釣行記

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岩手の春ロック ~夕マヅメの漁港でアイナメ、ソイ爆釣~

東谷 輝一 2021年4月1日 更新

※この釣行記は2016年5月に公開しました。

三陸のロックフィッシュが春~初夏のハイシーズンを迎えている。例年、岩手では5~6月から根魚が釣れ出すのが普通だが、今季に限っては早いエリアでは4月からシーズンイン。防波堤、磯ともに盛期の状況になっている。

「ロックフィッシュは水温8℃から始まるというのが私の持論なのですが、今年の岩手はいちばん低い時でも6℃くらいまでしか下がらず、ほとんど休みなく4月からスタートした感じですね」と東谷輝一さん。ここでは東谷さんに夕マヅメのアイナメと暗くなってからのクロソイゲームを紹介してもらった。

夕マヅメからが激熱タイム
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アイナメ狙いは薄暮から夕マヅメ狙いの短時間がチャンス

岩手ではこの季節、漁港から良型のアイナメをキャッチできる可能性が高まる。30cm以下も釣れるが、40UPが連発することも多い好季。

有望な漁港の条件は‥
1)水温が上がりやすく、安定している。
2)港内にホンダワラやアマモなどの藻類が多い。
3)岸壁で養殖作業を行っている(栄養豊富な排水が出ている)
4)ゴカイ・イソメ類のバチが抜けている。
プラスして、サケ稚魚などの稚幼魚が多いことなども重要。

アイナメはエサの豊富な漁港にいったん入ると簡単には出ていかないので、釣れる場所ではコンスタントに釣れ続くことが多い。また、秋冬の産卵期はスポーニングのためになわばり意識が強く、釣れても単発が多いが、この時季はいいポイントだと1か所から良型が複数釣れてくることも。

今の季節のアイナメは港内の広い範囲に散らばっている

根魚が好む漁港周辺のストラクチャーは・・
1)港内のブイ、アンカー
2)港内に点在するシモリ根
3)漁具などの人工物
4)アマモ、ホンダワラなどの海藻、海草
ストラクチャー以外でも、港口など狭くなって潮通しのいいところや、港外のブレイクなどもポイント。季節的に小魚類をベイトにしていることも多く、潮通しのいいところなどはベイトも回遊するので好ポイントになる。

春パターンは夕マヅメになり、暗くなりかけた時にバイトが連発することが多い。そのため、釣行時間は17時以降がほとんど。仕事終わりに仲間と待ち合わせして短時間楽しむなんていうのもおすすめだ。

港内のブイ周りやストラクチャーを探る。ブレイクなど、はっきりと分かりにくいところに着く場合もあるので広範囲をチェックするのが得策
アイナメは暗くなってきたところで連発することが多い
夕焼けの時間から暗くなりきるまでがチャンス。暗くなると急にアタリが止まることも多い
山田湾でベッコウゾイ(タケノコメバル)をキャッチ!暗くなりかけた時間帯に釣り上げた。山田湾の限られたエリアで徐々に増えて、型もよくなってきた。まだ場所などは明かせないが、これからの順調な繁殖に期待したい
ヒットルアーは「ベタンコカーリーテール3インチ(ベイトブレス)」のグローライムチャート。夕方から夜にかけてグロー系カラーは外せない
こちらは「ベタンコスリム3インチ(ベイトブレス)」のグローピンクケイムライト。紫外線発光するケイムライトは日中と夜の間の薄暮時に効果的
グロー、ケイムライト以外のカラーでももちろんOK。明るさ、状況に合わせ色々試してみよう
(テキサスリグのシンカーは全てアクティブ社の「BSトーナメントシンカーⅡ」を使用)

暗くなってきたらクロソイに移行!常夜灯を求めて場所移動するのもあり

アイナメは薄暮時の時合いを抜けるとパッタリ当たりが止まってしまうことが多い。ここで竿を納めてもいいのだが、続けるなら時合いのいい所=クロソイ狙いにシフトしよう。

クロソイはサイズを問わなければどこの漁港でも釣ることができる。ただ、ある程度サイズを狙うなら、常夜灯のあるポイントなどクロソイの多い所に移動した方が釣れる可能性が高まる。逆に、時合いを過ぎた後もあえて同じ場所で粘って、難しい条件下で引き出しを増やすのも一手。

