秋の盛期で喰い活発な鳥の海沖の船ヒラメ
がまかつフィールドテスター菅野順也さんが宮城県南・鳥の海沖(亘理沖)のヒラメ船釣りを解説!
亘理沖のヒラメ釣りは、今シーズンも絶好調!釣れ盛る最盛期に怒涛の喰いを体験。
釣り期は夏から晩秋までロングランで楽しめる。
(2024年9月掲載)
大海丸は餌のイワシを積みつつ亘理沖のポイントへ
宮城県亘理沖ヒラメの魚影の濃さはもはや言うまでもない。10メートル未満の浅場から50メートル超えの深場まで広範囲にヒラメが生息。また、天然のツブ根や人工漁礁など、条件の違うポイントが広範囲にあるのも釣果が安定する由縁だろう。
ヒラメフリーク親子で最盛期に突入している亘理へ釣行。午前5時半、港内の生け簀から餌として使うマイワシを船に積み込んで沖を目指した大海丸。梶を握る山川大海船長は、「ここ数年は餌のマイワシの確保が一番の課題ですね。後は海が凪で穏やかであれば間違いなく、魚はいますよ。活き餌を使うので不自然な誘いなどをしないで待つのが一番のコツです。餌付けでウロコを剥がさないようにすれば長い時間元気に泳いでくれますよ」とにこやかに語ってくれた。
風はそよそよで期待が高まる凪の海を航程45分、水深34メートルのポイントへ到着。海底には天然のツブ根が点在していてヒラメのベイトとなる小魚が集まる。また、警戒心の強いヒラメにとっては隠れ家ともなるので、衣食住ができる海のオアシス的な存在だ。
がまかつ2024年新製品「NEWデッキステージヒラメMH」
当日の私のタックルは、竿=今シーズン発売となった・がまかつ「デッキステージヒラメMH」、この竿の特徴は、手持ちでも、置き竿にも使えるオールラウンダー。繊細なロッドワークが可能な感度性能を持ち、柔軟なティップは食い渋り時でも違和感を与えにくい仕上がりとなっている。
仕掛けの親針=がまかつチヌ(金)孫針=がまかつ泳がせヒラメ6号。親針の金はマイワシの口先で光って、集魚効果もあると考えて最近私のラッキーカラーとなっている。リールは道糸3号が300メートル巻けるサイズを使用。仕掛けの幹糸はフロロの8号。ハリスは4~6号を状況に合わせて選択。
私のハリス号数選択は、活性が高くアタリが早く出る条件なら迷わず6号を選択。キズやヨレに強い太めで、エサの泳ぎが多少制限されても手返しを重視したチョイスだ。逆にアタリが遠くて、長い時間元気にエサを泳がせたい時には4号を選択。まずは、探りとなるハリス5号親針8号から開始(しつこいが、親針カラーは金!) 親針を口先の硬いところに、孫針を腹ヒレの付け根に装着。ヒラメ釣りにおいてエサ付け方は釣果に直結、丁寧かつ素早く作業をしたい。
活性が高すぎるヒラメへの対応方法
仕掛けが着底してまだ糸フケがある状態からいきなり「ガツン、ガツガツ」と強い手応えが伝わってきたが、それっきり音沙汰がなくなった。これは、活性が高過ぎる時の補食パターンだ。食い付いたらすぐに走り出すので、じっくり餌を飲み込むのを待つようなセオリーが通用しない。前アタリ=本アタリとなって、一発で針掛りしなければエサだけひったくられてしまうのだ。
次の投入でも同様に着底と同時に「ガツン」ときて走り出したが、一呼吸送り込んで針掛かりに成功。65センチの良型が浮上してネットイン。隣席の息子も同様に高過ぎる活性と格闘していた。3回連続でエサのひったくりにあっていたが4投入目でようやく58センチの中判サイズをキャッチできた。
抜群の魚影は健在!今後もまだまだ期待できる
朝一番は魚影の濃さと活性の高さに悩まされるという、亘理沖ならではの状況に困惑したが、日が昇ると活性が一段落。「前アタリのコンコン」→「飲み込みを待ってゴツン」教科書通りの基本操作で次々に針掛かりとなり順調に数が伸びた。
船上では他のみなさんも連続で竿を曲げ、肉厚のヒラメがタモにおさまった。40センチ前後、この海域では小型と呼ばれるサイズも混ざって釣れたが、丁寧にリリース。小型の登場は来年、再来年も魚影の濃さに期待できるということなので、ウェルカムである。
納竿時間まで絶好調の食いは続いて、私の釣果は19匹。息子は9匹釣ることができた。亘理沖のヒラメ釣りは餌の確保次第だが晩秋まで出船の予定。釣れ盛る今が狙い目だ。
遊漁船紹介:大海丸(荒浜漁港)
カレイ、ヒラメ、メバル、マダイ、深海などの船釣り中心にワカサギや渓流など多様な釣りをこなすオールラウンダー。がまかつフィールドテスター、山豊テグスフィールドテスター、マルキューフィールドスタッフ、スポニチAPC、日本魚検定(とと検定)2級取得。福島市在住
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※取材・テキスト/菅野 順也
※取材協力/がまかつ、大海丸