釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

歌津沖メヌケ&タラキク(タラの白子)満開!

菅野順也 2021年3月25日 更新

冬の海面に真っ赤な花を咲かせるメヌケに、お腹パンパンに鱈菊が詰まったタラを両獲り!深海ファンお待ちかねのシーズンの到来だ。南三陸・歌津沖は今季も絶好調で開幕している!!※2013年11月掲載の記事です。

高級なメヌケと腹パンのマダラ!
冬に最高の食材を手に入れる!!

東北各地から初雪の便りが届いて、間もなく冬も本番に突入。冬は魚の美味い季節!今回は、メヌケと白子入りのマダラとのリレープランでの出船となった。

朝一番、まず狙うのは深海釣りの花形的存在のメヌケから。清重丸の小山清孝船長によれば、「今日はお客さんの要望でメヌケから狙ってみます。今シーズン初のチャレンジですが、実績の高いポイントですから魚は居るはずですよ」とのこと。

歌津の泊浜より出船した清重丸は午前7時、水深175mラインの根に到着(ポイントまでの航程は場所にもよるが、だいたい1時間半程度)。メヌケ狙いに使用したのは、がまかつの沖メバル五目サビキで、メヌケ釣りにも合う仕掛け。

全体にマダラの魚影が濃く、メヌケを狙っているポイントでも食ってくることが予想されたので、ハリスは太めの6号を選択。ハリは16号で、マダラが掛かってもやり取り次第では取り込める想定だ。

エサはホタルイカのゲソやイカの短冊、サバやサンマの切り身など。どのエサに食いが良いか?反応を見ようと組み合わせて付けた。

取材日は凪に恵まれ、快適な釣行に!これからの季節は海況が釣果をアシストすることも多い
メヌケ狙いの仕掛けは「沖メバル五目サビキ 16号」。25cmのハリスがほどよく揺れ動いて誘いになる。また、「極ムツ赤」はタラ釣り仕掛けに使用。通常は22号だが、食いが渋い時は20号にサイズダウン(商品はいずれもがまかつ)
エサはサンマの半身。タラ釣りの場合に比べると少し小さめに切っている

深場の釣りではお祭り防止のために自由な投入はできない。後方から順番投入が清重丸のルール。小山船長はポイントの潮上で船をゆっくりと走らせながら笛で合図を5回。乗客10名の仕掛けは扇形に海底に届いた。

一投目、私の竿には当たりがなかったが、隣席の竿先が揺れ動いた。オキメバルに似た感じだがより激しく、サバなどが掛かった風でもあるが、直ぐに揺れが消えた。
「これはメヌケ!」
私は確信した。巻き上げてみると、赤い色が見えてきた。やはりメヌケが掛かっていた。

正確な種類はバラメヌケで、あまり大型にはならないが、味はとても美味。他の方にも1匹掛かっていて、まずは船中2匹。
「おうっ、いたべいたべ!」
小山船長は更に次のポイントに船を進めた。

隣席で食ったエサはサンマの切り身。「今日の当たりエサは光り物か?」と、参考にさせていただき、イカ類をやめ、全てサンマの切り身にチェンジ。次の投入となった。

着底したらオモリがたまに海底に当たる位の棚をキープ。頻繁に根に当てると警戒して逃げてしまうが、メヌケはあまり高い層は泳がないので大きく底から離してしまわないように御注意を。
「来た来た!」
ブルブルと鋭く揺れ動いてピタリと止まった。しばらく待っていると更にもう一度。多点掛けの予感は的中。メヌケがダブルで上がってきた。34cmと37cm。バラメヌケとしては立派な満足サイズ。更にトリプルヒットのお客さんもいた。

ノドクロとも呼ばれるユメカサゴもヒット。こちらも脂が乗って美味い魚だ。その後も当たりは続いて、前半に私はメヌケ6匹、ノドクロ2匹とマダラ2匹を釣り上げることができた。

釣り場に着いて仕掛けを落とすと、さすが実績ポイントという感じで、バラメヌケがコンスタントに釣れてきた
良型をダブルキャッチ!
底取りの加減がメヌケ釣りのキモ。メヌケはオモリの音を警戒するため、オモリで底を叩かないよう注意しつつ、しっかり底取りをする必要がある(少し仕掛けが浮くと食いが落ちる)
貴重な良型メヌケを2点、3点掛けした人も!
外道のユメカサゴ(通称ノドクロ)。メヌケのような迫力は無いが、こちらもおいしい魚
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濃紺の海から真っ白な巨体が連続浮上!

