釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!
  • 低水温期の三陸クロソイナイトゲーム 冬から春先に効果的な漁港のスロープ攻略術

    東谷 輝一 2024年4月7日 更新

    次第に春めいてきたとはいえ、まだまだ続く東北の厳冬期。夜のクロソイゲームは好シーズンが続くものの、これから低水温期にはスロープ周りなどのゆっくり目な釣りが効果的になる。冬のスロープ攻略法を岩手県大槌町の東谷輝一さんに解説してもらった。
    ※2016年2月掲載の記事です。
    ※漁港内は釣り禁止、立ち入り禁止になっている場合がありますので、現場の指示に従い行動しましょう。
    [堤防釣りのルールマナーについてはこちら]

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    漁港のスロープ(船揚げ場)が厳冬期攻略のポイント
    クロソイの他にムラソイ(オウゴンムラソイ)もヒットする
    アイナメは夜の方が期待できる季節

    どこの漁港でも港内の一番奥に位置することの多いスロープ(船揚げ場)は、港内でも比較的水が安定し、外洋から入った小魚などが集まる好ポイントになっている。集魚効果の期待できる常夜灯があることも多く、スロープの段差にはエビ、カニなど甲殻類も豊富で、根魚たちにとって格好のエサ場になっている。

    スロープ周りは水深が浅めなこともあり、ノーシンカーや1/16ozといった軽めのシンカーを使ったライトなリグが使いやすい。こういったスローな釣りは、これから3月、4月と続く低水温期の低活性なロックフィッシュにも比較的食わせやすく、スイミングなどでは口を使わなかった魚のバイトを誘うことができる。

    クロソイゲームではジグヘッドリグの巻きの釣りが中心という人も多いが、ノーシンカー系の釣りも出来るようになるとバリエーションが広がり、冬の釣りをより楽しめるようになるはずだ。

    山田から釜石間を中心に釣行。宮古、大船渡など三陸全域でスロープの釣りを楽しめる
    どこの漁港も常夜灯が点いているところが多い。ライトの集魚効果も期待できるし、ラインを見やすく釣りやすい

    スロープテクをマスターしてクロソイゲームの引き出しを増やす

    スロープの釣りではスロープの斜面が切れて、数10cmほど落ち込んでいる段差のところが一級ポイントになる。段差の沖側は砂地よりは敷石などが入っている方がよく、干潮時はスロープの奥にクロソイは着いている。また、満潮時にはスロープ上の段差(船を揚げるためのもの)に上がってエサを狙うことも。スロープ近くに常夜灯があれば、複合的な集魚効果が加わってさらに期待できる。

    理想的なスロープは‥ブレイクがはっきりしていて、ブレイクの沖に敷石があるようなところ。砂地が多い所はあまり良くない。今の季節は水質がクリアーなので日中に確認しておくといいだろう
    岩手ではスロープに船を揚げるための段差がある所が多い。スロープは藻が濡れて滑りやすい所もあるので注意!

    釣り方はライトアクションのロッドを使い、ノーシンカーリグでボトムをゆっくり漂わせるように誘うのが基本。自重で投げられればノーシンカーでいいのだが、ワームの自重、水深、風などに合わせてネイルシンカーでワームを操作できるよう調整する。ネイルシンカーもできる限り軽めのもの、ラインテンションを取れるギリギリの範囲のウエイトを選択。岩手の漁港では1/16ozくらいを多用する。

    ネイルシンカーを使用する場合、基本は頭からやや腹側にシンカーを打って、水平にユラユラとアクションするようにする。頭寄りに打つとジグヘッドリグに近いアクションになり、ラインテンションも感じやすいが、ゆっくり食わせるという点ではやや弱くなる。活性、状況に合わせて調整しよう。

    「MS(ミサイルシンカー)トーナメント」(アクティブ)
    小さいルアーに使用してもシルエットを崩しにくいタングステンのネイルシンカー

    スロープからブレイクの沖側へ向けてキャスト。遠投は必要なく、15~20mくらいの範囲でOK.。ボトムまで沈めたら、ラインのテンションを感じながら、フワフワと浮かせたり、ズル引きで誘う。

    ラインのテンションを感じる程度というのがスローな釣りのキモ。ラインテンションを感じながらロッドをゆっくり立て、ラインに弛みが出たら巻き取るイメージだ。それだけだと単調になってしまうので、たまに小さなリフトを入れたり、シェイクを加えたりするといいだろう。

    アタリはラインテンションをかけているところに「トゥン」とハッキリ伝わる場合もあるし、ラインの動きに変化が出る場合もある。後者の場合は常夜灯などの明かりを利用して、ラインの動きに集中してアタリをキャッチできるようにしよう。

