2018カレイ釣り講習会報告4 トーナメント的カレイかかり釣り解説[後編]
2018年1月28日(日)、ペア・パル利府において開催された「育男の仕掛け主催!2018最新カレイ釣り講習会」より、伊藤育男氏の最新カレイ釣り理論の一部を公開します。
テクニック編の後半は実釣での事例をまじえながら、誘い方からアワセ、取り込み、手返しの上げ方などをレクチャーします!
※この講習会はカレイの掛かり釣りを中心にした内容です(流し釣りとは異なる部分があります)
※これはあくまでも育男さんの考え方であり、これが全て正しいというわけではありません。釣りにはいろいろな考え方があるというのが大前提です。
釣れない時の釣り方を紹介
なんとなしに周りがみんな上がらない場合、スイッチ入らないような時があります。
カレイがいても食わないようなのは、落ちた養殖ゴミでカレイがお腹いっぱいになっていたり、マコガレイは大型ほど賢くなるので、ずっと仕掛けを見ているというケースもあります。
食いが悪い時の一つの手は、仕掛けを変えると良いでしょう。IK03で釣れているときは何でも釣れる時なので、両方IK03にしても大丈夫です。一方、IK04しかこないとか、周りが3本バリで釣っているようなら、落ち着いている仕掛けのほうがいいと判断し、ショートバージョンのIK05にチェンジして、少し動きを落ち着かせて釣ると良いでしょう。IK05はいろんな状況で使うことができる仕掛けです。
渋い状況でカレイを寄せる誘い
今度は寄せる誘いの重要性が出てきます。どうしたらカレイから魅力的にみえるようにアピールできるか?それはある程度大きい誘いです。
大きい誘いというのは仕掛けの長さくらいが目安。仕掛けの長さより大きく動かすのは無駄な動きにしかならないので、仕掛けの長さ分までスッと上げ、フワっとゆっくり落とすようにします。
仕掛けを下ろして5~6秒、すっかり仕掛けが落ちたと思ったら、また同じような動作を繰り返します。じれったく思うかもしれませんが、がまんしてフワっと落とすのが大切です。
釣れないとすぐにコヅきたくなりますが、カレイの気持ちを考えて、これを繰り返すのが寄せる誘いの基本!
ポイントは
・遠くにいるカレイにエサを見せてあげる。
・ふわっと誘うようにする。
それだけでは食わないので、ある程度寄ったかなというタイミングで食わせる誘いも入れてあげます。
寄せる誘いと食わせる誘いをどのくらいの割合でやるのか?今日は寄せる誘いがどれくらい、食わせる誘いはどれくらいか、を考えて判断するのが大事だと思います。
仕掛けが動きすぎるのはよくない
水深10~20mの浅場では、思った以上に仕掛けが動いていると考えてください。特に最近は竿とラインの感度が上がっているので、非常にダイレクトに動きが伝わります。マコガレイはものすごく丁寧な釣りをする人が釣ります。
エサ付けもちゃんと考える
エサ付け方法は、私はアオイソメ3、4本を縫い刺しにしますが、カレイの口の大きさを考えて付けましょう。カレイはエサを吸い込むので、狙っているカレイの口で吸い込める最大限の大きさ、長さを演出してください。
青イソメは1~5本、タラシは4~5cmくらい。あまり長いと仕掛けに絡んでしまいます。そしてイソメのニオイが出るようになるべく切って付けると良いですが、尻尾の部分だけは動きが生きるようにそのまま切らずに付けるようにします。
エサの付け替えは非常に重要ですが、一度カレイがエサを口にした場合、もしハリにエサが残っていたら捨てずにそのまま使った方が良いでしょう。足元に落ちたものを拾ってでも、もう1回付けてください。
一回カレイが食ったエサは食いが良いと昔からよくいわれます。実際、匂いがあるのかわかりませんが、一回食ったエサはよく釣れます。
巻き上げと取り込み時の注意点
カレイを巻き上げる時、竿を船べりより下げて巻き上げる人がいますが、必ず水平より上にしてください。なぜかというと、竿を下に向ければ向けるほど、竿の弧(曲がり)を活かすことができなくなります。
竿を下げるとカレイが暴れた時の引きを竿全体で吸収できないので、巻き上げ中にカレイがすっぽ抜けるようなことが多くなります。大きいカレイが釣れた時など、水平を維持するのはちょっとツラいかもしれませんが、竿の力をしっかりと使って釣ることを意識するようにしてください。
カレイの取り込みは仕掛けが手元にくる長さまで巻いて、竿のグリップ部分を持ってそのまま手元に抜き上げるようにします。
よく、抜き上げる時にグリップの先のブランクスの部分を持って上げる人がいますが、穂先が折れたり、カレイをバラす原因になります。パワーのあるバス用ロッドなどではこれでも大丈夫なんですが、カレイ竿ではNG。
これをすると手を添えたところから先にすべての負荷がかかってしまいます。最近のカレイ竿は穂先が繊細なので、急激に強い力がかかると折れることがあります。また、バラシが増えるのは、ブランクスを握ってしまうことで竿の吸収力を活かせなくなるためです。カレイが暴れた時の衝撃を吸収できずにハリが外れてしまうんです。
また、抜き上げる時にななめになるのもよくありません。ラインを張って真上に上げるぶんには力学的にハリは外れないはずなんですが、斜めになるとハリが外れる可能性が高まります。
私の場合、カレイが上がってきたら、いったん水面で空気を吸わせて落ち着かせる、そして抜き上げる時はまっすぐ真上に上げる。それだけです。
そのためには、どのくらいの長さまで巻けば自分の手元に戻ってくるのか?先に確認しておくようにしてください。
トーナメンターは、魚を上げ、ハリを外し、エサを付け直して落とすまで無駄のない流れで釣りをしています。それ以外の動作は仕掛けが底に着くまでの間に手を洗うくらいです。トーナメントでは竿掛けを使っている暇もないので、竿をわきに挟みながらすべて一連の動作でこなします。練習していないと、とても勝つことはできませんね。