2018カレイ釣り講習会報告2 カレイ釣りの道具紹介編
2018年1月28日(日)、ペア・パル利府において開催された「育男の仕掛け主催!2018最新カレイ釣り講習会」より、伊藤育男氏の最新カレイ釣り理論の一部を公開します。
第2回は育男さんがカレイ釣りで使用しているタックルや小道具などを紹介します。
※この講習会はカレイの掛かり釣りを中心にした内容です(流し釣りとは異なる部分があります)
※これはあくまでも育男さんの考え方であり、これが全て正しいというわけではありません。釣りにはいろいろな考え方があるというのが大前提です。
手に入りやすくなった高感度PEライン
PEラインはサンラインの「スーパーブレイド5・8本組」を使っています。このラインは感度がすごく良く、また、8本組PEというと高価なイメージがあると思うのですが、価格も求めやすくなっているので、ぜひ使ってみてください。
オモリもイエロー!沈降速度が速いオモリを使用
オモリは黄色いカラーを愛用しています。このイエローオモリを東北のカレイ釣りで使ったのは私が初めてだと思います。メディアで初めて公開したのはおそらく10数年前、某SC誌の十三浜取材ではないでしょうか。
なんで黄色いオモリが良いのかというと、以前に北海道に行った時、北海道の人がみなさん黄色を使っていて、黄色を使うと明らかに釣果が違うという話を聞いたのがきっかけでした。
使っているオモリはフジワラの「スカリーライト」かナス型オモリです。「スカリーライト」はイカ釣り漁師さんも使う「スカリー」というオモリが元になっているんですが、他の漁船より速くポイントのタナに仕掛けを届けられるように、沈下スピードが速くなっています。そのライトバージョンなので、実際に普通のナス型オモリより何%か早く沈むことが立証されています。
ナス型やスカリーライト以外の形状だと実際に沈むのが遅いものもありますし、潮を受けてかなり流されるようなものもあります。船によってはそういった形状を禁止しているところもあるので、気を付けてください。
進化の著しいカレイ専用竿
私ががまかつさんからフィールドスタッフのお話を頂いたのは22~23歳の頃でした。それまで高校生の頃から大会で使っていたお気に入りの竿があったのですが、それより良いものを目指してカレイ竿の開発に携わりました。
感度も操作性も優れた竿をということで生まれたのが、「カレイ競技スペシャル1」。あの青い竿です。20号、30号、40号とあるのですが、これがすごく感度が良かった。その後もいろいろな竿が生まれたのですが、その一つがこちらの「がま船 天鰈幻」です。
天鰈幻はなんといっても感度が優れています。丸洋丸の隆洋船長にも「これは『クンクン』どころではない、海底にあるもの全てが伝わってくるようだ」といわれたほどです。
今は底の状況などがわからないとトーナメントでは勝てなくなっています。皆さんもご存知と思いますが、あまり軟らかい竿ではないので、コヅいている時点ではほとんど曲がらないのですが、負荷がかかるとしっかり曲がって吸収するという調子になっています。
もう一つの竿が「鰈幻粋」。MタイプとMHタイプがあり、その使い分けの話を少しします。
Mタイプは掛かり釣り用として開発しましたが、大型魚礁で使う40号まで背負うことができます。海の静かな日であれば流し釣りでもちゃんとコヅいて、しっかり曲がって非常に楽しく釣ることができます。ただ、ある程度の深場に行って潮が速い時はMHの方が釣りやすいですね。
昔は魚礁のマガレイというと手のひらサイズが普通でしたが、今は30~40cmも釣れるようになってきたので、「ある程度パワーのある竿を」という現代のカレイ釣りに合わせた竿になっているのも特長です。
エサ箱の機能と配置にもこだわる
こちらがわたしのエサ箱です。10年以上現役で使っているものですが、当時の船カレイトーナメントで勝つために工房まんぼうさんに特注で作ってもらいました。エサ箱の中が仕切りで2つに分かれていて、それぞれ1,000円パックが1個ずつ入るサイズになっています。