    スロープ周りのアベレージサイズは20cm台だが、数はかなり期待できる

    グロー系を中心にルアーをローテーションして当たりパターンを探す

    クロソイ狙いの場合、口が大きいのでワームのフックはルアーの動きを殺さない範囲で大き目を選択した方がいい。フックが小さすぎるとテール側だけに食われたりして、フッキング率が下がる傾向がある。

    ルアーはベイトブレスの「ベタンコカーリーテイル」の2インチ、3インチや「ベタンコスリムシャッド」3インチなど。「TTシャッド」は比較的自重があるためノーシンカーリグでも使いやすい。当たりタイプは日によって若干異なるが、これから低水温期になって食いが渋くなると2インチくらいの小さめサイズの方が釣りやすくなる。

    カラーは夜の定番ともいえるグロー系。グローパールやグローピンクケイムライトなどは外さずに用意しておきたい。バブルガムピンク、オレンジゴールドなどもアピール効果あり。また、反対にブラックゴールドやゴビーといった暗色系も、常夜灯のあるポイントなどではシルエットがハッキリと出てよく釣れることがある。

    中りパターンを探すためには、テンポよくいろいろなカラー、タイプを試していくのが一番。寒い季節は一人だと1時間くらいで限界が来てしまうが、仲間とおしゃべりしたり情報交換しながらだと、スローな釣りも楽しめるはずだ。

    ベイトブレス
    夜の定番パールグロー!
     
     
    ベイトブレス
    常夜灯周りなどでシルエットがはっきり出るカラー。
     
     
     
    グローのパールやピンク、オレンジなど定番カラーは外せない
     
    ベイトブレスの「ベタンコカーリーテイル」、「ベタンコスリムシャッド」の2インチか3インチ。これからの季節、活性が低めの時は小さめの2インチがオススメ
    自重があり、ノーシンーカーリグに適する「TTシャッド」
    ムラソイもヒット。さらに水温が下がってくるとマゾイやカジカも増えてくる

    テトラ周りなど外海寄りは40UPも期待できるが、スロープ周りは20~30cmの中型がメイン。それでもポイントをランガンすると日に40本、50本と爆釣状態で楽しめることも多いのが魅力。2月下旬現在、大槌周辺の水温は8℃程度でまだまだクロソイの活性は高めの状況。

    例年、3月、4月にかけてが最も水温が下がる季節で、3℃、4℃まで水温が落ちる年もあるが、今年はそこまで低水温にはならなそうだ。暖冬のため雪シロも少なそうなので、雪シロの影響が出るまでは十分に期待できるだろう。これから水温が下がってきたら徐々にワームサイズとシンカーサイズを落とすなどして、よりスローなアクションで食わせられるかがカギになってくる。

    スロープのノーシンカー&ネイルシンカーの釣りを中心に紹介してきたが、防波堤周りや常夜灯周りなど水深のあるところではジグヘッドの釣りをしながら、状況に合わせて応用してみていただきたい。ジグヘッドの釣りで根掛かりが多発するような時も、オフセットフックのライトリグなら上手くかわせるケースがあるはずだ。

    常夜灯の周りなどはジグヘッドの釣りも有効
     
    こちらはジグヘッドリグでの釣果
    [使用ロッド紹介]
    「サイファリストHRX CPHS-78L」(バレーヒル):スロープの釣りであればこれ1本でOK。ノーシンカーリグからの軽いウエイトでも十分に飛距離が出せ、しっかり操作できる。ラインはPE0.6号にリーダーフロロ8Lbの細目のセッティング。メインラインから6Lbくらいのフロロラインを使っても大丈夫。
    「サイファリストHRX CPHS-83MH」(バレーヒル):堤防周りなど、3.5~5gのジグヘッドリグやライトテキサスで狙う時はこちら。操作性、飛距離、パワーのバランスがよく、40UPの大型にも十分余裕で対応できる
    スロープにはアイナメも着いている。これからは常夜灯周りに集まるミミイカなどを狙って夜の漁港にアイナメが集まる季節

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    PROFILE:東谷 輝一

    ロックフィッシング・ジギングをメインに三陸でのルアーフィッシングに精通。カレイ、イカ、チカ等、三陸沿岸四季折々の旬の魚をターゲットとした釣りや、バスフィッシングもこなすマルチアングラー。岩手大槌町在住。サポートメーカー:ベイトブレス、バレーヒル、アクティブ

     

    ※取材・解説/東谷 輝一

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