釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

父子でクロダイのっこみ報告

石塚則一 2021年12月13日 更新

庄内のクロダイ釣りがノッコミの盛期に突入。これまで四ツ島など沖磯や一部の地磯でしか釣れていなかったが、ここにきて広い範囲で釣果が聞かれるようになってきた。ここでは鶴岡市の石塚さん親子が5月のGW中に行った釣行の模様をレポート。
※2011年5月掲載時の情報です。
※掲載時と釣り場の状況が変わり、立入禁止になっている場合があります。現地の指示に従い、ルール、マナーを守って釣りをお楽しみください。

鶴岡市の石塚則一さんは5月6日、7日の2日にわたり、堅苔沢漁港周辺の地磯で竿を出した。沖に見えるのは四ツ島灯台。堅苔沢は周辺の沖磯の渡船基地でもある

堅苔沢の地磯でノッコミのクロダイを狙う

「ノッコミのシーズンは、まず他より水温の高い磯などで限定的に釣れ始めて、その後、魚が庄内全域に広がって、みんなで楽しめるようになります。地磯では温海など南方面から釣れ出し、徐々に北へ…というのがいつもの年のパターンですね」と教えてくれたのは、今回ガイドをお願いした石塚則一さん。石塚さんの仲間うちでは、ノッコミが始まった第一陣では竿は出さず、広範囲に魚が散らばった頃合いをみてシーズンを楽しむようにしているそうだ。「最初に釣りきってしまったら後が続かないですからね」

取材日はゴールデンウィーク中の5月6日と7日。5月4日には温海の小岩川で1枚釣っているそうだが、この日は堅苔沢漁港脇の磯場で竿を出した。堅苔沢は漁港と隣接するためアクセスしやすく、足場も比較的いいことで人気の釣り場。釣り座が5、6ヶ所ほどあるためキャパ的にもある程度余裕がある。

ここの釣り場の一帯は岩盤と砂地が入り混じった地形をしていて、釣り座から沖目10~15mにある沈み根との中間の通しを丹念に攻める。沖の沈み根と砂地の境目がいいポイントになるほか、砂地の中にある小さな沈み根周りや足下のハエ根周りも狙い目。「ここはアジ釣りでも実績があるので、マヅメから夜は尺アジ狙いの人が多くなります。これからの季節はクロダイを狙っているとアジ釣り師の人が後ろに集まってきて、クロダイ師が竿をたたむと、入れ替わるように釣り場に入る光景が見られます」

5月6日は釣友と釣行し、石塚さんは30~37cmのクロダイ4枚の釣果を上げた。すでに庄内各地でノッコミが本格的に始まり、5月4日にも小岩川の磯で1枚釣っている
堅苔沢漁港の駐車スペースから西防波堤の階段を乗り越えると「馬の背」の釣り場に出る。写真は海苔を取るために平らになった通称「ノリツケ」という釣り座。途中、テトラ帯を通り抜けるが、足場がよく、比較的竿を出しやすいポイントだ(写真は石塚さんの釣友ファミリー)
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低活性でもクロダイがいれば十分に釣れる

結果からいうと、取材日は2日ともサイズは小さめながらもまずまずの好釣果となった。5月6日は石塚さん一人で30~37cmを4枚。7日も30cm台中心に、石塚さん4枚、息子の勇誠くん(中2)が5枚で、合計9枚を釣り上げた。

親子2人での釣行となった7日は、波が無く澄み潮で底がまる見えの状況。1mほど波が上がって濁りが入れば、ハネに乗せて食わせることもできるのだが、このベタ凪ではちょっと厳しい。それでも、魚が入っていると思われるポイントを親子で同じように攻め続け、10時過ぎに1枚目が出てからは18時頃までコンスタントに魚がヒットしたそうだ。

