釣行記

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  • 宮城&岩手の子持ちナメタガレイ釣りガイド[2]亘理荒浜編

    針生 秀一 2020年12月10日 更新

    宮城、岩手のナメタガレイ釣りについて、針生秀一さんが紹介します。前回、塩釜沖に続き、亘理町荒浜漁港から鳥の海沖に出船しました。ナメタガレイばかりでなく大型のマコガレイも期待大!!

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    ナメタ釣りガイド[1]塩釜沖編

    塩釜沖に釣行した翌週は亘理「拓洋丸」の根周りカレイに乗船。この日は仙台湾のカレイ釣りを楽しみに、横浜市から遠征してきた釣友、伊井奏洋さんと右舷胴の間に並びます。

    北西風が強まってくる予報で、満船の12名皆さん早上がり承知の乗船です。定刻より早めの5時半に港を出ました。一時間ほど走って亘理の南沖で開始。早くも西寄りの風が吹いてきて海面はざわついています。

    亘理「拓洋丸」の根周りカレイ五目は土曜日とあって満船の12名。この日は左舷側が日向になりました

    岩礁帯周りの根周り五目釣りを楽しめる

    水深40mほどの岩礁帯。こんな根周りのカレイ釣りで、私が使う仕掛けは三浦屋直結仕掛けの2本バリ一択です。オモリはフジワラの塩ビコーティングの40号。これが根掛かりを軽減してくれます。

    ハリはがまかつ「あわせカレイ」2Lに、ハリスはサンラインの「トルネードVハード」4号を結びました。

    アオイソメは、ボリュームを損なわず喰い込みの良い縫い刺しにして投入。凸凹の根の上をなぞるように誘います。すぐグッとアタリが出て、アワセを入れて巻き上げてくると30cmクラスの良型マガレイです。トモではタモが出て、40cmほどのマコガレイが取り込まれました。

    私は仙台湾の根周りで三浦屋式直結仕掛けの2本バリを使っています。オモリは「カレイ専用シンカー」(フジワラ)の塩ビ蛍光、アオイソメはボリュームを損なわず喰い込みの良い縫い刺しで

    ここで船中アイナメにマコ、マガレイが釣れてきますが、バタバタと集中する感じではなく、まだ食いつきはいまひとつ。こんなときはじっくりと寄せの誘いから、止めと食わせの小突きで、居合わせたカレイに食わせて掛けるイメージの組み立てにします。

    私の右舷側が先に入る潮先なので、細かく速い小突き中心に、流しに合わせてトントンと仕掛を移動させていきます。これでマガレイが続けて釣れてきます。細かく引きずる誘いにはマガレイが多くなります。

    少しパターンを変えて、スローなシャクリから落とし込みを入れるようにすると、アイナメが連発、続けて34cmのマコガレイが掛かってきました。伊井さんも大きく竿を曲げて41cmのマコガレイをタモに収めました。

    亘理沖40mダチではマガレイから釣れてきました
    横浜市の伊井さんに40㎝級のマコガレイ

    箕笹船長は流し替え、小移動を繰り返して根を攻めていきます。右ミヨシと左トモの対角で40cmクラスのナメタも上がりました。左舷側ではナメタが連続で取り込まれました。

    少し沖目には亘理港の釣船が2艘流しています。風は強まり、移動して走っていくのを見ていると、ミヨシから高く飛沫が上がっています。時刻は10時、やっぱり風と坊主は10時からの例え通りだな…これはそろそろ早揚がりか?と思いましたが、ここで風が少し弱まってきました。

    15分ほど移動して投入。すると右ミヨシ2番の方が聞きアワセで竿を立てると、グイグイという引き込み。船が風で流されて負荷が大きくなり、竿先が水面まで持ち込まれています。竿を立てるようにして耐えて巻き続け、水面に見えてきたのはナメタ、すかさずタモが入ります。40cm越えで、煮付けの切り身4等分というサイズ。これは年越しに嬉しい。

