釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

ウキ&探りで楽しむ 防波堤のウミタナゴ、カイズ釣り

針生 秀一 2023年4月14日 更新

東北各地で遅れていたアイナメの乗っ込みが盛期に突入。岸壁からでも手軽に狙えるこの時季に、色んな釣法を楽しみ尽くしたいところ。クロダイやウミタナゴもいい季節ということで、お決まりの探り釣りのほか、ダンゴ釣りやウキ釣りも試してみた。
※2010年11月掲載。
※掲載時の情報です。釣り場の状況が異なる場合がありますので、ルール、マナーに従って釣行してください。
[防波堤釣りのルール、マナーについて]

まずはダンゴ釣りでカイズを狙ってみる

牡鹿、雄勝地域には釣り物豊富な小~中規模漁港が多い。写真はサバ、カレイなど、秋が特に面白い女川町の横浦漁港。岸ギワから水深があり、年間通して魚種豊富

秋から初冬は、宮城の磯、防波堤の釣りが最も面白い時期です。カレイにクロダイ、ウミタナゴ、根魚と釣り物が多く、中でもアイナメは好季を迎え、県内の実績のある漁港、地磯で、数、型とも期待できます。そのなかでも私の大好きな釣り場が、女川町五部浦湾の各漁港で、高白、横浦、大石原、飯子浜、塚浜などの好ポイントが控えます(※追記:取材時の状況。その後、釣りが禁止になった場所があるので、現地の看板などに従ってください)

爽やかな秋晴れの2010年11月8日、横浦漁港に釣行してきました。狙いは旬のアイナメとクロダイです。水深のある横浦は晩秋のクロダイが面白く、30cm前後のカイズ級が良く釣れるところです。同じタックルを使って、アイナメのウキ釣りも楽しめます。ヘチの探り釣りとウミタナゴのタックルも、横浦を楽しむには欠かせません。

午前9時に到着すると、堤防には3組の釣り人の姿。港内のカレイ、投げサビキでサバ、堤防先端はアイナメと、釣り人ごとに狙いが違うというのも秋ならではです。一通りのタックルを積み込んだキャリーカートを引いて堤防を進み、水深のある二つ目のコーナーの外側にポイントを定めます。まず最初に、ダンゴ釣りでクロダイを狙ってみます。

ダンゴ釣りの仕掛はこんな感じ。今回は立ちウキを使用したが、ウキの種類は何でもOK。左上)ダンゴ釣りでは、カラバリにゴム管オモリを付けて底ダチを測る

チヌパワーくわせダンゴ(マルキュー)に解凍したアミエビを加え、バサバサになる程度に混ぜ合わせます。仕掛けを入れる前に、3cmほどに丸めて10m先に投入。それから遠矢ウキを使った仕掛けに、ゴム管オモリを刺して底ダチを測ります。水深の6ヒロ(約9m)にウキ止めをセットして、付けエサの活きエビを刺したハリを3cmほどのダンゴで包み込んで投入。着底してウキが馴染んだところから、底でダンゴがバラけてウキの目盛が上がってきます。

すると、ウキが左右に振れるような反応。モゾモゾと引き込んだところで竿を立てると、掛かってきたのは15cmほどのクジメです。数回ダンゴを入れ返したところで、スッとウキを消し込むアタリ。アワセを入れると、小さめながら鋭く引き込みます。取り込んだのは15cmほどのメジナで、ここから連続で釣れてきます。メジナは水温が高めで、タナが上ずるときに多いのですが、今年は高水温続きだったために、上層から底ギワまで、多数群れているようです。

左)長い堤防では、キャリーカートがあると便利。右上)ウキの釣りは、ウキに出る魚信にワクワクできるのが楽しい。右下)この日はメジナが多く釣れた。小型でも引きはシャープ


