ふらっと手軽にヤリイカエギング![2010年]
エギングのフットワークを最大限に活かす!
釜石周辺は釜石港T字防波堤をはじめ、平田漁港、唐丹漁港などなど、陸っぱりでヤリイカを狙える好釣り場の宝庫。根周りを好むヤリイカは夜間、防波堤と磯の間を回遊。特にマヅメ時は回遊数が多く、1杯釣れた後に連発する可能性が高い。また、マヅメ以降は20時過ぎ、24時過ぎなど(日によって異なる)、小規模な回遊が何回かあり、一晩に数回はチャンスが訪れるというのが一般的なパターンだ。
ただ、今季はヤリイカの群れが薄く、回遊待ちは当たり外れが大きい。実釣を行った釣具オヤマの小山哲平さんによれば、「これは今年に限らず、ここ数年の傾向なんですが、場所ムラ、日ムラが大きくて1か所でまとまって釣れることが少なくなっています。ですから、1か所でずっと粘るよりは、イカが着いていそうなところを次々に攻めていった方が釣果は伸びると思います。エギングの場合は、ランガンでストラクチャーを撃っていく、ソフトルアーのソイ釣りのようなスタイルになりますね」
ヤリイカは回遊ルート中のカケアガリや海藻の周りなどに定位して、エサが通るのを待ち構えている。係留船の間やゴミ溜まりの下、常夜灯の外周の切れ目なども実績が高く、狙うポイントもソイに近い感じ。
エギサイズは2.5号前後。アオリイカのような強いシャクリはヤリイカをびっくりさせるばかりで逆効果。シャクリはイカにエギを気付かせるアピール程度と考えて、1回シャクったらいったん止めて、フォールとステイで乗せるのがセオリーだ。
ヤリイカは自分の目の前から落ちていくものに反応するので、カーブフォールとシャクリを繰り返しながら、中層から底層までを探っていく。底まで落ちたら、根掛かりしないように注意しつつ底付近を探り、また、同じように中~底層を攻めることの繰り返し。根掛かりに注意しながらも、粘り強く底を攻められるかどうかが釣果を左右する。
仕事の後に出来るのがナイトゲームならでは
ヤリイカエギングで何気に大切なのが、カレントの変化を読むこと。一見、止水のように見える港内でも何らかの流れはあるものなので、流れの上手からダウン~ダウンクロス方向に角度を付けて攻める(流れの下の方向にキャストする)ようにする。と、流れがいい抵抗になって、エギは自然にステイ。ヤリイカの場合、エギが止まった瞬間に乗ることが多いので、これができると、エギングのアクションがあまり上手くなくても、自然にイカが乗るタイミングを作ってやれるというワケだ。
仕事などの関係で夕マヅメの一発目の回遊を狙えなかったとしても、2回目、3回目の回遊があるし、ストラクチャー撃ちであれば時間帯とあまり関係なくイカは乗ってくる。気が向いたら好きなときに遊べるのが陸っぱりヤリイカの魅力。仕事が終わった後の夜に内陸から来て、朝方まで夜通し遊んでいくという人も結構多いそうだ。
ヤリエギングは例年、1月上旬頃までの釣り物なので、シーズンインが遅れた今年は、すでに後半を過ぎて終盤に差し掛かりつつある。ただ、今季は大釣が少ないかわり、いつもの年より良型が多い傾向。12月15日には胴長28.5cmも上がっているので、型物狙いで挑戦してみるのもいいかもしれない。
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取材・解説/小山哲平
取材協力/釣具オヤマ(TEL:0193-23-7754)
エギ類やオリジナルフラワーなどイカ用品が充実する釣具オヤマの若旦那。釜石周辺のあらゆる釣り物に詳しく、最近はシーバスやアオリイカ狙いで秋田や青森にも足を伸ばす
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