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磯、防波堤での転落事故に注意!無理な釣行は行わず、万一の際は118番

2017年1月18日配信 【HOWTO】 【編集部】

冬型の気候が強まり、海が時化る日が増えてきました。第二管区海上保安本部より事故事例の報告と注意喚起情報が配信されていますので紹介します。

日ごろから通い慣れた釣り場でも十分以上の注意を払い、条件の悪い時は無理な釣行は行わぬよう改めてご注意ください。

2016年12月に起きた実際の事故事例

■12月3日昼間:山形県にて
男性1名で岩場へ釣りに出かけ、釣り道具を残したまま、行方不明となり、その後、近くの浜で発見された(死亡)

■12月5日早朝:秋田県にて
立入禁止の防波堤において男性2名でタコ釣り中、1名が誤って海中転落した(死亡)

■12月9日昼間:秋田県にて
男性1名は岩場でブリ釣りを開始したが、高波を受けて海中転落した。
※下にコメントあり。

■12月17日昼間:宮城県にて
男性1名で釣りに行くと出かけたが、釣り竿や釣った魚を岸壁上に残したまま、漁港内で浮いているところを発見された(死亡)

■12月18日朝方:秋田県にて
岩場でワラサ釣り中の男性1名は、友人が釣った魚をタモ網で取り込もうとした際に誤って海中に転落した。

■12月19日昼間:宮城県北部にて
岩場で釣りをしていた男性1名は、磯変えしようと崖を降りたところ戻れなくなり、118番通報をして救助された。

■12月20日夜間:岩手県にて
立入禁止の防波堤で投げ釣りをしていたところ、男性1名が足を滑らせて海中に転落した。

■12月21日夜間:青森県にて
防波堤上にて男性3名で釣りをしていたところ、男性1名が足を滑らせて海中に転落した。

2016年12月は約4日に1回という割合で事故が発生。死亡事故も発生した。

日本海側ばかりでなく、岩手、宮城の太平洋側も事故が多発。また、磯だけではなく防波堤でも事故は起こっている。

九死に一生を得て助かった人の証言

12月9日の事故で奇跡の生還を果たした人の談話(釣りの開始から救助されるまで)

「今まで何回か訪れていた場所だったため、油断もあり、岩場の低いところに降りました。釣りをしていたところ、突然押し寄せた大波に足元をすくわれてバランスを崩して海中転落し、その大波の引き波により沖へ流されました。潮の流れが速く、泳いでも岸に戻れないと判断し、呼吸をすることを最優先にして、無駄に動かず体力を消耗しないように努めました。携帯電話は持っていましたが、水没して使えませんでした」

結果的に助かったが、救命胴衣を着ていなかったら、死んでいたと思う。今後、荒天時は釣りに行かず、足場の悪いところにも近づかないようにしようと強く感じた、とのこと。

【助かったポイント】
★近くに目撃者がいた
★複数名で行動していた
★救命胴衣を着用していた

【岩場での事故防止のために】波の高さは一定ではない!

まず、⾼い波が寄せる場所での釣りは避けることが⼤切。また、波の⾼さは⼀定ではなく、時々発生する大波(一発波)の存在を理解し、注意する必要がある。

外洋に⾯した海岸は⼀⾒、穏やかそうな海でも、波の高さは一定ではない。
同じような波の状態が続くとき、100波に1波は有義波高の1.5倍、1,000波に1波は2倍近い高波が出現することがある。波が打ちあがって濡れている場所には近づかないなど、十分な注意が必要。
※有義波高とは:ある点を通過する波を観測したとき、波高を高い順に並べ直して全体の1/3までの波の高さを平均した値。目視で観測される波高は、有義波高とほぼ等しいと言われている。

[岩場で波を受けた場合]
海中へ転落したり、岩に叩きつけられ、⼤怪我をする恐れがあり、大変危険!

釣りをする際の注意事項

◆釣り中の事故は、約8割が「海中転落」によるもの。いざという時に備えた対策としては、次の4点が重要になる。
1)複数名で行動すること
2)救命胴衣の常時着用
3)しっかりと防水対策をした携帯電話やスマートフォンを持つこと
4)海の緊急通報118番

[関連]

スマホ用防水ポーチのすすめ

◆さらに、状況によっては以下の対策を!
1)ライトの携行(暗い状況で安全を確保する)
2)笛の携行(効果的に身の危険を知らせるため)
3)場所に適した服装(受傷事故防止)
4)岸壁や防波堤上での歩きスマホをしない(転落防止)

特に夜釣りなど、歩きスマホで足場を踏み違えて転落した人はかなり多くなっている。磯釣り(磯ロック含む)では磯に降りたはいいが、登れなくなって救助を求める事例や干潮時に離れに渡って、満潮で戻れなくなる事例も発生している。磯に降りる際は帰る時のことまで考え、決して無理をしないことも重要だ。

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※情報ページはPDFファイルです。

※取材協力・情報提供/第二管区海上保安本部

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