サクラマスルアーのカラーについて。
東北の巨匠こと村岡博之さんが東北のルアーゲームを解説していく連載企画です。
今回は来る早春のサクラマスシーズンに向けて、ルアーカラーについて解説してもらいました。ハンドメイドルアーのビルダーならではの視点が参考になるはずですよ!※2018年1月掲載
コメート90(ジャクソン)を例にカラーを解説!
いよいよ待ちに待ったサクラマスシーズンです。北上川水系はトップを切って1月20日に解禁しますが、実際釣れるのはその1か月ほど後のことです。そこで今回はルアーのカラーについてお話してみましょう。
※カラーサンプルはオライノ×ジャクソン・コメート90
クロキンオレンジベリー
ブラック系は万能に使えるカラーです。特にバック(背)だけがブラックの場合は側面のホロやメッキが効く場合があります。特にゴールド系(金)はシルバー系に反応しないときには強い味方となります。
クロギン
ナチュラル系カラーの代名詞ともいえるクロギンはサクラマスが海にいた時に捕食していたベイトに酷似しているカラーです。基本的に川に遡上したサクラマスは捕食では無くリアクションでルアーにバイトすると言われていますが、ベイトに似せたカラーは川に入ったばかりの個体には威力を発揮することも?
ライムチャート
ここ数年爆発的に釣れているカラーです。もちろんこのようなカラーのベイトは存在しませんが、チャートやライムに反応するサクラマスは少なくありません。北陸では最も売れているカラーですが、このカラーをキャストするアングラーが増えれば、おのずとヒット率も比例して上がるわけです。
アカキンベリーオレンジ
アカキンも定番中の定番ともいえるカラーです。バックの赤はもちろん、側面の金メッキやホロのフラッシングが効き、ベリーのオレンジがさらにバイトを誘発します。サクラマスルアーのベリーカラーに蛍光オレンジやレッドが多いのは、イクラのその色に似せているからだと言われています。サクラマスを始め鱒族は、卵を見ると本能で銜えて上流に戻す習性があると言われています。
スモークブラックオレンジベリー
スモーク系は濁りの入った流れで威力を発揮します。濁りと言ってもユキシロのそれですが、背の黒も濁った水中では目立つ色です。水中の黒は空中のオレンジと同じくらい目立って見えるようです。
ヤマメ
サクラマスがヤマメを捕食していることはほとんどないかもしれませんが、サクラマスルアーにはパーマークの入ったルアーは欠かせません。どちらかというと、魚よりもアングラーを釣るファクターのほうが個人的には大きいような気がします。
ブルピン
ブルーとピンクは人の目には違った色に見えますが、水中で見る魚の目には同じように見えているはずです。ブルーとピンクは色の波長が近く、水中に入った太陽光線は多くの波長の光を吸収したり水面で反射するので、理屈では波長の長い青系が遠くまでよく見えることになります。
ピンクヤマメ
これはピンクにパーマークと、アングラーが思わずリアクションバイトしてしまうファクターが盛り込まれたカラーです。コメートの場合、ベリーがチャートなのでまさに良いとこ取りカラーです。もちろん実績もピカイチです。
サクラマスを釣るルアーはスプーン、ミノー、バイブレーションと、いろいろなタイプのルアーがあります。また、三種類の中でもまた細分化され、レンジやリトリーブスピードなども違ってきます。
アングラー側はその日のシチュエーションで、トレースするレンジ、ルアーのタイプ、ルアーのカラーをチョイスするわけです。さらに時間帯や季節、ポイントでも変わってきます。その中で全てのピースがはまった時に結果につながるわけですね。
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石巻を拠点に活動するベテランルアーマン。自称東北の巨匠。シーバスをメインにサクラマスやロック、フラットなど幅広く嗜む。ハンドメイドルアーファクトリーOrynO(オライノ)代表。ピュア・フィッシング・ジャパン、ジャクソン、エクリプスフィールドテスター、リアスアドバイザー、がまかつ他サポートメーカー多数。
ブログはこちら http://oryno.ni-3.net/
※取材・テキスト/村岡博之