午前10時、メヌケ釣りを終了して次のターゲットはマダラ。船長は200mラインへ船を15分走らせた。ほんの少し走って違う魚種が狙える。海産資源の豊かさと、船長がポイントを熟知しているからこそ成せる技だ。

使用したマダラ狙いの仕掛けは手作りで、ハリ22号、ハリス12号60cm、幹糸14号120cmで6本バリがメイン。当日は出番がなかったが、食いが良くない時の対策に、全体に1ランク落としたサイズも準備。

エサはサンマの切り身で。自宅で捌いて準備する段階から釣りが始まる。身はあまり付けずに銀色の部分を薄く削いでヒラヒラと漂わせるのが食わせるコツだ。夜光のタコベイトを追加してさらにアピール度をアップするのもオススメ。

リールはテル岡本氏プロデュースのディープマスターAT3(アルファタックル)。十分パワーがありながらコンパクトで釣りやすいのが特長
道糸はスーパーPEゼロファイター8号(ヤマトヨテグス)。仕掛けは6本バリで、フロロハリス(ヤマトヨテグス)の14号を幹糸に、12号をハリスに使用。ハリは上でも紹介した、がまかつの極ムツ赤22号
ハリのチモトには下田漁具のタコベイト、ヤコウクラゲ、ヤコウピンク、ヤコウオレンジをセットした
絡み防止にボールベアリング5連結9号、枝部分にはストロング親子1×2号(ともに下田漁具)
エサのサンマは半身を丸ごと写真のようにエサ付けする。マグネット板も持参した方がいい(写真のマグネット板は自作品)

私は10月末にも同船でマダラ釣りに出船している。その時すでに白子は十分に熟成していた。今回さらに上を期待しながら仕掛けを投入!

着底して直ぐに当たりがきた。「ゴンゴン」と力強くいつまでも続く。これぞマダラの魚信。見ているだけでも気持ちがいい。「今日は潮の流れが緩いから追い食いさせやすいです。底を上手く取りながら食わせて下さいよ」と、船長がアナウンス。収まりかけた竿の振幅が再び激しくなり巻き上げの合図。

魚が掛かった仕掛けは水圧の変化で巻き上げ中に浮力が付いて潮下に流れる。空振りだったらお祭り防止のために高速で回収するのが無難。また、魚が掛かっていても浮力に負けないように少し速めの巻き上げ速度で、うねりによる口切れ対策にドラグを緩めに設定するのが基本となる。

澄みきった潮に白い影がゆっくりと見えてきた。一投目から三点掛け!他の皆さんにも多点掛けが見られた。それから空振りなしの投入毎に2点、3点掛けが続いた。終了間際に一段と大きく竿が曲がって上がったのは5点!しかも、全て5kgクラスで4匹がオス。これには驚いた。

私のマダラ釣果は16匹。帰宅後に腹を裂くと白子がどっさり。そして割合がびっくりの10匹がオスだった。

浮いてきたタラを1本ずつ取り込む。メーター級ならギャフの使用がおすすめ
腹パンを多点掛け!
同船者も好調に釣果を上げていた
こちらは大型をキャッチ!10kg超も十分に期待できる
メヌケ6本、タラ16本の上々の釣果!
オス1本でこの白子!コンディション的にもベスト。タラキクシーズンは今後、12月一杯はOK。年明け後も、1月の間は十分に期待できる
清重丸の小山清孝船長。出船港の泊浜漁港へは国道45号線から長須賀海岸方面に進む。これからは専らタラ釣りで、たまにメヌケやタラメヌケで出船する予定。深海の出船料金は一人12,000円。オモリ300号使用。
TEL:0226-36-3257
PROFILE:菅野順也

カレイ釣りのトーナメンターとして活躍しながら、ヒラメ、メバル、マダイ、深海などの各種船釣りにワカサギ、渓流までなんでもこなすオールラウンダー。がまかつ、山豊テグスフィールドテスター、マルキューフィールドモニター。福島市在住

 

【おいしいマダラの調理法はこちら】
マダラの下準備
3枚おろし
タラキクの下処理
タラの昆布締め
タラキクの柚庵風つけ焼き
マダラのキク包み揚げ

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※取材・テキスト/菅野 順也
※取材協力/清重丸(宮城・泊浜漁港)

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