釣行記

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連載☆ハンター式磯ロック攻略術【第1回】春の磯ロック攻略術

塩津 紀彦 2021年4月26日 更新

※この記事は2014年9月にプレミアムサービスの連載記事として配信されたものです。

5月も半ばを迎えると、いよいよ山にも里にも待ちに待った新緑の季節。しか~し、海の中は1ヶ月遅れで季節が移行するため、まだ春になったばかり…。

ですが、雪代も落ち着いてきたので徐々に水温も上昇し、それに伴いロックフィッシュがシャローに着くためのキーポイントとなる春の海藻達もぐんぐん育ち始め、ぼちぼちロックフィッシュも本格的なシーズンへ突入していく助走段階に入ってきたと言えるでしょう♪

さてそこで、今回はシーズン初期の気難しいロックフィッシュを手玉にとって頂くための、春の磯ロック攻略術をご紹介したいと思います!

今年のシーズン1発目のランカーアイナメです(4月末、岩手)

まず、どんなにテクニックを磨いても魚がいないエリアで釣りをしていては釣れる魚も釣れません!ってことで、最重要項目!
「ポイントの見極め方」
をお話しします。

大きな動きとしては湾の内側の磯(堤防もですけどね)から水温が上昇し、安定していくため、湾の内側から順にシーズンインしていきます。

ちなみに日当たりが良いのと、親潮が影響しやすい湾の北向きのエリアは冷水がマイナスに影響するため、北岸の南向きエリアが有望なポイントと言えます。

さて、そんな中でもさらに細かくポイントを見てみましょう♪

図で書くとこんな感じのポイント。

実際の写真だとこんな感じのポイントになります。

実はこの写真では見えないのですが、ちょうどワンドの外側にワンドにフタをするような形で巨大な沈み根が入っています。

そしてもう1つ!

ここはコの字のワンドでやはり出口付近に根が入ったポイントです。

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ポイントの状況を構成要素から読み解く!

この2つのポイントが持つ春のポイントの代表的な要素。

それが
【1】潮が直撃しない
【2】ベイトのカニが溜まりやすい
【3】海藻が育ちやすい
【4】身を隠しやすい
【5】水温が上昇しやすい
この5つのキーワードになります。

【1】潮が直撃しない
他のキーワードとリンクする一番大事な要素がこの「潮が直撃しない」ってことになります。

潮が直撃するエリアでは水温が安定しないため、春の磯では、冷水からの影響がダイレクトに出てしまい、魚がステイする条件としてはあまり良い環境とは言えません。

人に例えるならば、風が強い場所にいるよりは風が避けられる場所にいた方が寒さから避けられて、居心地が良いのと同じですね。

【2】ベイトのカニが溜まりやすい
春の磯はベイトがまだかなりプアな状態です。

磯ガニ、ベイトフィッシュ、エビ類など、どれをとってもまだ接岸しはじめたばかりでメインベイトとは言えません。

でもロックフィッシュたちが安定した水温のエリアを離れ、リスクの高いシャローへ上がって来るからにはそれなりの理由が存在します。

まずは春先のシャローで釣れる魚には、シャローで越冬した個体とディープから移動してきた個体に分かれるのですが、何れも体力のある大型からシャローで捕食を開始し始めます。

