仙台起点→東北&新潟 春の船釣り小遠征ガイド
仙台市の針生秀一さんが仙台を起点として、小遠征で楽しめる春の沖釣りポイントを紹介します。
※2017年5月公開。
春が面白い青森の船カレイ
まずは一番人気の船カレイ。青森・陸奥湾内では、水深のある西湾の蟹田周辺から、良型の出る蓬田沖のマコガレイ、夏泊半島から東湾の野辺地、むつ横浜周辺も面白くなってきます。イシガレイの大物も上がり、釣り味抜群です。
5月上旬なら、蟹田名物のシラウオ(ハゼ科のシロウオ)に間に合うかもしれません。ご馳走と釣りの両方を楽しむという遠征も良いでしょう。
下北半島は岩屋~関根浜沖の状況もチェックしておきたいところ。マコ、ナメタ、型揃いの大釣りがあります。衝撃的な釣果に出会えるかも?
津軽の大型ミズクサ(ムシガレイ)は早春がピークですが、5月以降でも25~30cmクラス主体に枚数が期待できます。40UPの大型は3月に実績が高いのですが、5月のマダイ狙いのときに、タイラバ、テンヤにも40cmに迫るミズクサが良く釣れてくるので、マダイとのリレー釣りなどで、専門に狙ってみるのも面白いでしょう。
砂ヶ森、大泊、平舘、今別、三厩、上宇鉄などの港から出船します。このエリアではオニカサゴも狙えるので、こちらもオススメの釣り物。オニカサゴは小突き、シャクリの誘いと、食わせとアワセという釣り方の妙で、抜群の面白さです。
新潟の能生沖はカレイ釣りの穴場
そしてカレイの意外な穴場は新潟。上越の能生港を出船、30cmクラスのマガレイ主体に、マコ、ムシガレイ混じりで好調に釣れてきます。過去、4月中旬に出船した際は、実釣4時間ほどで竿頭60枚という枚数が上がりました。
実釣した都内在住の釣友の話では、「仙台湾の釣り船で竿頭になるくらいの釣り人なら、束釣りも望めそうな魚影の濃さで型も抜群!」とのこと。水深20~30mほどのため仙台湾のカレイ釣りと同様な仕掛け、タックルでOK。5月一杯は期待できるとの話なので、カレイファンならこれは狙い目でしょう!
各地で熱くなる春の大型ソイ釣り
春に面白い釣り物といえばソイ釣りです。山形酒田、秋田男鹿周辺、そして岩手久慈、青森下北半島などの港から出船します。
過去には久慈港のシーガルに乗船して、60cmを超えるマゾイのトリプルという凄い場面に出会いました。マダラジギングでもゲストにマゾイ、クロソイがヒットしているので、ソイ専門でも期待できそうです。
仕掛けは胴突き3~5本バリのほかに、タナが底中心になるときなどには、オニカサゴ釣りなどで使われる、天秤吹き流し式の2~3本針仕掛けが良いこともあります。
山形の酒田や秋田の男鹿でもソイは人気の釣り物で、大型マゾイを狙いつつ、ウスメバルなど多彩な魚種と釣果を楽しめるでしょう。
秋田、山形では浅場の茶デリ(クロメバル)から、中深場のテリ(ウスメバル・オキメバル)の盛期に入ってきます。こちらでもオニカサゴのポイントが開拓されて釣果が出ており、ノドクロ(アカムツ)とともに、新たな釣り物は見逃せません。
日本海のマダイが続々とシーズンイン
そして忘れてはならないのがマダイです。山形酒田、由良、秋田男鹿、能代、青森小泊~竜飛沖などが春のポイント。この時期は深場狙いが主体で、レンジを広く探れるタイラバ、インチク、メタルジグなどにアドバンテージがあります。
イワシ、イカナゴなどのベイトに着いている魚を狙うことも多く、特にこんなときは、ピンク、オレンジやチャート、グローなどのアピールの強いカラーの実績が高いようです。
潮の速いポイントが多く、ひとつテンヤで狙うなら、10号以上のテンヤ、カブラ。ブラー、ジグ、タイラバなら60~100g程度を使うので、これを背負えるロッドで臨みましょう。
付けエサは、テンヤは冷凍エビ、ジグ、ブラーにはイソメなど、リグ(仕掛け)に適した選択をしましょう。春潮の薄濁り時にはアオイソメが安定しているようです。タイラバ、インチクにイソメを併用するのが効果的なこともあり、状況を判断してリグ、エサを選び、ヒットレンジを探りましょう。
釣り方はタイラバ、ジグともにフォールとスローなリトリーブ。つまり、落とし込みと一定速の巻き上げが基本です。青物の時のような強いジャークはマダイが警戒します。
山形沖では好釣果が続き、津軽方面も大型マダイが上がっています。5月以降は三厩湾から平舘の陸奥湾口まで乗っ込み、秋田方面も釣果が聞こえてくるでしょう。春のマダイは大型が多く、5kg超の大ダイを釣るチャンスです。
山形ではコマセカゴを使用したコマセダイも興味深いところ。酒田、由良、大瀬、飛島周辺などに有望ポイントが多く、注目です。
仕掛けはビシカゴ80号前後、60cm程度の片テンビンに2mm径、50~100cm長のクッションゴム。ハリスは3~4号を6m(地域により若干異なる)に、ハリはマダイ8~10号が標準。1本バリが主流ですが、2本バリ仕掛けを使ってエサ盗り対策をしたり、食いダナを掴むテクニカルな釣り方も面白いところです。
竿は置き竿主体の釣り方なら、定番の3m前後のコマセダイ専用竿。コマセワークなどの操作性が良く、魚を掛けてからの釣り味がいい2m台のライトマダイロッドなども近年流行しています。斬新な感触ならライトですし、うねりを吸収して仕掛けを安定させ的確なタナを当てるという、コマセダイの面白さを知るなら5:5胴調子の長竿、といったイメージ。
リールはPE3~4号を200~300m巻けるサイズの小型電動がオススメです。
ざっと思いつくところを述べてみましたが、参考になれば幸いです。
※画像・テキスト/針生 秀一