アジ舞い マダイ咲く 電気釣りの威力
夜の海に強力な集魚灯を照らすと、プランクトンや小魚が集まり、そこは魚たちの格好のエサ場になる。寄ってくるのはアジやマダイにワラサ、ヒラメ、サワラなどなど。釣り人にとってパラダイスのような、好ポイントの一丁上がりなのだ。
秋田沖の電気釣りでマダイとアジを狙った
刺身、塩焼き、フライ、…どんなレシピでも美味なアジと大型が狙えて引きも強い人気釣種のマダイ。日本海の電気釣りではこれら2魚種を同時に狙うことができる。
10月22日、秋田沖でマダイ&アジ狙いの電気釣りを取材してきた。夕方6時に出港し、日没と同時に灯火を照らすと、ポツポツというペースでサビキにアジが釣れ始めた。それも30~40cmの良型ばかり。潮がかなり速く、マダイの食いはあまりよくなかったが、それでも船中16枚。竿頭はマダイ11枚の好釣果を上げた。
乗船した秋田港の遊漁船BIG BOY、大坊船長によると、「今年は水温がまだ高めなので、シーズンが大分遅れていますよ。いつもの年だと大きいマダイが釣れ始めてもいい頃なんですが、まだ小さめが多いですね。ワラサなどの青物もあまり釣れてないので、おそらくこれからよくなるんじゃないかと思います」
アジ、マダイの他にも狙いたい魚がいっぱい
「竿は2本出しが基本ですね」と大坊船長が言うように、アジ用、マダイ用の2本のタックルを用意する(マダイ&マダイ等もアリ)。自己完結型のオマツリを防ぐため、タックルには1mくらいの長短差をつけるのが定石。例えば、アジ用に4m以上の胴突き竿、タイ用に2~3mくらいのマダイ竿、などだ。
アジはサビキ仕掛けで狙う。予めいくつかの種類を用意しておき、当たりバケを探せばいいのだが、ビッグボーイでは高い実績を誇るオリジナル仕掛けを用意しているので、それを使ってもOK。他方、マダイは片テンビンに1本バリで狙う。ハリスの長さは2~5m、潮の速さや魚の活性でハリスの長さは調節する。
マダイのエサはユムシ、アオイソメ、スーパーコールデルなど。船長によれば、「全般にユムシは大ダイ向きで、30cm台が中心のときはアオイソメの方が効くこともあります。今日の竿頭の人は両方を用意して、(魚の大きさに合った)アオイソメメインで使っていましたよ。あと、アオイソメを使うときの注意点なんですが、エサのボリュームが小さいとエサ盗りにヤラれる確率が高まるので、タップリと房掛けにするのが大切ですね」
また、この日は少なかったが、青物やヒラメ、スズキなどのフィッシュイーターも重要なターゲット。これら魚食性の魚たちは専用の泳がせ仕掛けで狙ってもいいし、バケのついた小さいハリと大物用の大型バリがセットになった道楽仕掛けなども有効。他に、サビキ仕掛けの下に泳がせ用の胴突き仕掛けを組み合わせるのも一手。
フィッシュイーターの中で気を付けたいのがサワラの存在だ。取材日と一週間後の10月29日はサワラが非常に多く、サビキのハリスを切られて難儀した。予備の仕掛けを用意するのもいいが、サワラの鋭い歯に負けないワイヤー仕掛けで積極的に獲りに行くのもアリ。食べておいしい魚なので、現れたら狙えるように準備しておこう。
この他にも、釣り座によっては鯛カブラも楽しめるし、アオリイカをエギングで狙うのも面白い。日中、根や漁礁に着いていたアオリはベイトを追って水面付近まで浮いてくるそうなので、3.5号前後のエギとエギングロッドをついでに持参しておくといいだろう。
電気釣りは日本海の魚種の豊富さと魚影の濃さを実感できる、かなりアツい釣法だ。しかもこれからは、大型マダイの期待度が高まり、ワラサも南下してくるハイシーズン。唯一、頭が痛いのは、日本海側は天候の荒れる日が多くなることくらい。出船さえ出来れば、釣果はほぼ約束されたようなもの。いざ妖艶な光線と爆発的な魚影のパラダイスへ!
取材協力/遊漁船BIG BOY(ビッグボーイ)(TEL:090-7068-0549)