釣行記

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連載☆ハンター式磯ロック攻略術【第9回】シャロー&ミドルレンジ越冬個体を探索せよ。

塩津 紀彦 2021年1月22日 更新
※この記事は2014年1月にプレミアムサービスの連載記事として配信されたものです。

1月下旬。三陸の海も寒波がくる度にギュンギュン冷やされて、いよいよ冬ロックシーズンも大詰めを迎えるこの季節。
「もうシーズンも終わりかぁ~」
って嘆いているそこのあなた!まだまだこれからがスポーニングから体力が回復したモンスタークラスが口を使うシーズンです♪

とは言ってもやはり渋いですし、個体数も少ないのでなかなか魚に出逢うのが厳しい季節ってのは間違いありません…。

そこで今回は、そんな厳しい季節に魚と出逢える確率が上昇するような攻略のヒントをお話ししたいと思います!

まず、狙いとなる魚の着き場のお話しです。

この季節になると越冬場所となるディープエリアへ大半の魚が移動してしまうため、シャロー~ミドルレンジしか撃てないオカッパリではかなり苦戦が強いられる状況に陥ります。

しかし、そんな大半の魚が移動していなくなったシャロー&ミドルレンジにディープエリアまで落ちないで越冬する個体「シャロー&ミドルレンジ越冬個体」が少数派ではあるものの存在し、その個体がまさにこの厳しい季節のオカッパリのメインターゲットになります!

しかもシャロー&ミドルレンジ越冬個体の素敵なところは、ディープへ落ちる個体と違い過酷な自然条件の中で生活が出来る体力のある大型がメインになり、しかもしっかりとベイトを摂り越冬に備えているためコンディションも最高!

数少ないベイトを的確に捕食しているためルアーへの反応も◎

つまり、この季節は数は釣れないものの一発ホームランのモンスター狙いには最適なシーズンと言えるでしょう♪

さて、気になる魚の着き場です。

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この季節のポイント選びの勘所!

シャローやミドルレンジに魚がいるとは言ってもやはりキモになるポイントはあります。

①ディープが隣接しているシャロー&ミドルレンジ

②流入河川から離れている

③北側斜面の南向きエリア

④ワンド+高低差のある根が点在している

⑤砂地が隣接するエリアに

⑥海草の育生状況がよい

この6つのキモが合致する点が多ければ多いほど期待値が上がるのですが、それではナゼにこれらの条件がキモになるのか?を説明致します。

①シャロー&ミドルレンジに越冬する個体にとって一番のネック、それは水温の急激な変化と言っていいでしょう。

遠浅のシャローが続くようなエリアでは寒波や時化により水温が激しく変化してしまうため越冬エリアとしては向いていません。

一方、ディープが隣接するシャロー&ミドルレンジのエリアはディープから安定した水温の潮が入るため急激な変化を避けることができ、比較的水温も安定している点が越冬向きと言えるでしょう。

②流入河川から近いエリアは養分が充分なので海草の育生とかには凄くいいのですが、この厳寒期に関して言えば水温が安定しづらい要素になってしまうので、①と同じような理由で流入河川から離れたエリアの方が越冬向きと言えるでしょう。

③北側斜面の南向きエリアは単に日照時間が長いため水温が上がり易いというだけではなく、北から流れてくる寒流(親潮)の本筋からの冷水の影響を受けづらいということもあるので厳寒期の魚にとってはかなり落ち着き易いエリアと言えます。

④ワンド+高低差のある根に囲まれたエリアというのは潮流が強く当たるのを拡散してくれるため直撃が避けられ水温が安定し易く、さらに太陽光を受けて岩が暖められるため水温の上昇が早く、この季節のメインベイトとなるヨツハモガニも多く生息しているのでロックフィッシュにとって絶好の棲みかとなります。

⑤磯のベイトがかなりプアになる厳寒期。この季節、砂地のムシエサ(ゴカイ類)をサブベイトとしたり砂地に生息するエビ系のベイトをサブベイトにしたりすることが多々あります。

岩礁帯だけではベイトが足りないので、ベイトが2ヶ所から供給される砂地が隣接したエリアは冬の定番ポイントとなってます。

ちなみに砂地や砂利底のベイトは夜に動くので、それに合わせてアイナメ達も厳寒期だけは夜行性になったりもします。

⑥海草の育生状況はベイトのストック量に直結するので非常に重要なファクターと言えます。

さらに海草が太陽光を浴びて溶解酸素濃度を上げてくれるとともに水温の上昇の手助けもしてくれるのでこの季節には特にチェックしておきたいポイントと言えます。

狙うべきポイントが分かった所で、お次は使用するワームと有効なアクションです!

