釣行記

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三陸イカメタル今季初実釣&基本テクニックを解説!

編集部 2024年6月2日 更新

早くも岩手三陸沿岸の夏イカシーズンが始まっている。ケンサキイカ、夏スルメ(ムギイカ)狙いで釣具オヤマの小山哲平さんが今季初釣行。これからイカメタルを始めたい人のために必要なタックル等も教えてもらった。
※2024年5月実釣、6月掲載。


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初夏のムギスルメにニューフェイスのケンサキイカも期待大!

イカの当たり年となった昨年は、スルメイカ、三陸沿岸初登場のケンサキイカ、そしてヤリイカと大いに盛り上がった年となった。今季のイカはどうなのかイカ釣りファンはとても気になるところ。例年6月中旬以降にはムギイカ(夏スルメイカ)がシーズンインしており、例年通りにいけば開幕も間近。

そんな中、岩手県吉浜湾の根白漁港では4月下旬より試釣も兼ねてムギイカ(夏スルメイカ)船が出ているとの朗報。例年より約1か月半ほど早い始動だ。釣果には日ムラはあるが、多い日では3名で150杯とムギイカ、ヤリイカ混じりで釣れており、平均1名あたり20杯前後は釣れていた。

まだ走りで釣果は安定していないものの、イカ釣りファンはすでに動き始めておりムギイカ(夏スルメイカ)ならではの繊細なアタリを楽しんでいる様子。この状況を見過ごすわけにはいかないと、釜石市にお店を構える釣具オヤマの店主で、イカ釣りファンでもある小山哲平さんが今季イカメタル初釣行。併せて、これからイカメタルに挑戦してみたいと思っているけど、いろいろと種類があり過ぎて何を用意すればいいのか分からない。なんて方々に向けて最低でも、これだけ揃えれば岩手県三陸のイカメタルが楽しめる商品を教えてもらった。


出船前。日本海側で発生した低気圧の影響か、太平洋側は前日から暴風雨となり出船可否が危ぶまれたが、夕方には天候、海況も落ち着き無事出船

これから始める方におすすめのイカメタルタックル選び方

【ロッド】
■ムギイカ(夏スルメイカ)、ケンサキイカ、初期のヤリイカ
竿の硬さ:ML
ルアーウエイト:10~20号

■盛期、深場の良型スルメイカ
竿の硬さM
ルアーウエイト15~25号

■秋~冬の繊細なヤリイカ
竿の硬さUL、L、ML
ルアーウエイト8~20号

竿の硬さはUL、L、ML、Mと季節、種類ごとのイカに合わせたロッドを用意するのがベストではあるが、コスト的に一気に数本のロッドを用意するのは負担が大きい。これから始める初心者にも扱い易く万能な竿の硬さがML。ルアーウエイトは10~20号くらいが1本目にオススメ。このML1本があればよく使用する10~20号のメタルを幅広く扱え、シーズン中は楽しめる。

【メタル】
■ムギイカ(夏スルメイカ)
15号をベースとして12号、20号、潮が速い場合25号の4種。状況に合わせて重さを刻んでおくと良い。
カラーは暗い色、暖色、派手色を含む4色。最低のカラーは暗い色、暖色の2色をローテーション。

■ケンサキイカ、初期のヤリイカ
10号、12号、15号の3種。初期のヤリイカはシルエットが小さいタングステンもオススメ。

■後半の良型スルメ
25号をベースに、ジグが有効な場面もあるので用意すると良い。ジグの場合はグローがあればOK。タナが浅くても、深くても120~130gで対応できるので、その辺りのグラム数のジグがオススメ。

【ドロッパー】
ドロッパーはスッテタイプで小さい、大きいサイズを潮流などに合わせ使い分けると良い。場面でプラヅノが当たることもあるので11cmくらいを準備しておくと安心。

【イカメタルリーダー】
シングルベース、ダブルも用意。どちらでもお好みに合わせて。潮が速い場合はダブルは潮流の抵抗があるためシングルを使用すると良い。潮が緩めで、よく釣れている場合はダブルで数を伸ばすという使い分け。


10分ほど走りポイントへ到着後アンカー投下。湾外は波、風が残っており湾内37m付近が今回の漁場となった

湾内のポイントで今季初釣行!

