとしたコツが要る。
【ワンポイント】プラサルカンが通りにくいときは切り口を加工する!
【ワンポイント】精密ドライバーで締め込む!
直結風!親子スイベル天秤の作り方
今回の仕掛けでは天秤部分にはスナップ付き親子スイベルを使用し、先糸部分と幹糸部分を直結している。このとき、ただスナップに結んだだけでは絡みやすくなってしまうので、少し長めの仕掛けパイプを幹糸側の奥まで差し込み、テンビンのかわりに絡みを防ぐようにする。
※この時点で糸は切らないでおく。
仕掛けの性格を決める!幹糸の枝部分の調整
幹糸にエダスパーツと小型スイベルを付けてエダスと下バリを出す。今回は8cm、35cmの間隔で枝を作ったが、スナップにオモリを付けた状態で動かして好みの長さに調整する。このとき、35cmの方の幹部分にもう一つ枝を作っておくのもアリ。最初は枝だけを作ってハリを結ばないでおき、後でハリ数を調整するのも一手。
枝バリと下バリを装着する
枝と下バリにハリスとハリを結ぶ。今回はハリス付きのハリを使ったので、ハリスの長さを調整し、各枝に結ぶだけでOK。ハリスは結んだときに5mmくらいは伸びるので、7cmなら6.5cmというように、5mmくらい短い位置に合わせてから結ぶと、締め込んだときに丁度よくなる。
【ワンポイント】糸付きバリのハリスを簡単に引き出す小技
ここに紹介した仕掛けは、2011年の1月に釣り河北主催のセミナーで伊藤さんが作ったのと同タイプのもの。「イエローの色彩的アピールと動きでも目立たせながら、なおかつナチュラルな仕掛けを目指しました。非常に遊びの少ない作りで感度がよく、直感的なカレイ釣りが楽しめますよ」と伊藤さん。
これを基本に仕掛けの長さ等を調整すれば、かかり釣りだけでなく流し釣りでも使える。枝の位置や数を調整するだけで全く性格の異なる仕掛けになるので、色々用意しておくと食い気や条件に合わせて使い分けができるようになる。また、潮流の関係で上バリが絡むことがあるそうなので、そんなときは上バリのプラサルカンだけ残してハリスとハリは外してしまえばいいそうだ。すぐにやってくる早春のカレイシーズン。自分で作った仕掛けで釣ったイチマイはきっと格別ですよ!
※解説・実演/伊藤育男