釣行記

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連載☆ハンター式磯ロック攻略術☆【第18回】居残りビッグワンとの一発勝負

塩津 紀彦 2022年2月12日 更新
※この記事は2015年2月にプレミアムサービスの連載記事として配信されたものです。

第18回・居残りビッグワンとの一発勝負

海水温が1番下がるのは気温よりも1ヶ月程遅れるので3月が最低水温期になります。

1月いっぱい位まではぼちぼち産卵後(アフタースポーン)の魚が釣れていた磯場ですが、2月の声を聞いたとたんに魚からの音信は途絶え釣れないどころかアタリすらない季節になってしまいます…。じゃあこの季節はロックフィッシュは釣れないのか?っと言ったらそういう訳でもございません♪

今回はそんな真冬のロックフィッシュ攻略術を釣行記に絡めてお話ししたいと思います!

2月の磯場はカチンコチン…
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全てが凍りつき水色は深~いブルーに染まり生命感の欠片もなくなってくる2月。産卵後(アフタースポーン)の魚達も産卵で失った体力を取り戻し、水温が安定しベイトが豊富な深場へと移動してしまいます。

この季節だと水深30~100mのオカッパリでは手の届かないエリアへ移動してしまい、なかなか攻略することは出来なくなってしまいます。

そのため魚に出会うことがかなり難しくなってしまうのですが、5~15mのシャローやミドルエリアで越冬するごく少数の魚も存在しており、この魚がこの季節にオカッパリから狙える貴重なターゲットになります♪

浅場で越冬する個体の特徴としてはアイナメ.ソイ共に大型が大半を占めているため「なかなか釣れないけど釣れたらデカイ真冬の釣り!」と言われております。

こんな特大サイズが狙えるのが魅力だが…なかなか釣れない(笑)

ベイトが極端に少なく水温が著しく変化する過酷な環境下に何故いるのか?っと言いますと、エサをめぐり争う競争相手がいないので活動エリア内のエサを独占し、ベイトがプアな状況下でも充分にエサを確保でき、さらにメインベイトとなるカニ類(特にモガニ類)は真冬でも浅場にいるため無駄に体力を消費しなくても楽にエサが獲れ、生活が可能だからと考えられます。

まぁ小型の魚はこの特殊な環境下には適応出来ず深場へ移動してしまい、数は全く釣れないのが厳しいとこですけどね…。

さて、狙いのポイントです。
①潮が直撃するのを防ぐ大きな岩や根が点在する
②水深がある程(5~15メーター)ある懐の深いワンド
③海藻類が豊富に生えている
④砂地や砂利地が隣接している
⑤ディープエリアが隣接している
⑥南向きの北岸
⑦川が近くにない

等々が真冬の定番条件。

簡単に説明しますと
①流れが直撃する場所は体力を奪われやすく、さらに水温の上昇の妨げにもなるので×
②水深が浅すぎると水温の変化が激しくなりすぎて冬の生活環境には適しておらず、水の動きが鈍いワンドの方が安定した水温なので○
③メインとなるベイトがモガニなので海藻類がないエリアだとあまりにもベイトがプアな状態になるので×
④砂地や砂利地が隣接しているいるとモガニの他に虫系のベイトやエビ系のベイト等もいるので○
⑤冬場はディープエリアの水がなんといっても安定しているので、ディープから水が流れ込むエリアは○
しかも、荒れた時などに逃げるエリアが隣接しているという点でも○
⑥北岸の南向きのエリアは日照時間が長く海藻類の育生がいいのと、しっかり水温があがるので○
⑦川が近くにあるとこの季節は雪溶けの水が流れ込んでしまったりして水温が安定しないので×

といったことなのですが、条件が揃ったエリアでも潮のタイミングや波の高さ風向きなどでなかなか口を使ってくれないこともしばしば…。

潮まわりは大きく潮が動く大潮よりは変化の少ない小潮まわりが良く、ウネリは大敵なので凪ぎの風が穏やかな日がビッグチャンス♪

活性も悪いのでハイシーズンのように視覚や聴覚を頼りにした捕食活動ではなく嗅覚や味覚などを重視した捕食になっているのでワームもガルプ!のように味や臭いのついているモノを使った方が断然反応がいいでしょう。

さてと、先日の北海道での釣行に絡めてみていきましょう。

2月に入り北海道の磯場は水温3~4℃と東北の厳寒季よりも低いスーパータフコンディション。

見た目は穏やかで暖かそうですが気温は-6℃…

磯の岩も凍りつく極寒の中でも条件が揃ったエリアにはしっかり魚が越冬しております。

岩に囲まれたシャローワンド

海藻類も沢山繁茂し、沖のブレイクラインの外側は砂地。流入河川もなく、南向きのエリア。全ての条件が満たされております。

使用したワームはガルプ!のパルスワームとパルスクロー♪砂地が隣接しているので虫系のベイトをイミテイトして使うパルスワームとモガニをイメージして使うパルスクローの2パターンがあれば真冬の釣りはなんとかなると言っても過言ではないでしょう。

シンカーは1oz重めのシンカーで舐めるように丁寧に探るのが真冬のアクションの鉄則です。リフト幅もハイシーズンの半分以下!イメージとしては30センチくらい毎に動かす感じにやるとよいでしょう♪

この季節の魚は極力無駄な体力を使わないように大きく動き回ることはしません。しかも半分寝ているかのようにびくとも動かない時間もあるため、1級ポイントで「ここには絶体いる!」っというポイントでは多少粘ってみる必要があります。

まさに忍耐との闘い(笑)

数少ないチャンスは逃さずしっかりファイト♪

1日に1~2回のチャンスしか来ないのでバイトが来たらしっかり喰わせてガッツリあわせるのが基本になります。

意外と口を使った魚はミスバイトになってももう一度フォローを入れると喰い直すので慌てずにアワせると良いでしょう♪

この季節の魚は意外なほどコンディションはいいんですよ♪

今回はワンバイトワンフィッシュと真冬らしい結果でしたが、東北でもまだモンスターを狙える季節です。厳しくツラい季節ですが、ハイリスク&ハイリターンのモンスターバトルが期待できますのでギャンブラーな方は頑張って磯に足を向けて下さい♪

ちなみにナイトロックで堤防をライトなタックルでやればポチポチ魚に会えるシーズンなので、磯で夢見てナイトロックで癒されるコースでお出掛けになられることをオススメいたしますよ(笑)

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PROFILE:塩津 紀彦

磯ロックがブームになる以前から牡鹿の磯に通い、50UPベッコウ&アイナメを狙っていたロックフィッシュハンター。険しい、キツイ、危険の3Kを乗り越えながら、数々のモンスターを仕留めてきた。茨城県在住。チーム・ハンター所属。ピュア・フィッシング・ジャパン、サンライン、パズデザイン、がまかつ、ティクト フィールドテスター

 

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