では、春の磯では何をメインベイトにしているのか?と言いますと…

↑コレです。ヨツハモガニ、ヤツハモガニ、ヨツハモドキなどのモガニ類ですね。

コレらのモガニは潮流れのキツくない海藻の中に棲息するので、潮が直撃しないエリアには棲息数も多いため、ロックフィッシュも捕食に来ている確率が高いと言えるでしょう。

【3】海藻が育ちやすい
ちょうど冬の海藻が抜けて春の海藻が育ち始める季節です。

これくらいいろんな海藻が育っていればグーです

春の海藻の代名詞と言えるホンダワラなどは潮が直撃するエリアではあまり成長しません。

ベイトのモガニ類やエビ、ハゼ系ベイト等はホンダワラに身を隠す時が多いので、海藻の育ちはロックフィッシュの釣果にも直結する重要なファクターと言えるでしょう。

【4】身を隠しやすい
シーズン初期は冷水の中でも活動できるように体力の浪費を最小限に抑えながら活動しているため、根や岩にかなりタイトに身を隠して過ごします。

こんな感じでワンド+岩や根があると○

そのため大小の根や岩に囲まれたエリアや潮流れをシャットダウン出来る大岩があれば、身を隠す立体岩盤面積が広いためプラス要因の1つになります。

【5】水温が上昇しやすい
岩盤に囲まれているため日光による水温上昇の効率がよいのと、冷水があまり干渉してこないため水温の安定が期待出来ます。

まだ本調子ではない魚達にとって、変動が激しいエリアよりは安定した水温のエリアの方がリスクの軽減になるためこれも重要なファクターと言えるでしょう。

ポイントがわかったところで今度はオススメのルアーやアクション、アプローチです。

先にもお話しした通り6月半ばくらいまでのシーズン初期のメインベイトはモガニ類なので、アプローチとしては海藻が密生するような根や足元の岩盤などを、かなりタイトに海藻に絡めるようなイメージで攻めるのが有効。

アクションは根や岩のエッジを丹念にリフト&フォールで誘うのですが、初期は活性がかなり低い時が多いのでリフト幅も狭めでフォールは少しロッドでテンションをかけながらフォールスピードを遅めにするのがキモになります。

スローにタイトに攻めないとナーバスなローテンションの魚達には口を使ってもらえないので

「ゆっくり見せて、落とすところはしっかり落とし、がっちり喰わせる」
が攻略の要と言えるでしょう。

また活性が高くなり積極的にベイトを捕食しに動くマヅメ時などは、払い出す潮が流れるポイント付近に魚が動くので、そういったエリアを見つけてダイレクトに狙いましょう。

こんな感じの流れが出てればグー

使用するルアーはガルプ!パルスクロー、パワーベイト ダブルホグが甲殻系ワームなんでマッチ・ザ・ベイト。

また堤防や砂地が隣接する磯での春先のムシエサを捕食するパターンの魚にはガルプ!パルスワームが良いときもあるので、こちらも忘れずに持って行きたいワームの1つですね。

オススメのカラーは

低水温時季の居着きの魚にはグリーンベースのカラー。

ディープから刺してきたばかりの個体や活性が高めの魚にはクリアーレッドベースのカラー。

オールマイティーに使えるパンプキンベースのカラー。

雪しろや底荒れ時にはブラックやソリッドレッド。

などなど、効果的なカラーはシチュエーションにより変わるので3~4種類のカラーは常に持って行った方が急な活性の変化にも対応出来るでしょう。

最後に、磯ロックでもそうですが、ボートロックや堤防ロックでも、海藻がある根をタイトに攻めることが春先の釣りの重要なポイントになります。

なので偏光グラスは雑光がシャットアウト出来る高性能な物を着用するようにして下さい♪

クラス最高品質のタレックスレンズ

例えば50m先の小さな根にタイトに着く魚を捕るためには、キッチリ目の前に落とす技術よりも先に、まずは視覚でポイントを見て確認することが一番重要なファクターになりますよね?

釣り人側にとって「綺麗に見える!」ってことは大きなアドバンテージになります。特にシビアな釣りをしないと魚を手に出来ない春先の釣りには、偏光グラスは必需品になるのでお忘れないように!

さてさて、春先のキモはおわかり頂けましたでしょうか?

水温が11~12℃くらいになるとシャローが騒がしくなってくるので、海水温とにらめっこしつつもシーズン始めの一発大物狙いにお出かけになって下さい!

頑張れば↑こんなのや

↑こんなナイスプロポーションの魚に出逢えるかもしれませんよ♪

それではまた

よろしくどうぞm(__)m

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PROFILE:塩津 紀彦

磯ロックがブームになる以前から牡鹿の磯に通い、50UPベッコウ&アイナメを狙っていたロックフィッシュハンター。険しい、キツイ、危険の3Kを乗り越えながら、数々のモンスターを仕留めてきた。茨城県在住。チーム・ハンター所属。ピュア・フィッシング・ジャパン、サンライン、パズデザイン、がまかつフィールドテスター

 
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