秋シーバスのベイトについて。 [東北の巨匠・村岡博之のオライノLure論]
こちらの連載では東北の巨匠こと村岡博之さんが月1回のペースで東北、石巻周辺のルアーフィッシングを中心にいろいろな話題を取り上げていきます。
今回のテーマはシーバスのベイトフィッシュ。秋に重要なベイトについて解説します。
※2016年9月掲載
夏場のメインベイトはイナッコ
これから晩秋に入ってランカーシーバスの盛期を迎えます。宮城県内の河川なら11月上旬、その後、シーバスはサーフで良型が釣れるようになります。
夏の間、河川内でのメインベイトはイナッコ(ボラの幼魚)と思って間違いないでしょう。暑い日の夕方などに、イナッコのボールにシーバスが狂ったようにバイトしているのを見かけることがあります。
ところがこのような多すぎるベイトのいるシチュエーションでは、ルアーにバイトさせることは至難の業です。日中の「速い釣り」なら可能なのですが、暗くなってからの「遅い釣り」ではそうはいきません。
そのようなときは、指をくわえてみているしかないのかと言うと、そうではありません。ベイトボールは必ず見えなくなります。その後ならルアーにバイトさせるとは可能です。
パターンにハマると爆釣もある秋の落ち鮎
晩秋のベイトといえばオチアユがメジャーです。もちろんそのパターンはあるのですが、年によって違うようです。
俗に言うオチアユパターンとは、オチアユカラーのルアーを使うのも間違いではありませんが、それ以上に大事なのがルアーのボリュームです。本来オチアユは小さくても20cmはあります。そのサイズのルアーはなかなか市場には見当たりません。あるとすればビッグベイトと呼ばれるカテゴリのルアーです。これらのルアーは普段使っているロッドでキャストすることは厳しくなります。となるとスリム系の細長いルアーを代用することになります。これでも十分ヒット率は上がります。
晩秋はサヨリに着いたシーバスを攻略
晩秋のシーバスのベイトとして多いのがサヨリです。河川内ではかなりの確率でサヨリを捕食しています。サヨリを偏食しているシーバスは細身のルアー、それもブリブリとよく泳ぐルアーには見向きもしなくなります。タイトにアクションする細身のミノーやシンペンにしか反応しなくなります。
早春のバチ抜けパターン 東北では晩秋に可能性があるが‥
最後に「バチヌケ」と呼ばれるシチュエーションです。バチというのはイソメ・ゴカイ類の虫エサのこと。普段は底に潜っているものが、産卵期に浮いて移動することをバチ抜け、バチが抜けるといいます。
バチヌケは関東より西では早春のパターンとして知られていますが、東北太平洋側では晩秋の大潮に見ることができます。一般に言われる早春のバチヌケパターンは、アフタースポーン(スズキは冬場に産卵する)の体力の衰えた個体が、楽に捕食できるバチを偏食するのですが、晩秋の河川はエサが豊富で、大型のシーバスはバチを捕食していないようです。
捕食音を聞けばわかりますが、その多くはボラやマルタです。フッコクラスが捕食していることもありますが、良型の個体はほぼバチを捕食していないようです。
これらのことを知っておけば、もう少しゲームの組み立てが楽になりますね。
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石巻を拠点に活動するベテランルアーマン。自称東北の巨匠。シーバスをメインにサクラマスやロック、フラットなど幅広く嗜む。ハンドメイドルアーファクトリーOrynO(オライノ)代表。ピュア・フィッシング・ジャパン、ジャクソン、エクリプスフィールドテスター、リアスアドバイザー、がまかつ他サポートメーカー多数。
ブログはこちら http://oryno.ni-3.net/
※取材・テキスト/村岡博之
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