「魚は十分な数が乗っ込みに入っているようです。ただ、水温が低くて食いが渋い。マヅメだけは活性が上がるんだけど、日中、雪シロが入ると食いが落ちてしまいます。時合いが来ると動いて口を使うので、この時合いを逃さないことと、岩陰でじっとしている低活性な魚の目の前にエサを落として、何とか食わせること。この2つのことができれば数は伸びると思います」

ノリツケのすぐ近く、岩を飛び越えて行く「ハネゴエ」もクロダイの実績が高いポイント。7日は石塚さんの長男、勇誠くんがここへ渡礁。ウキは微妙なアタリも分かりやすい遠矢ウキを使用

第2陣、第3陣の接岸で良型の期待も高まる

型は小さめながら勇誠くんもコンスタントに釣果を伸ばした。道具立てや攻め方は石塚さんが決めたが、投入から取り込みまでの一連の動作は見よう見まねで覚えて、全て自分で出来るそうだ

タックルは1号-5mのチヌ竿に2500番のLBリール。水深4mに対してタナを2ヒロ半~3ヒロほど取った。根掛かり覚悟で底に仕掛けをハワせ、底べったりに着いた魚に何とか食わせようという作戦。

ウキは感度がよく、アタリが取りやすい遠矢ウキを選択。この日は、立ちウキで1目盛り沈むくらいの小さなアタリがほとんどだったため、魚がエサを咥えただけで反応が出るようにオモリをギリギリに設定。ハリもがまかつのチヌ(黒)の1.5号か2号と小さめを使った。

また、食い込みが浅いため早アワセは禁物。魚がエサを咥えるアタリがあってからじっくり待って、ウキのトップががっちり沈んでからアワせると、ようやくハリ掛かりさせることができたそうだ。

取材日の時点での水温は約11℃。シーズンにしてはまだまだ水温は低く、釣るのは少し大変だが、他では40cmオーバーの良型も上がっている。今後は波が上がるたびに大型が次々と乗っ込んでくる上、太陽の出る日が何日か続けば水も温んで魚の活性もいい状態になるはずだ。そうなれば温海方面に続いて加茂や油戸でもバンバン釣れるハイシーズン。もちろん堅苔沢も長く楽しめることで有名なので今後も有望。シーズン初期の短期間限定で狙える尺アジも、いつ始まってもおかしくない状況だ。

最後に、勇誠くんの方が1枚多い結果になった要因を石塚さんに訊ねてみたところ、「同じ道具で同じ場所を流したんだから、師匠がいいってことだよ。自分が休んでいる間も、息子の方は黙々と釣り続けていたからそのせいじゃないの?」と、はぐらかされてしまいました。

7日は10時過ぎに最初の1枚が釣れてから18時の納竿までコンスタントに釣れ続き、石塚さんはこの日も4枚のクロダイを手にした
勇誠くんは石塚さんより1枚多い5枚をキャッチ。親子で同じ道具、同じポイントを流しての釣果
ウキは全て遠矢ウキ(トオヤ)を使った。写真の遠矢グレスペシャル(80-18-000と100-16-Bを使用)はグレ用ながら感度がよく、低活性時の微小なアタリも感知できるところが気に入っているそうだ
一日で使用したコマセはオキアミ3kgブロック2個に対し、マルキューの瀬戸内チヌ、チヌパワームギ、チヌパワースペシャルMP各1袋ずつの配合(半日なら半分ずつにする)。サシエ(付けエサ)のオキアミはエサ盗りが少ないうちは軟らかい生タイプでもOK

[釣り場紹介]
漁港の西側防波堤がある波渡崎周辺の磯が取材時の釣り場。防波堤内側の岸壁に駐車スペースがある

写真・解説/石塚則一
取材協力/フィッシング庄内・鶴岡店(TEL:0235-24-8205)

PROFILE:石塚則一

鶴岡の浜近くで育ち、庄内磯を知り尽くすベテランクロダイ師。気さくな人柄で後進のアングラーからも慕われている。クロダイ、マダイ狙いのフカセ釣りのほか、ダンゴ釣りやアジなどの小物系も大の得意

 

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