釜石ショアジギ 夢のワラサも回遊中![2010]
漁港周りにイナダ、サバの魚群襲来!
釜石のショアジギといったら、まず思い浮かぶのがサバだろう。大槌、両石、釜石、唐丹の各湾、今季もいい感じでサバが釣れ続いているが、今シーズンはイナダの群れがかなり濃く、イナワラ~ワラサ級の良型も漁港周りに寄ってきている。
釜石周辺で釣れているサバは35cm前後の型揃い、イナダは30~45cmが中心で、それ以下のワカシ級はあまり見られない。釣具オヤマの小山哲平さんによれば、「イナダの場合、45cm前後なら相当数いると思います。それ以上のサイズも出ていて、50~55cmはポツポツと上がっていますよ」。さらに、小山さんは10月13日に73cmをキャッチ。未確認ながら、吉浜湾で70cm級が釣り上げられたとの情報もある。
各漁港、釣れるかどうかはベイトとなるイワシの寄り次第。鳥山が立っていなくても、カモメが多い釣り場では釣果が望めるが、カモメがいないとノーフィッシュになる可能性が高いとのこと。ベイト次第では、防波堤から離れた所で魚が沸くこともあるので、高い遠投性を備えたタックルはマスト。逆に、ベイトを追って、サバやイナダが港内まで入ってくることも多いそうだ。
ワラサを夢に見ながらサバ、イナダを狙う
釜石周辺では、青物狙いに8ft前後のエギングロッドを流用する人が非常に多い。大きめのイナダが多い今年は、8.6~9.6ft、MLクラスのシーバスロッドなどもオススメ。ショアジギ専用ロッドでもいいのだが、サバ主体の釜石では釣り味を損ねるということで人気薄。
ラインはPE1~1.5号、リーダー20~30Lb。安価なジグはトリプルフックがショボいため、フック交換を推奨する。「サバはケツ食いが多いので、スティンガートリプルST-46(オーナーばり)などのトリプルフックと交換します。できればフロントアシストも付けるとさらにいいでしょう。商品は軸の太いマダイアシスト(シャウト!)なんかがおすすめですね。イナダは目の周辺に食うので、アシストフックだけでも大丈夫ですよ」
実釣ではベイトと本命の群れの動きをよく観察して、思い切り遠投する。サバ狙いならゆっくり、イナダなら少し速めのアクションがセオリーだ。「サバはのんびり屋さんですから、リフト&フォールやストップ&ゴーで、群れの中をゆっくり通せばOKです。イナダの方はジグを見切るので、スピードで誤魔化す必要があります。少し速めに泳がせてストップで食わせる感じで。時にはイレギュラーな動きも効きますよ」
今シーズンのイナダは50cmオーバーの良型も多いため、不意の大物にラインを切られる事態が頻発している。小山さんは、大型青物の疾走による衝撃をやわらげるため、ショックリーダーには比較的伸びのあるナイロンを使用。さらに、あらかじめドラグはゆるめに調整しておき、「大きいのが掛かったら、無理に寄せようとせず、とりあえず思いっきり走らせます。そして、走らせながら、オープンエリアへと誘導する。それで根に入られたら仕方ないですよ。このとき、ドラグ音にビビらないことが結構大切ですね」。大型のイナダはイワシより少し大きな小サバを追っていることが多く、カタクチと一緒に小サバがいる時はかなり有望だとか。
ここ最近の傾向として、サバ、イナダともに朝方に釣果が集中している。明け方はベイトのカタクチが港から港外へと出ていくため、もともと釣れる確率の高い時間帯なのだが、その傾向が顕著になっているとのこと。さらに、朝マズメと上げ潮時が重なる日は、より防波堤近くに寄ってくる傾向があるそうだ。もちろん、日中でも突然ナブラが立つことはあるので、ナブラを探して防波堤をランガンするのもアリ。青物は陸から一段落ちたカケアガリ付近を岸沿いに回遊しており、磯ロックのソフトルアーにも多数ヒットしている。磯周りの大物を狙ってみるのも大いにアリなのだ。
取材・解説/小山哲平
取材協力/釣具オヤマ(TEL:0193-23-7754)