日本海側の陸っぱりロック!キジハタブーム到来中
東北のロックフィッシュといえば誰もが宮城~岩手県を中心とした三陸リアス式海岸の荒々しい磯ロックのイメージを思い浮かべることと思う。しかし今、東北の日本海をアツくするロックフィッシュゲームが急速に注目されてきている。それが今回紹介するおかっぱりのキジハタゲームだ。
※2015年10月掲載。
※実釣時の情報をそのまま掲載しています。釣り禁止や工事中の場所に注意し、ルール、マナーを守って釣りを楽しみましょう。
[関連]オカッパリのルール、マナーについて
アツいのは三陸だけじゃない!!今、注目の陸っぱり日本海ロック!
まずは東北日本海側のロックフィッシュ事情からご説明しよう。現在、東北地方でキジハタを狙える場所の代表格が山形県。鶴岡市を中心とする庄内エリアはキジハタを育む岩礁帯が続き、魚影の濃いエリアだ。以前からキジハタを狙ってきた開拓者も多く、ボートでのアプローチでは大物も上がっている。陸っぱりでも安定して釣れるが、小ぶりな個体が多くなる。
お隣の秋田県では、山形県に比べまだまだ魚影は少ないものの、沖合いのジギングでは40cmを超す大物の実績もある。陸っぱりでも釣れるが、まだまだ未開拓な部分も多く、私も数年前から開拓を進めているところ。男鹿は山形と違い、おかっぱりでも足元から水深があるポイントが多い。そのためか、キジハタの数では南方の山形には劣るものの、サイズのアベレージは勝っている。
青森県になるとさらに魚影は薄くなるものの、ちらほらと釣果は聞くのでこちらも開拓の余地は十分にあるだろう。
使用タックルと使い分け
ロッドはバレーヒルの「NEWサイファリストHRX」シリーズを使用。このシリーズはヘビークラスでも適度なティップの入りがあるため、キジハタに有効なスイミングアクションを演出しやすいのが特長だ。
【タックル1】
■ロッド
Valleyhill CYPHLIST HRX CPHS-90H
■リール
DAIWA CERTATE 2506H
■ライン
SUNLINE CAST AWAY PE 1.0号+リーダーSUNLINE FC SNIPER 25Lb
■フック
Gamakatsu×Valleyhill WORM316 Hold
キジハタゲームのメインタックル。キジハタを狙う場合は横方向へのアクションが有効で、特にリフト時のバイトが極端に多い(8割方、リフト中にバイトが出るほど!!)。そのため大きめのリフト、またはリーリングによるスイミングを演出しやすいロングスピニングロッドを使用する。「CPHS-90H」は適度なティップの入りにより、前述のアクションに最適。また、キジハタを根から一気に引きずり出すパワーも持ち合わせている。
最近流行のヘビースピニング。遠投可能な長さとヘビークラスのパワーに、食いこみの良さも兼ね備え、キジハタゲームにもぴったりの1本!
【タックル2】
■ロッド
Valleyhill CYPHLIST HRX CPHS-90H
■リール
DAIWA LUVIAS 2510PE-H
■ライン
RAPALA RAPINOVA-X MULTI-GAME 0.6号+リーダーSUNLINE FC SNIPER 25Lb
■フック
Gamakatsu×Valleyhill WORM 316 Hold
2ndタックルは基本的なアクションや用途は【タックル1】と同じだが、メインラインを細くして飛距離を稼ぎたい場合に使用する。リーダーは細くしない。
【タックル3】
■ロッド
Valleyhill CYPHLIST HRX CPHC-83H Plus
■リール
SHIMANO EXSENCE DC
■ライン
SUNLINE CAST AWAY PE 2.0号+リーダー FC SNIPER 25Lb
■フック
Gamakatsu×Valleyhill WORM 316 Hold
【タックル3】は他のスピニングタックルとは違い、パワーと根掛かり回避能力に重点を置いたベイトタックル。細いラインでは攻められない大場所やテトラ撃ち、ボトムを重点的に攻める場合のメインタックルになる。また、この時期のもう1つのターゲットであるカサゴを狙う場合にも多用する。
シリーズ最強のパワーモデル。パワーを活かし、比較的手前寄りのキツい根から大型を強引に引き出したいケースなどに適
以上のようなタックルをメインとするが、見て分かるようにリーダーラインは全タックル共通して強くしている。キジハタは捕食してからストラクチャーへ潜るスピードとパワーが半端ではない。20cm以下のキジハタでも余裕でフロロカーボンの20Lbをブッた切るパワーを持っている。キジハタに限っては決してライトラインは使わない方が良いだろう。ラインを細くして飛距離を稼ぎたい場合にも、リーダーだけは必ず強化しよう。
Bait Breathからキジハタに特化した新色が登場!