これは途中でエサが無くなった時、1,000円パックを開けて入れるだけの時間が惜しかったからです。
トーナメントに参戦している時は細いイソメと太いイソメを分けて使っていました。さらには、頭と胴体の部分を切って、硬い頭の部分をエサ留めにできるように用意することもしていました。朝、釣り場に到着する時間までに分けるんです。少しでも釣りやすくする戦略。
あと、これはエサ箱と台を分離できます。魚礁などの流し釣りの時は台をロッドホルダーで固定して、掛かり釣りの時はエサ箱だけ分離させてバケツのフタの上などに置いて、手元の使いやすい位置に配置できます。
掛かり釣りの釣り座セットを紹介
ここから掛かり釣りの時に便利な道具セットを紹介します。
まず、中学校3年生から使っているコマセバケツ。最近は備え付けている船もありますが、中にカゴが入っているので水の交換が簡単です。釣ったカレイがバケツの中で内容物を出すので、いったんこうしたところで吐かせた方がきれいに持ち帰ります。
あと、私は右利きなので右手側にこれを置きます。そしてフタを少しだけ開けておきます。掛かり釣りだと船べりの低い船外機船が多いと思うのですが、たまにカレイが暴れて船べりから逃げてしまうことがあります。トーナメントだと1、2枚逃げられると大変です。そこで、この隙間から釣ったカレイを入れることで、カレイがバケツから逃げるのを防いでいます。
小物系だと、大きめのハサミがあると便利ですね。100円均一で売っているやつでいいんですが、これを何に使うのかというと、ハリを飲まれた時にごめんねといってお腹を切ってしまう。運がいいとエサも一緒に取れるのでそのまま釣ることができます。カレイにハリとハリスを取られてしまうとかなりのロスになってしまいます。
ハリ外しは普通のシンプルなこちら。ハリスからハリまでハリ外しを通して、ドンと衝撃をかけるだけで(重みで)カレイが落ちます。
がまかつのプライヤーや魚を締めるためのナイフ。あと、板氷を割るために車の緊急脱出ハンマーを使っています。これだと氷がきれいに割れて、氷焼けしたりすることを防げますよ。
替えバリのオススメ「ナノ船カレイ」
育男の仕掛けは、カレイ釣りには非常に良い形状の丸セイゴを装着しています。
替えバリにおすすめしているのが、がまかつの「ナノ船カレイ」です。このフックは表面にナノスムース・コートを施すことで滑りやすく貫通性に優れ、とてもハリ掛かりしやすくなっています
工房まんぼうの紹介
先ほどのエサ箱をつくってもらった工房まんぼうの工藤さんを紹介します。石巻でエサ箱のほかカレイ竿や仕掛けなども作っておられます。カレイ釣りが本当に好きな方で、本業が建具屋さんなので器用さを生かして色々なアイテムを作っておられます。
(工藤さん)
こちらの仕掛けケースを紹介します。仕掛けを真っすぐにして船に持ち込むことができる商品です。並んでいるフックのとこにサルカンを掛けて、スポンジのどこにでもハリを刺すことができます。滅多にあることでは無いと思うのですが、間違って海に落としても木なので水に浮きます。
そして、先ほど育男さんも紹介していた釣台。エサ箱の隣にオモリを置くスペースがあり、エサの付け替えなどに便利です。エサ箱の反対側のマスの部分は飲み物などを置けるスペースにもなります。また、先ほど説明にあったようにエサ箱だけ取り外せるので、右利き、左利きに合わせてエサ箱の入れ替えが可能です。
(育男さん)
私も10年以上使っていますが、すごく持ちもいいので、安物を買ってすぐにだめになるより全然お得です。あと、仕掛けケースは自己満足というか、自作仕掛けを入れて悦に入るのもいいと思います。育男の仕掛けを入れてもらえると嬉しいですけども(笑)
~次回は掛かり釣りトーナメントでの釣り方などのお話です。~
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