宮城県志津川沖の深海タラ釣り2022[三浦明船長解説]
産卵期を前に白子でパンパンになったマダラを狙って、南三陸町の船宿三浦屋(戸倉漁港)を取材してきた。志津川沖水深200m前後の深場のタラ釣りを、三浦明船長の談話をまじえながら紹介する。
(2022年11月掲載)
志津川沖水深200m付近からスタート
浅場へ移動しながらタラの集まるポイントを探す
取材で出船したのは2022年10月30日。波伝屋漁港近くの三浦屋の店舗で受け付け後、まだ暗いうちに明丸で出船した。
前回の出船でよく釣れたという水深200m前後のポイントに入ったが、この日はドンコばかりでマダラは1本のみ。少し風が吹く予報だったことから、金華山沖方面など遠方へは行かず、少しずつ水深の浅い方へと移動しながらタラの群れが集まる場所を探した。
水深150~200m以深を狙うための道具立て
三浦明船長に三浦屋のタラ釣りの道具立てを教えてもらった。電動リールはダイワ1000番、シマノ9000番以上が目安。竿は2.4m前後で、300号のオモリを使うのでオモリ負荷が200-300や200-400と表示しているもの。
PEラインは最低10号以上で、ほとんどの人が12号を使用している。細い糸は根掛かりした時に切るのが大変で、高切れしてしまうとポイントに糸が残り、ポイントを潰すことにもつながってしまうため、指示に従うようにしよう。
仕掛けはハリス8号、幹糸10号が基本。ハリ数は初心者で3本、多くて7、8本くらい。「震災後、タラがよく釣れた時には12本バリ一杯に釣れたようなこともありましたが、ハリが多いと手返しも大変なので、5本くらいが良いと思います」
潮流の速いポイントで深場を釣るタラ船では、オマツリ等のトラブルを減らすため一斉投入、一斉回収がルール。あまりハリ数を多くしてしまうとエサ付け、仕掛けの準備に手間を取ってしまい、投入回数が減って結果的に釣果が悪くなってしまう。
※三浦屋では300号の鉄オモリを船上に常備している。使ってそのまま返せば無料、根掛かりなどでロストしてしまった場合は1個あたり500円を下船時に支払うシステム。
高い根をかわして根掛かり回避!エサの新鮮さも食いに影響
釣り方のコツとしては、タラは根周りを釣るので、根掛かりを回避しながら流すことが大切。「基本的に底から1~2m上げて釣るようにします。引っかかりが多いような場所では(船長アナウンスあり)、大体最初は砂地から入って5~10mくらい上がるので、そのまま流していたら確実に根掛かりしてしまいます」
宮城沖は沈船などのポイントが中心になっており、高低差があるうえ、そのまま仕掛けを入れたら引っかかってロストにつながってしまう。
「あとは生きのよいエサを使うこと。エサはサンマ、サバ、イカなどですが、何でも冷凍などより新しいものの方が釣れます」。この日の竿頭の人が使っていたのは生サンマの切り身。他の方も3点掛けした時に使っていたのは、釣り上げた小さめのサバを切り身にしたものだった。「釣ったばかりの新鮮なサバは皮が硬いから、エサ保ちが良いのもイイ」と、明船長。
終盤ラッシュがありトップで12本の釣果!
前回良かった場所が釣れず心配されたが、移動するにつれて少しずつ調子がよくなり、終盤はまとまって上がるポイントも見つけてマズマズの釣果で終了。
以前たまに釣れたような1m、10kg級の大型はあまり見られなくなったそうだが、中型中心に多い人12本、船中51本の釣果。お腹パンパンにタラキク(白子)の詰まった雄マダラも多く混じった。
親潮系の寒流は潮が緩くより釣りやすくなる
これから冬場はオキメバルの数釣りも期待!
帰港後、これからの釣況について明船長は、「マダラはこれから産卵のため浅場に接岸するので大体12月一杯までですが、1月に入ってからも100本くらい釣れたこともあります。寒流の親潮になると潮が緩くなるのでポイントに着けやすく、釣りもしやすくなり釣果も期待できます」
また、志津川沖の100m前後ではオキメバル(ウスメバル)釣りも始まり、こちらは1月頃にかけてが盛期。「冬になるとメバルの群れがまとまって数釣りをしやすくなるうえ、親潮で潮が緩いので1か所のポイントで500匹や700匹と釣れることもありますよ」
冬場うれしい鍋料理にもぴったりなタラやドンコ、オキメバルを狙うには最高の季節。冬も熱い志津川沖にぜひ釣行してみていただきたい。
◆記事に書けない裏話や質問への回答は無料メルマガ(毎月25日発行)で配信中!
YouTubeチャンネル登録もお願いします!