    根周りのカレイは良型多く、強力な引き込みで竿を曲げてきます
    腹に水を抱く重量感で竿先が水面まで待ちこまれる!
    上がってきたのは45cm前後のナメタでした。これは嬉しい

    根周りのナメタ釣りに根掛かり対策はマスト

    伊井さんは根掛かりに悩まされて仕掛けを連続でロス。「根周りの釣りを侮っていましたね。砂地でのマガレイに合わせてPE1号の道糸にしたのが失敗でした。やはり根周りには最低でもPE2号ですね」

    私はPE2.5号で根掛かりでの仕掛けのロスは無く、フグの齧りつきと根に擦れての幹糸損傷で仕掛け2組、ハリは10本ほど交換しました。

    最後の流しで投入。スロー&クイックに仕掛けを動かし、秒一往復くらいのストロークの小突きをしていると、モタッというアタリ。これは先バリのエサを吸い込み、前進してきたときに出るパターン。仕掛けが緩むのでアタリの伝わりが消えるのです。スッと聞き上げるようにすると重みが伝わり、ズッシリ底に張り付くような感触。さらに竿を立てるとバタバタと強力に引き込んできました。

    これはデカい。竿を水平に保って、ゆっくりリールを巻き上げてきます。途中の突っ込みはヘビー級のパワーでドラグが滑ります。水面に見えてきたのは大型のマコガレイ。隣の方がタモを構えて、右回りで泳ぐのを誘導して一発でタモに入りました。計測すると52cm、これはマコガレイの自己記録更新サイズです。

    私には52cmのランカーサイズのマコガレイ。自己記録更新の大型マコガレイでした
    伊井さんは37cmマガレイにマコガレイは41cm。「仙台湾の根周りカレイは釣り応えあります」と笑顔。6月に拓洋丸で「親子釣り教室」をやりますよ!

    12時半に沖揚がり。定刻までできたのはラッキーでした。岸壁に戻ると「釣りえさマリン」の丹野社長と常連の大泉さんが出迎え、みんなで亘理の浜料理の名店「あら浜」へ食事に行きました。

    季節の名物メニューが「はらこめし」から「ほっきめし」「牡蠣めし」に替わり迷いましたが、浜の旬の魚介が盛られた漁師丼をみんなで注文。これが最高に旨かった。いつものアフターフィッシンングはラーメンでしたが、季節の名物料理で締めるのも良いですね。

    これから冬~春に向けて、さらに面白さが増してくる仙台湾の根周り五目釣り。カレイ、アイナメに加えて、年明けにはクロメバルも開始されます。寒さもピークになりますが、熱く夢中になって寒さを忘れる釣りを楽しみに行きましょう!

    次回は2016年の竿納めになった岩手県宮古市「重茂半島」のナメタ、ヒガレイ(ムシガレイ)をレポートします。

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    宮古重茂トドヶ崎沖のナメタ

    「拓洋丸」は亘理荒浜港の南側岸壁から出船します。
    ■予約TEL:090-3755-4496

    「強めの風でしたが釣れ具合はまずまずでした」と箕笹文夫船長。これから亘理沖では、クロメバル、そしてクロソイも面白くなります
    締めは亘理「あら浜」で、亘理の旬がテンコ盛りの漁師丼。これは旨かった。大泉さん、ごちそうさまでした!
    [あら浜 本店]
    ■場所:宮城県亘理郡亘理町荒浜字中野183-8
    ■営業時間:11:00~14:00、17:00~20:00
    ※月曜休

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    PROFILE:針生 秀一

    船釣りを中心に、防波堤や河川の小物釣りなど、なんでもこなすオールラウンダー釣り師。全国各地の釣りと釣り具の知識が豊富で、釣りの生き字引的存在。泉区のロックバーラグ(Rag)オーナー。シマノフィールドモニター

     

    ※取材テキスト・写真提供/針生秀一

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