釣行記

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宮城県志津川沖の深海タラ釣り2022[三浦明船長解説]

編集部 2022年11月26日 更新

産卵期を前に白子でパンパンになったマダラを狙って、南三陸町の船宿三浦屋(戸倉漁港)を取材してきた。志津川沖水深200m前後の深場のタラ釣りを、三浦明船長の談話をまじえながら紹介する。
(2022年11月掲載)



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志津川沖水深200m付近からスタート
浅場へ移動しながらタラの集まるポイントを探す

取材で出船したのは2022年10月30日。波伝屋漁港近くの三浦屋の店舗で受け付け後、まだ暗いうちに明丸で出船した。

前回の出船でよく釣れたという水深200m前後のポイントに入ったが、この日はドンコばかりでマダラは1本のみ。少し風が吹く予報だったことから、金華山沖方面など遠方へは行かず、少しずつ水深の浅い方へと移動しながらタラの群れが集まる場所を探した。

前回の釣行で良かったポイントから釣り始めたが・・

最初はドンコとスケトウダラばかりだったが、ポイントを移動するうち本命マダラが釣れ始めた

仕掛けの投入は船長の合図に従い、トモ側の釣り座から順番に行う。仕掛けを船べりに並べて準備しておき、タイミングよくオモリを投げ込む。合図に間に合わなかったら1回休み(順番を無視して入れるとオマツリの原因になる)
外道ではあるが食べて美味しいドンコに、メダイも結構混じった

ここまで船中最大サイズのマダラがヒット!

水深150~200m以深を狙うための道具立て

三浦明船長に三浦屋のタラ釣りの道具立てを教えてもらった。電動リールはダイワ1000番、シマノ9000番以上が目安。竿は2.4m前後で、300号のオモリを使うのでオモリ負荷が200-300や200-400と表示しているもの。

PEラインは最低10号以上で、ほとんどの人が12号を使用している。細い糸は根掛かりした時に切るのが大変で、高切れしてしまうとポイントに糸が残り、ポイントを潰すことにもつながってしまうため、指示に従うようにしよう。

電動リールはダイワ1000番、シマノ9000番クラス以上。糸は10号以上で細すぎは×

仕掛けはハリス8号、幹糸10号が基本。ハリ数は初心者で3本、多くて7、8本くらい。「震災後、タラがよく釣れた時には12本バリ一杯に釣れたようなこともありましたが、ハリが多いと手返しも大変なので、5本くらいが良いと思います」

潮流の速いポイントで深場を釣るタラ船では、オマツリ等のトラブルを減らすため一斉投入、一斉回収がルール。あまりハリ数を多くしてしまうとエサ付け、仕掛けの準備に手間を取ってしまい、投入回数が減って結果的に釣果が悪くなってしまう。
※三浦屋では300号の鉄オモリを船上に常備している。使ってそのまま返せば無料、根掛かりなどでロストしてしまった場合は1個あたり500円を下船時に支払うシステム。

「竹乃皮屋オリジナルタラ仕掛け5本」(ハヤブサ)
三浦屋で販売しているタラ仕掛け。ハリ数は多すぎず、少なすぎずの5本くらいがおすすめ
仕掛けを並べて用意しておくにはマグネットシートなどがあると便利。ハリ数は自分が余裕を持って扱える範囲内で使うようにしよう

高い根をかわして根掛かり回避!エサの新鮮さも食いに影響

釣り方のコツとしては、タラは根周りを釣るので、根掛かりを回避しながら流すことが大切。「基本的に底から1~2m上げて釣るようにします。引っかかりが多いような場所では(船長アナウンスあり)、大体最初は砂地から入って5~10mくらい上がるので、そのまま流していたら確実に根掛かりしてしまいます」

宮城沖は沈船などのポイントが中心になっており、高低差があるうえ、そのまま仕掛けを入れたら引っかかってロストにつながってしまう。

ポイントに入って底を取った後、10m以上も高くなるポイントもある

特に根掛かりの多い場所では「引っかかるよ」と船長がアナウンスするので、アタリを待つ間も底に注意が必要

「あとは生きのよいエサを使うこと。エサはサンマ、サバ、イカなどですが、何でも冷凍などより新しいものの方が釣れます」。この日の竿頭の人が使っていたのは生サンマの切り身。他の方も3点掛けした時に使っていたのは、釣り上げた小さめのサバを切り身にしたものだった。「釣ったばかりの新鮮なサバは皮が硬いから、エサ保ちが良いのもイイ」と、明船長。

3点掛けでヒットさせたこちらの方は、釣り上げたサバを切り身にしてエサに使っていた
大サバなら持ち帰って食べるのもいいが、小さめのサバが釣れたら特効エサに出来るチャンス
エサはサンマの切り身やイカの短冊などが定番
船中トップの方は新鮮なサンマを使っていた。前夜の半額セール品でも良いので、出来る限り生きのいいエサを用意したい

終盤ラッシュがありトップで12本の釣果!

前回良かった場所が釣れず心配されたが、移動するにつれて少しずつ調子がよくなり、終盤はまとまって上がるポイントも見つけてマズマズの釣果で終了。

以前たまに釣れたような1m、10kg級の大型はあまり見られなくなったそうだが、中型中心に多い人12本、船中51本の釣果。お腹パンパンにタラキク(白子)の詰まった雄マダラも多く混じった。

こちらタラとメダイのダブル
お腹パンパン「これは白子入っているね」
スケトウダラも混じった

後半はいいサイズも増えて順調に釣果を伸ばした
こちらの方はダブルヒットのあと

さらに助宗混じりでマンガン状態に
トップ12本の釣果でした
確かな腕にファンも多い三浦明船長

親潮系の寒流は潮が緩くより釣りやすくなる
これから冬場はオキメバルの数釣りも期待!

帰港後、これからの釣況について明船長は、「マダラはこれから産卵のため浅場に接岸するので大体12月一杯までですが、1月に入ってからも100本くらい釣れたこともあります。寒流の親潮になると潮が緩くなるのでポイントに着けやすく、釣りもしやすくなり釣果も期待できます」

また、志津川沖の100m前後ではオキメバル(ウスメバル)釣りも始まり、こちらは1月頃にかけてが盛期。「冬になるとメバルの群れがまとまって数釣りをしやすくなるうえ、親潮で潮が緩いので1か所のポイントで500匹や700匹と釣れることもありますよ」

冬場うれしい鍋料理にもぴったりなタラやドンコ、オキメバルを狙うには最高の季節。冬も熱い志津川沖にぜひ釣行してみていただきたい。


[帰港後の明船長談話]

[遊漁船紹介]釣り船三浦屋
■TEL:0226-46-9339
カレイの名手としても知られる三浦明船長の船宿。乗り合い船はカレイや根周り五目などで出船していて、これからの季節は深海のタラ、ドンコや中深場のオキメバル、ソイなどが主な釣り物。船上~帰港後にいただく船長のアドバイスもスキルアップの参考になるはずだ



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※取材協力/三浦屋


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