ウキ&探りで楽しむ 防波堤のウミタナゴ、カイズ釣り
東北各地で遅れていたアイナメの乗っ込みが盛期に突入。岸壁からでも手軽に狙えるこの時季に、色んな釣法を楽しみ尽くしたいところ。クロダイやウミタナゴもいい季節ということで、お決まりの探り釣りのほか、ダンゴ釣りやウキ釣りも試してみた。
※2010年11月掲載。
※掲載時の情報です。釣り場の状況が異なる場合がありますので、ルール、マナーに従って釣行してください。
[防波堤釣りのルール、マナーについて]
まずはダンゴ釣りでカイズを狙ってみる
秋から初冬は、宮城の磯、防波堤の釣りが最も面白い時期です。カレイにクロダイ、ウミタナゴ、根魚と釣り物が多く、中でもアイナメは好季を迎え、県内の実績のある漁港、地磯で、数、型とも期待できます。そのなかでも私の大好きな釣り場が、女川町五部浦湾の各漁港で、高白、横浦、大石原、飯子浜、塚浜などの好ポイントが控えます(※追記:取材時の状況。その後、釣りが禁止になった場所があるので、現地の看板などに従ってください)
爽やかな秋晴れの2010年11月8日、横浦漁港に釣行してきました。狙いは旬のアイナメとクロダイです。水深のある横浦は晩秋のクロダイが面白く、30cm前後のカイズ級が良く釣れるところです。同じタックルを使って、アイナメのウキ釣りも楽しめます。ヘチの探り釣りとウミタナゴのタックルも、横浦を楽しむには欠かせません。
午前9時に到着すると、堤防には3組の釣り人の姿。港内のカレイ、投げサビキでサバ、堤防先端はアイナメと、釣り人ごとに狙いが違うというのも秋ならではです。一通りのタックルを積み込んだキャリーカートを引いて堤防を進み、水深のある二つ目のコーナーの外側にポイントを定めます。まず最初に、ダンゴ釣りでクロダイを狙ってみます。
チヌパワーくわせダンゴ(マルキュー)に解凍したアミエビを加え、バサバサになる程度に混ぜ合わせます。仕掛けを入れる前に、3cmほどに丸めて10m先に投入。それから遠矢ウキを使った仕掛けに、ゴム管オモリを刺して底ダチを測ります。水深の6ヒロ(約9m)にウキ止めをセットして、付けエサの活きエビを刺したハリを3cmほどのダンゴで包み込んで投入。着底してウキが馴染んだところから、底でダンゴがバラけてウキの目盛が上がってきます。
すると、ウキが左右に振れるような反応。モゾモゾと引き込んだところで竿を立てると、掛かってきたのは15cmほどのクジメです。数回ダンゴを入れ返したところで、スッとウキを消し込むアタリ。アワセを入れると、小さめながら鋭く引き込みます。取り込んだのは15cmほどのメジナで、ここから連続で釣れてきます。メジナは水温が高めで、タナが上ずるときに多いのですが、今年は高水温続きだったために、上層から底ギワまで、多数群れているようです。
小~中型アイナメ多い、ノッコミ序盤のパターン
ここで少し仕掛けを変えて、アイナメをウキ釣りで探ってみます。長めのハリスでエビを底で泳がせて誘い、ウキでアタリを取るのが面白い釣り方です。先端に移動して、順に手前に流して探ります。
魚信は多く面白いのですが、掛かってくるのは小型アイナメとアナハゼばかり。ここはやっぱりヘチ狙いが良さそうです。タックルを変え、ヘチ竿と両軸リールで堤防ギワを探ることにします。仕掛けは胴突き1本バリ。ハリスを長めにすると、フワリと誘い、食いつきが抜群です。
岩ゴカイとアオイソメを縫い刺しにして、堤防の継ぎ目を狙って落とし込みます。ゆっくり聞き上げていくとコツコツと竿先が振れ、そこで止めるとググッと大きな引き込み。竿を前に出すようにアワセを入れると、ゴンゴンと伝わる感触。手早く壁から離すように巻き取ります。首振りの引きを楽しんで抜き上げたのは、25cmほどのアイナメです。堤防内外の継ぎ目を中心に狙うと、25cm前後のアイナメが連発。堤防一つ目のコーナーまで釣り進んでアイナメは13匹。天ぷらに旨いサイズなので、5匹をクーラーに納め、あとはリリースします。
最後に残ったコマセを撒いてウミタナゴを狙ってみます。上のタナはコマセに群れるクチボソタナゴ(オキタナゴ)なので、2ヒロから下を狙います。しかし、クチボソ、アジにメジナの入れ掛かりは止まらずで、午後4時に納竿しました。
様子をチェックしにきた地元の釣り人に近況を聞くと、遅れ気味ながら、塚浜堤防などで40UPのアイナメも徐々に上がってきているとの話。アイナメは水温が下がるこれからが盛期。ようやく上向いてきたようです。横浦は寒タナゴの最高のポイントですが、マニアの知るところの大型アナゴの実績も高く、アナゴファンは初冬まで通います。終盤に入った投げサビキのサバは、30~40cmの数が上がっていました。カレイも型が見られており、これから期待が持てそうです。様々な釣り物が楽しめる秋の堤防釣り。ちょっと遠出して、面白そうな釣り場を探ってみましょう!
写真・テキスト/針生秀一
◆記事に書けない裏話や質問への回答はweb版 無料メルマガ(毎月25日発行)で配信中!
YouTubeチャンネル登録もお願いします!