取材は5月初旬、当日の午前中は前日からの荒天を引きずる形で暴風、波高といったタフコンディション。出船が危ぶまれたものの状況は徐々に回復し出船前には落ち着きを見せていた。

イカメタルは15号からスタート。そこから状況に合わせて号数を増減していった。スタートフィッシングから集魚灯が灯されるまでは沈黙の船上となり我慢の展開。一昨日までは水温16℃ほどあったが、当日の水温は13℃。急激に3℃も低下したことが一因か、イカのアタリはマイクロタッチで低調なコンディション。

中盤から後半にかけては潮が緩みイカメタルは10~12号がマッチ。終日、アタリのあるレンジが定まらずポツポツ釣果で、常にタナを探りながら拾い釣る状況の中、スローなテンションフォールからのロングステイが有効だった。また都度変化するイカの活性に対応すべく、メタルやスッテのカラーローテーションが数を重ねる鍵となった。


日が傾き始めた17時半、波、風も穏やかな中でのスタートフィッシング


辺りがうっすらと暗くなり始めた19時前に集魚灯が灯され、いよいよ本番モード突入
当日のイカの状況を把握するため、哲平さんはロッドを上までシャクって一気に振り下ろし、メタルにテンションをかけずフリーな状態にして落とすフリーフォールでイカを誘う。アップテンポな動きを繰り返し、まずはイカに興味を沸かせる作戦


フリーフォールを数回後、今度はテンションフォールでイカを乗せる。当日のイカの活性によってはフォールスピードに変化をつけてみるのも良。明るい時間帯でイカの姿が見られなかったことから低活性と想定した哲平さんはスローフォールで状況を探ってみる
スローフォールからのステイ。ここで竿先の曲がりが変わったり、ラインがフケたりしたら即アワセ。ステイ時間は状況によってマチマチ。比較的活性が良ければ3~5秒程度で乗ってくるが、低活性の場合は10秒以上のロングステイも欠かせない
前日にポイントの水深を確認した哲平さんはメタル10号、12号、15号を用意。当日は水深が37m、比較的潮も緩かった事から10号、12号を主に使用した
「攻める掛けのスタイルが好きなんですよね」と哲平さん。大きなアクションでテンポの速いフリーフォールからのテンションフォールで船中1番乗りのイカをゲット。「ボトム付近のヤル気あるヤリイカですね」と満面の笑み


集魚灯効果で徐々に船上は賑わいを見せてきた。ムギイカ(スルメイカ)やケンサキイカが乱舞。ヒットするタナは広くボトムから水深15m位まで


後半までイカフィーバータイムには繋がらず終始タナを探って拾い釣るスタンスとなった。哲平さんはイカのコンディションに合わせてメタルやドロッパーを使い分けコンスタントに数を重ねヤリイカ、ムギイカ(夏スルメイカ)、ケンサキイカの3目達成

三陸イカメタルはハシリの季節から一気に盛期へ!

今回の釣行はタフな要因が重なり苦戦を強いられたものの、乗船された皆さんは走りのイカメタル釣行を存分に満喫。釣れたイカはムギイカ(夏スルメイカ)、ヤリイカ、ケンサキイカと3種にも及び、その中でもケンサキイカの数が多かった。昨年、ケンサキイカのフィーバー年となった当地だけに今季も期待は大きい。

今季は例年よりも1か月半ほど早く釣れ始め、この日はややタフな状況だったが、6月に入れば水温も安定し、いよいよ序盤戦に突入する。今後はサイズアップが望めタイミングが合えば束釣りも有望なだけに、魅力がいっぱい詰まったイカ釣りファンを熱くするシーズンの到来だ。

常連さんと話をしているのは今回お世話になった満福丸の庄司満船長。温厚でおおらかな人柄と、初心者からベテラン、女性の方々に至るまで親切丁寧な対応で地元をはじめ県内外の釣り人にも慕われている名船頭。イカ釣りはこれからが本番(お一人様7,000円)。活きイワシ餌のヒラメ五目釣りもスタート(お一人様8,000円/エサ付き)。カレイ船(お一人様6,000円/6名様以下、5,000円/7名様以上)も好評出船中。その他の釣り物も相談次第で対応している


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※取材協力/満福丸(岩手県大船渡市吉浜湾)

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