ワームはベイトブレス社のキジハタカラー「Rock Soulシリーズ」を使用する。ラインナップはT.T.SHAD 3.2inch、BeTanCo Curly Tail 3 & 2inch、Virtual Craw 3.6 & 2.6inch、藻蝦 3 & 2inchi。
カラーは「KHクリアー/オレンジ」、「KHクリアー/レッド」、「KHスモーク/ブルー」の3種類。全てのカラーにケイムライトを配合している。ケイムライトというのは紫外線に反応して発光する特殊塗料。紫外線が存在していればOKなので、曇りのフィールドコンディションでも問題なく発光する。また、全てのカラーにホログラムラメを配合している。
このケイムラ&ホログラムラメの組み合わせは、夜行性習性が強いキジハタに対して非常に有効だ。夜行性のキジハタは日中は陽の光が届きにくい場所にいることが多く、曇りや雨などローライトな条件を好む傾向がある。僅かな紫外線に発光するケイムラ、及びホログラム的に配合されたラメが僅かな紫外線にも反射することで大きなアピールになるのだ。
各ルアー使用時の使い分け例は・・
■T.T.シャッド:イワシがメインベイトの時(実績からサヨリやアジをベイトとしている時が少ない。イワシを好んで捕食している??)
■ベタンコカーリーテール:ベイトフィッシュ、甲殻類双方に対応したい時。つまりサーチベイト的な使い方に向く。アオリイカの新仔が見えている時にも強い。
■バーチャルクロー&藻蝦:一番のベースとなるベイト、エビ系を捕食している時。その2つの使い分けとして、エビ系を意識して水中での滞空時間を長くしたい時はバーチャル、あまり動かさなくて良さそうなカニ系を意識する時は藻蝦(全身リブで動かさなくてもアピール力大)
【アクション】横の動きがキモ!リフト&フォールでは特にリフトに集中!!
アクションは基本的には通常のロックフィッシュゲームと同じリフト&フォールでOK。但し、キジハタの場合はフォール中のバイトが極端に少ないのがアイナメ、ソイとの大きな違い。キジハタのバイトはリフト中に集中するため、長めのリフトを意識してアクションをつけることが重要だ。
リフトのストロークを長くしたい意識から、シンカーを軽くした方が有利なケースが多く、特に全体的に水深が浅い山形庄内でその傾向が顕著。夜行性の強いキジハタは、日中はゴロタ石や岩陰にタイトに隠れていることが多く、陸っぱりからでは軽いシンカーを使うことで根掛りを回避しやすいというメリットもある。
リフト&フォールではリフト中が最大のバイトチャンスになる。リフト中はフッキングが難しいので、ケースによっ てはリールを巻きながらのフッキングが必要になることも。バイトがあった場合は素早く合わせてパワーファイトで一気に根から引き離そう。
横のアクションという点で、勿論ただ巻きでもOK。着底からの巻きなども有効だ。既にキジハタゲームが確立されつつある西日本では、巻きで食うキジハタはデカいという通説があるようだ。ここらへんもベイトフィッシュに左右される特色が強く出ていると言えよう。
[ロックフィッシュゲームは安全第一で!!]
磯ロックを代表に、岩礁帯を攻める陸っぱりロックに危険はつきもの。ライフベスト、スパイクソール等の安全装備はマスト。立ち入り禁止エリアなどに近付かないのは当然のこと、磯場に着いたら予想より波が高かったり、足場が高いor不安定など、ちょっとでも危険を感じたら諦めて引き返す勇気も必要だ。また単独行動は避け、万一の時には助けを呼べる連絡手段を確保するなど、安全に配慮した釣行をお願いいたします。
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ロックフィッシュ中心に岩手県内陸より三陸に通うルアーアングラー。出身は秋田市で、日本海側のターゲットも積極的に開拓中!バスやトラウトなども得意。サポートメーカー=ベイトブレス、バレーヒル。ブログ「東北ロック」http://pirania.naturum.ne.jp/
取材・テキスト/森本 正善
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