岩手県閉伊川のサクラマス
岩手県宮古市在住のピュア・フィッシング・ジャパンフィールドスタッフ佐々木健太郎氏が地元、閉伊川のサクラマスをレポート!
(2023年4月15日掲載)
岩手沿岸河川・閉伊川の桜鱒
東北河川の桜鱒の投稿が賑わってきましたね。
いよいよトラウトシーンもハイシーズンといったところでしょうか。
さて、私はロックフィッシュが専門ですがその傍、地元岩手の中小河川『本流の桜鱒』を追い求める桜鱒フリークでもあります。
今回は閉伊川の桜鱒について解説させていただきます。
この記事は2019年に投稿した『ピュアフィッシングSWブログ』の2023年リメイク版となります。
【Pure Fishing Japan SaltWater BLOG】 閉伊川の女王サクラマス!
【参考元URL】https://www.fimosw.com/u/purefishingsalt/da3afjcgspmkao
皆さんご存知かと思いますが、桜鱒とはヤマメの降海型で、海で盛んに餌を食べ大型化し、1年後に生まれ育った川に産卵の為戻ってくる個体のことを指します。
広大な海原へ出てもなお、多くの魚が母川回帰するというのだから不思議ですよね。
閉伊川の魅力としては魚の美しさもさることながら、なんと言っても景観の素晴らしさ。
大型河川に比べると個体数は全く歯が立ちませんが、ロケーションの良さは閉伊川も負けてはいません。
上流域ともなるとこんな景色を眺めながら桜鱒が狙えますよ。
どうです、一切人工物が無く、非日常を味わえるこのロケーション。
川に立ち込んでいるだけで癒されます。
そういう意味では磯ロックの魅力に通ずる所がありますね。
閉伊川で釣りをするときの注意点としては、水押しの強い川ですので基本、立ち込みは水を捌ける股下くらいにすること。
ムリに対岸に渡ろうとしないこと。
何度もチャレンジしましたが、無理矢理対岸へ渡ってもあまり釣れません。
閉伊川では釣り下りでランガンというのが定番のスタイルとなります。
ポイントにより次に差してくる魚をひたすら待つのも一つの手段だと思いますが、閉伊川は画像にも載せたようにイメージとしては本流ヤマメを狙うような感覚で釣る川となります。
狭い川ですし、次に入る人のことも考慮し一つのポイントで粘るよりは〝その時、そのエリアで活性の高い魚〝を狙った方がより効率的ではないかと考えております。
桜鱒狙いにおいて、活性の高さは適水勢や気圧の変化等が関係しているという難しい話しもありますが、長くなるので今回は割愛しますね。
いつか機会があれば書きたいと思います。
私が通い始めるのは4月以降、雪代が落ち着き始めてからとなります。
三陸の春の訪れとともに桜鱒釣りも始まる
4月上旬の釣行
仕事終わりの短時間で三回釣行しましたがいずれも空振り。
そして四回目の釣行。この日も午後から川へ向かいました。
雨と雪代で増水してからの水位が下がり切る前で笹濁りのベストなタイミング。
一箇所目に車を止めて川を見ると先行者の姿。
それならと上流へ向かいながら空いているポイントを見ながら、ピンと来たところへ入ろうと車を走らせました。
川を眺めながらこの水位ならこのエリアだろうと駐車場へ向かうと先行者の姿はなくエントリーすることができました。
流心は対岸側で、上流側が浅く流れが厚く、下流に向かいややヒラいていくようなエリア。
ところどころ石が入っていて魚が足を止めそうなポイントも数箇所あります。
釣り下りながら桜鱒が潜んでいるであろうスポットに投げ込みますが反応はありません。
さらに下り流心が岩盤へぶつかり、ヨレが出来て深く掘れているこのエリアの最終ポイントへ。
風がたまに強く吹き付け葉っぱ等のゴミがフックに絡んでくる釣りづらい状況の中、ヨレに向かいキャスト。
ややアップ気味に投げミノーを水中に馴染ませていると、ダウンに入るかどうかというところでヒット!
水面に見えたギラギラした魚体がとても綺麗です。
フッキングすると桜鱒特有のローリングからの下流へダッシュ。
ロッドパワーとドラグで受け止めじわじわと寄せてきます。
サイズが良さそうだったのと、流心からすぐに寄せてしまったので暴れさせないようにドラグを少し緩めて一旦流心側へ走らせます。
寄せては走らせての繰り返し。
寄せた際に上顎にフロントフック、下顎にリアフックがしっかり掛かっているのを確認。
二、三回繰り返すと大人しくなったので水面を滑らせてネットイン。
やりましたー!嬉しいー!
リールは「ZENON4000番」
アブガルシアのハイエンドモデルなだけあり巻き心地、ドラグ性能、パワーは申し分なし。
ボディが小さく軽量なので8ft未満のロッドとの相性もバッチリです。
ラインは安心と信頼の「スーパーファイヤーライン」の1.2号。
リーダーはナイロンラインの「トライリーンZ」の20LbをFGノットで組んで〝掛けたら獲る〝スタイルにしてます。
生き物を相手にする趣味ならではの生命の力強さ、気難しさ、そして自然の美しさ、その季節に見せる表情、釣ったときの感動。
桜鱒釣りにはその全てを感じることができる贅沢が詰まっているような気がします。
こんな魅力いっぱいの桜鱒。
この釣行記を読んで桜鱒釣りにチャレンジしてみたくなった。やってみようかな。
そう思って頂ければ嬉しいです。
シーズンはまだ始まったばかりです!
日本のトラウト界、最高峰の魚にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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※取材・テキスト/佐々木 健太郎(岩手県宮古市)
※取材協力/ピュア・フィッシング・ジャパン