仲間と待ち合わせて夕方から短時間釣行
暗くなってきたらクロソイの時間
ムラソイ、ガヤ(エゾメバル)や夜アイナメも

マヅメ防波堤ロックのタックルとテクニック

東谷さんの使用ロッドはスピニングタックルの「サイファリストHRX CPHS-83MH」。今回載せた漁港での釣果は全てこの竿1本でカバーしている。
「私はこの83MHを勝手に『漁港スペシャル』と呼んでいるのですが、1ozテキサスリグの遠投から、足下のライトテキサス、ジグヘッドリグ、さらにノーシンカーリグまで全てに対応できます」

ロッドはパワー、レングスのバランスが良い漁港オールラウンダーの「サイファリストHRX CPHS-83MH」(バレーヒル)。ラインはPE0.6号にリーダーはフロロカーボン16Lb。これで日中から夜まで漁港の釣りは全てカバーできる

日中、ポイントを絞れない時はテキサスで遠投してズル引きで探り、ストラクチャーを見つけたら丁寧にアピールして食わせるのがセオリー。この季節はベイトの群れ次第ではストラクチャーの無さそうな意外な場所から釣れてくることも多い。「ここはダメ」と決めつけずに広範囲を探ってみると、海藻が引っかかってきたりして、そういった場所から釣れる可能性もある。

これからのハイシーズン、根魚の活性が高ければ巻きで食わせられる。遠投する場合は21~28gまで重くするが、近場のライトテキサスは7~10g、ジグヘッドなら5~7gを中心に使用する。

低活性時など、スローめに誘う時は3.5gくらいに落とすことも多い。この場合は軽いリグを扱いやすいジグヘッドリグがおすすめ。ジグヘッドなら暗い時間帯でもフッキングさせやすく釣りやすい。

また、スロープなど狙うポイントが近い場合、10mくらい投げられればいいのであればノーシンカーリグもあり。「TTシャッド3.2インチ」や「ベタンコスリム3インチ」なら適度に重さもあり、ノーシンカーリグでの使用にも向いている。

この季節は船道周りなどのブレイクでベイトの回遊を待つ根魚も多い。遠投して広く探ると意外な場所から良型がヒットすることがある
港内のストラクチャー周りはライトテキサスやジグヘッド、ノーシンカーで探る

ベイトはイワシやサケ稚魚など小魚のほか、バチ抜けしたゴカイ類などもよく食っている。ワームはシャッド系、カーリーテールが定番。シーズン初期は2.5インチといった小さめサイズが良かったが、今頃のハイシーズンは3インチ、4インチもふつうに食ってくる。また、春だからシャッド、カーリーテールオンリーかというとそうでもなく、クロー系も釣れるので試してみるといいだろう。

アクションはカーブフォールでボトムを取り、20~30cmくらい浮かせてアピール。高活性時であればリーリングだけでも食ってくるが、リフト&カーブフォールでアピールをかけつつ探る。低活性時にはステイ(止め)を入れるのもかなり有効。

 
「ベタンコスリム」、「ベタンコカーリー」のグロー系カラーは定番。夜は自動でフッキングするジグヘッドリグが釣りやすい
 
TTシャッド(ベイトブレス)」はノーシンカーリグでも使用できる。3.2インチが中心だが、活性が上がってくると4インチ、4.8インチでも食ってくるようになる。
フックはがまかつ×バレーヒルコラボ商品の「ワーム316ホールド」。ワームがずれにくく、岩礁や藻場を攻めるロックフィッシュに最適

夕方アイナメから夜クロソイのマヅメゲームは夏の高水温期まで、6月中くらいは期待できる。が、暖かくなってくると蚊が出てきてかなりツラくなるので、蚊がうるさくなる前に十分楽しんでおこう。

[使用タックル]
■ロッド:「サイファリストHRX CPHS-83MH」(バレーヒル)
■ライン:PE0.6号+ショックリーダーフロロ16Lb
■テキサスリグ:「BSトーナメントⅡ」(アクティブ)7~28g+「ワーム316ホールド」(がまかつ&バレーヒル)
■ジグヘッドリグ:3.5~7g
■ソフトルアー:「ベタンコスリム」「ベタンコカーリーテール」「TTシャッド」(ベイトブレス)

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PROFILE:東谷 輝一

ロックフィッシング・ジギングをメインに三陸でのルアーフィッシングに精通。カレイ、イカ、チカ等、三陸沿岸四季折々の旬の魚をターゲットとした釣りや、バスフィッシングもこなすマルチアングラー。岩手大槌町在住。サポートメーカー:ベイトブレス、バレーヒル、アクティブ、カレント

 

※取材・解説/東谷 輝一

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