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小~中型アイナメ多い、ノッコミ序盤のパターン

当日のエサは岩ゴカイ、アオイソメに活きエビを使用。モエビはエビクーラーに入れると長持ち。左上)活きエビの刺し方はこんな感じ

ここで少し仕掛けを変えて、アイナメをウキ釣りで探ってみます。長めのハリスでエビを底で泳がせて誘い、ウキでアタリを取るのが面白い釣り方です。先端に移動して、順に手前に流して探ります。

魚信は多く面白いのですが、掛かってくるのは小型アイナメとアナハゼばかり。ここはやっぱりヘチ狙いが良さそうです。タックルを変え、ヘチ竿と両軸リールで堤防ギワを探ることにします。仕掛けは胴突き1本バリ。ハリスを長めにすると、フワリと誘い、食いつきが抜群です。

岩ゴカイとアオイソメを縫い刺しにして、堤防の継ぎ目を狙って落とし込みます。ゆっくり聞き上げていくとコツコツと竿先が振れ、そこで止めるとググッと大きな引き込み。竿を前に出すようにアワセを入れると、ゴンゴンと伝わる感触。手早く壁から離すように巻き取ります。首振りの引きを楽しんで抜き上げたのは、25cmほどのアイナメです。堤防内外の継ぎ目を中心に狙うと、25cm前後のアイナメが連発。堤防一つ目のコーナーまで釣り進んでアイナメは13匹。天ぷらに旨いサイズなので、5匹をクーラーに納め、あとはリリースします。

ヘチ竿と胴突き仕掛けにイワイソメのエサで防波堤の継ぎ目を探っていくと、25cm前後のアイナメが連発で釣れてきた。アイナメはRagのお通しに使う分だけキープし、あとはリリース

最後に残ったコマセを撒いてウミタナゴを狙ってみます。上のタナはコマセに群れるクチボソタナゴ(オキタナゴ)なので、2ヒロから下を狙います。しかし、クチボソ、アジにメジナの入れ掛かりは止まらずで、午後4時に納竿しました。

様子をチェックしにきた地元の釣り人に近況を聞くと、遅れ気味ながら、塚浜堤防などで40UPのアイナメも徐々に上がってきているとの話。アイナメは水温が下がるこれからが盛期。ようやく上向いてきたようです。横浦は寒タナゴの最高のポイントですが、マニアの知るところの大型アナゴの実績も高く、アナゴファンは初冬まで通います。終盤に入った投げサビキのサバは、30~40cmの数が上がっていました。カレイも型が見られており、これから期待が持てそうです。様々な釣り物が楽しめる秋の堤防釣り。ちょっと遠出して、面白そうな釣り場を探ってみましょう!

上、左下)投げサビキでサバを狙う、矢本から来た釣り人。30~40cmの良型サバを何本も釣っていた。右下)最後に残ったコマセでウミタナゴを狙うと、小メジナ、クチボソタナゴが入れ掛かりに
左)ダンゴ釣り仕掛け:ゴム管オモリやタナ取りオモリでしっかりタナを取る。遠矢ウキなどの立ちウキは、ダンゴのバラけ具合やアタリが分かりやすい。右)ウミタナゴ仕掛け:ノベ竿を使ったシンプルな仕掛けで、多魚種を狙えて楽しめる。防波堤は足場が高いので、できれば5m以上の長めの竿がほしいところ
左)アイナメ用ウキ釣り仕掛け:活きエビの泳ぎを妨げにくく、仕掛けを流しながらポイントを探れる。右)アイナメ用ヘチ釣り仕掛け:ヘチ釣り、穴釣りともにOKな胴突き仕掛け。枝部分はトリプルサルカン。ハリスは比重が軽く、フワフワと誘うフロロを使用

写真・テキスト/針生秀一

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PROFILE:針生秀一

船釣りを中心に、防波堤や河川の小物釣りなど、なんでもこなすオールラウンダー釣り師。全国各地の釣りと釣り具の知識が豊富で、釣りの生き字引的存在

 

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