冬の定番ベイトはヨツハモガニ等のモガニ類。

そしてサブベイトはゴカイ類にエビ系のベイト(ボケジャコ等)。

ベイトがモガニ類やエビ系のベイトに偏食している状況下ではホッグ系やクロー系のワーム。

ゴカイ類等のムシエサをベイトとしているポイントの場合はストレート系やカーリーテール系のワーム。

いずれのワームのパターンであっても「よりスローに」そして「よりタイトに」を心がけてアクションさせるのが低活性時の鉄則です!

時折喰わせのタイミングにステイを入れるのも効果的ですね。

ロックフィッシュは普段は視覚や聴覚をメインにした捕食活動をしているのですが、活性が低くなると嗅覚と聴覚をメインにした捕食活動に切り替えます。

なのでワームもより嗅覚に強くアピール出来る、水溶性のガルプ!などの素材が最も効果を発揮するのもこの季節と言えるでしょう。

そうなるとガルプ!パルスクロー、サブにガルプ!パルスワーム、この二本柱でローテーションを組み、これにカラーローテーションをしていきその日のパターンを見つける釣り、ってのが基本パターンになります♪

狙いと攻め方が分かった所で実釣です♪

真冬パターンに移行しつつある金華山へ行ってまいりました。

まずはディープエリアに隣接した外洋側のワンド+岬エリア。

アフタースポーンのディープへ離れる魚がまだブレイクラインに残っていないかチェックしつつ、ワンドの内側にシャロー&ミドルレンジ越冬個体の動きもチェックしてみる作戦でスタート。

とりあえずディープへ離れる魚がまとまっていると思いブレイクラインにガルプ!イールをキャスト。しかしノーバイト…。

「それではシャロー&ミドルレンジ越冬個体は?」
っと思いシャローをチェック。

するとバイトが多発♪

ガルプ!パルスクローにローテーションさせるとすぐに43cmのアイナメGET。

しかしその後はチビがポツポツ釣れるだけなので移動。

今年は不思議な事に外洋側の水温(特に底水)が少し暖かいため、チビがまだシャローへ居座っているようです(汗)

お次に入ったエリアは最初のエリアよりも更にワンドの内側の北側斜面のエリア。

ボトムも高低差があり、少し沖には砂地もある理想的なシャロー&ミドルレンジ越冬ポイント。

ここでは50アップのアイナメを掛けるも痛恨のバラシ…。

あとはチビが数匹釣れたのみ(汗)

しかしながらシャロー&ミドルレンジ越冬個体は入っているのを確認出来たので、最後の移動で更にワンドの内側のエリアへ。

ここもシャロー&ミドルレンジ越冬個体の溜まるであろう条件がばっちり揃ったエリア。

まずは潮が強めに当たるエリアからアイナメがぽんぽんと釣れます。
「確実に魚がいる!」
そう確信に迫るような反応の良さだったので、少し潮が緩めに当たるエリアでベッコウを狙ってみると…。
「ずん!」
っと一発吸飲バイト♪

ガルプ!パルスクローをガッツリ喰ってきたのは44cmのナイスなベッコウ!

1匹いる周りには必ずまとまっているはずなので丹念に探って行くと…
「ずん!」
とコレまた重量感のあるバイト♪

引きもウエイトも先程よりワンランクUP。魚に主導権を渡さないように一気にランディング。

47cmのベッコウ♪

シャロー&ミドルレンジ越冬個体特有のナイスプロポーションでした。

さて、その後はチビが数匹追加になっただけで今回の釣行は終了です。

これから日に日に渋くなっていく冬のロックフィッシュ。しかしモンスタークラスを狙うには絶好のシーズンです♪

なかなか釣れないからこそ釣れた時の喜びは倍増しますから、是非皆さんも防寒対策をしっかりして釣りにお出掛けになって下さい!

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PROFILE:塩津 紀彦

磯ロックがブームになる以前から牡鹿の磯に通い、50UPベッコウ&アイナメを狙っていたロックフィッシュハンター。険しい、キツイ、危険の3Kを乗り越えながら、数々のモンスターを仕留めてきた。茨城県在住。チーム・ハンター所属。ピュア・フィッシング・ジャパン、サンライン、パズデザイン、がまかつ、ティクト フィールドテスター
※ハンターブログ http://yaplog.jp/jgfahunter/

 
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