鰯(いわし)の種類~マイワシとカタクチイワシ違いなど~
干物、煮干しなどの漁業対象種でサビキ釣りなどのターゲットにもなるイワシ。肉食魚の重要なベイトにもなっていて、ルアーゲームでも重要な存在になっている。ここでは日本近海のイワシの仲間で一般的なカタクチイワシとマイワシ中心に、その他のイワシ類についても紹介する。
カタクチイワシ
片口鰯の名の通り、上顎が大きく突き出るようにみえて、口が目の下まで切れ込む。この口を大きく開いて泳ぎながらプランクトンを捕食する。別名「セグロイワシ(背黒)」。シラスは多くがこのカタクチイワシの稚魚。煮干しもカタクチが最も一般的だ。成魚のサイズは大きくて15~18cmくらい。
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マイワシ
最大20~30cmくらいになり、カタクチに比べると丸くて太いイワシ。体の横に黒い点が並び「ナナツボシ」の別名。大きさによって「大羽」、「中羽」。小型は平たいので「ヒライワシ」や「ヒラゴ」などとも呼ばれる。
カタクチイワシとマイワシの魚種交替とは?
カタクチイワシとマイワシの間には資源量に関連性が知られている。魚種交替と呼ばれる現象で、カタクチイワシとマイワシが数十年のスパンで増えたり減ったりしている。
1990年代から2000年代にかけてマイワシが激減し、イワシといえばほとんどカタクチイワシだったが、ここ数年、マイワシが多くみられるようになってきた。逆に豊富だったカタクチイワシが減ってきていて、これが魚種交替によるものと言われている。
実際、三陸のカツオ漁や泳がせ釣りに使用する活きイワシがカタクチイワシからマイワシになっている所が増えてきているはずだ。

その他のイワシ類(ウルメイワシなど)
もう1種、イワシ類の仲間として挙げられるのが「ウルメイワシ」。カタクチ、マイワシに比べて数は少ないが、大型になり食べて美味しいので市場価値が高い。

イワシ類は分類上はニシン目と呼ばれ、イワシの名がつかないものでもニシンやサッパ、コノシロが近縁な仲間になる。
小骨が多く食べづらいと言われることもあるが、岡山県では「ママカリ」としてブランド魚にもなっている。酢漬けなど上手に調理することで美味しくいただける
サッパによく似た仲間で、成魚は大きな黒斑がある。若魚は寿司ネタのコハダとして有名。冬に河口に集まって産卵するため、シーバスのコノシロパターンもよく知られている
その他、ニシン目でない魚種でイワシの名がつくのが「トウゴロウイワシ」。小型のウルメイワシと間違われることがあるが、ヒレの位置や骨格がイワシ類とはかなり異なる。どちらかというとイワシよりボラに近く、食べると小骨が多い。
深海性のハダカイワシ類はウロコがポロポロと剥がれやすく、発光器を持つ魚。ハダカイワシの仲間はこの発光器の位置が種によって異なる。イワシ類同様に中深場~深場の魚食魚の重要な餌になっている。

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