追波川リバーシーバス 晩秋のバチ抜け&サヨリパターン
東北の河川では気候と水温の関係からか、晩秋の大潮後にバチヌケ(バチ抜け)が起こることが知られている。石巻の追波川でも10月から11月の大潮後にバチ抜けが起こり、パターンフィッシングを楽しめる。同時期に楽しめるサヨリパターンと合わせて、村岡博之さんに基本的テクニックを教えてもらった。
バチ抜けの起こる場所とタイミングは?
バチ抜けというのは、汽水域の砂泥底に生息しているゴカイ類が大潮時に穴から一斉に抜け出て、水中に浮遊しながら行う産卵行動のこと。関東より西の地方では春先にバチが抜けることが多いが、東北の追波川では晩秋に起こることが知られている。
宮城県の追波川では10月と11月(年によっては12月頭も)の大潮の最終日からその後の中潮にかけてがバチ抜けの有望なタイミングになる。今年も10月6日頃と10月21日頃にバチ抜けを確認。21日はかなりの広範囲でバチ抜けが起こり、本来であればその後の2、3日は期待できるのだが、台風の影響でチャンスはこの1日だけだった。
バチヌケが起こる時間的は大潮時の夕暮れ時。満潮から下げ始めが重なるタイミングが有望で、この時季の大潮から中潮にかけてはこの条件が揃う。
あとは、大潮が満月か新月かによっても状況が大きく異なる。満月時は太陽が落ちてから明るくなるまでの間にチャンスが限られる(明るくなると終わってしまうことが多い)が、新月であれば日没から比較的長い間期待できる。
「追波川では中下流域のどこでも起こるのですが、底質は泥っぽい軟らかいところがよく、後ろにアシ原があって生物が豊かな環境の方が多く抜ける傾向があります。流れが速いところよりは、流されたバチが溜まるところ。漁でシジミを採っているような場所なども良いですね」
バチ抜け対応のタックルでないとなかなか食わせられない!
バチヌケ時のシーバスは上流から流れてくるバチを待ち構えて捕食する。バチがそこら中にうごめく状態ではかなりの偏食になるので、よほどバチに似せたルアーでないとなかなかバイトしない。
そこで威力を発揮するのが、バチ抜けの大定番ルアー「にょろにょろ(ジャクソン)」。細長いシルエットがバチにそっくり!使い方は流れに合わせて水面直下をスローに引くだけでOK。
バチ抜け時にはなるべく軟らかめのシーバスロッドを使用するのがベター。軽めのルアーをコントロールしつつ、バイトを弾くことも少なくなる。
3種類の弾性の異なるカーボンマテリアルを組み合わせたシーバスロッドシリーズ。遠投性に優れたロングディスタンスながら、繊細なティップを搭載し、操作性に優れた1本
バチ抜けルアーとして絶大な信頼を誇る。細長いシルエットと生命感あふれる泳ぎはサヨリを捕食している時などにも有効。バチ抜け時は8.5cmを中心にカラーはライムグローやCLSシラスなど、サヨリなど魚をベイトにしている時はフラッシング系のレーザーイワシやレーザーサヨリなどと使い分ける。ちょっとアピール力を大きくしたい時は一番下の「でぶにょろ」もあり
東北の巨匠推奨!追波川バチ抜け定番ポイント
追波川の数あるポイントから、バチ抜け時に実績のある場所をピックアップ!
福地閘門対岸
福地閘門対岸の葦原地帯。大型シーバスの実績が多く、シーズンを通して人気の釣り場。一帯がバチ抜けの好場所になっている。
福地閘門
追波川でトップクラスの有名ポイント福地閘門。この周辺もバチ抜けの実績十分。駐車スペースからアクセスしやすく、足場も良いため、狙いやすさと実績を兼ね備える。
福地下流
県道30号線沿いの山側に駐車スペースがあるところ。駐車スペースから道路を渡ってすぐ、石畳に釣り人が並べるお手軽スポット(道路横断時は車に注意!!)。緩やかなカーブになっているため水流が緩く、実績ポイントを形成している。
サヨリパターンも飯野川橋付近まで実績あり
バチ抜けは大潮後の数日に限られるが、それ以外の時はこの季節はサヨリをベイトにしていることが多い。「にょろにょろ」は細長い魚体で表層を泳ぐサヨリにも有効。セオリー通り満潮からの下げ潮時を狙うと良い。
サヨリパターンは河口域だけかと思われがちだが、実際には国道45号線が通る飯野川橋の周辺までサヨリは上がっている。
追波川のシーバスシーズンは終盤になっているが、12月上旬までは釣れる可能性は十分。気温が下がり、水も冷たくなっているので、できれば冬春用のネオプレンウェーダー等を着用し、防寒装備をしっかり整えてお楽しみいただきたい!
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※取材協力/ジャクソン
※解説/村岡博之
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