船釣りを始めてみよう![船釣り入門ガイド]
身近な所でできる防波堤釣りや河川の釣りに比べて敷居の高いイメージのある船釣りだが、乗船料を払えば簡単に釣りを楽しめて、魚に出会える確率も高い。むしろ最近はレンタルタックルがあって手軽な船釣りから釣りを始めたという人も多いほど。いくらかの船代はかかるものの、ポイントを探す手間や自分で道具とエサを用意する費用、釣れないリスクを考えればぜんぜんお得なのだ。ただ、どうしても船酔いしてしまうという人が多いのも事実。船酔いが心配な人は酔い止め対策をして挑もう。
どこで何を釣るか?
一般的に船釣りは沖に出て水深が深く、潮流が速いほどテクニカルになる。入門するならカレイ、キス、ハゼといった近海かつ浅場の釣り物がおすすめだ。これらのターゲットなら水深は深くても40m前後、ポイントによっては10m前後で釣ることもできる。船釣りはこまめな底取りとタナ調整に向く両軸リールを使うことが多いが、キス、ハゼ釣りなどならちょい投げで使うようなスピニングタックルでも楽しめる。
ターゲットを選ぶ際は、近くの出船港を絞り込み、その港から出て今何が釣れているのか?から決める方法と、釣りたい魚を決めてからその魚を釣るにはどこから出るかを選択する方法がある。
港から選ぶなら、遊漁船一覧、釣具店一覧の情報ページから行きたい地域をチェック!釣果から選ぶなら、船釣りの釣果からエリア(県名)と狙いたい魚の釣果をチェックして、その中からどこに行くかを絞り込めばOK。
船を予約する
どこで何を釣るかを決めたら、船宿を決めて予約しよう。予約する方法には仕立て、乗り合いがあり、船宿、釣り物によりそれぞれ異なる。
【乗り合い船】
釣り人一人一人がバラバラに一つの船に乗り込む方式。一人○千円といった料金設定になっており、複数で乗船する場合はグループの人数分の予約を取る。比較的大きめの船に多い方法で、予約時に釣り座(後述)を指定する場合もある。
【仕立て船】
1船丸ごと貸し切って出船する方式。小型船から大型船まで船の大きさにより料金設定が異なり、△人まで○万円といった感じで人数制限がある(追加料金を払えば人数を増やせることが多い)。グループで貸し切ることができるので比較的自由度が高く、人数が集まれば割安に楽しめることもある。
インターネット予約もあるが、釣り業界はまだまだ電話予約が一般的。電話をかける前に遊漁船、釣具店の情報をしっかりチェックしておこう。
船宿によってレンタルタックルの有無や料金体制(エサのありなしなど)、トイレの有無など様々なサービスの違いがある。釣りTiki東北の詳細ページや船宿のホームページでも大体は確認できるが、釣り物によって特別なルールがあったりするので、初めてという旨を先に伝え、必要なものや料金体制について理解できるまで確認しておこう。
必要なものを用意しよう
入門者向けターゲットの場合、竿、リール、ラインはレンタルタックルが用意されている船宿も多く、有料or無料のレンタルタックルを申し込めば当日船宿で借りられることがある。
エサ代は料金に含まれる場合と、別に必要分を購入する場合とがある。他に釣具店やスーパーでエサを購入して持っていくケースもある。ルアー船などはおすすめのルアーを船宿で買えることも多いが、出船前は慌ただしいので、予め釣れるルアーをチェックして購入しておくのが◎
仕掛け、オモリも事前に釣具店で購入していった方が良いが、仕掛けは船宿で実績のあるものを揃えている場合もある。仕掛けの種類、号数やオモリの号数が合わないと全く釣りにならないか、周囲に大迷惑をかける危険性があるので、予約時に何が必要なのかしっかりと確認しておこう。
そのほか、替えの糸や針に糸切りハサミなど小物類。可能ならばロッドキーパーや竿立て、ウェアや足回り、濡れものを拭くタオルに食事や飲み物など、必要なものはお忘れなく!
※チェックリスト※
・竿(レンタルなら事前に申し込み)
・リール(レンタルなら事前に申し込み)
・道糸(レンタルなら事前に申し込み)
・エサ(料金込みor別売or持ち込み?)
・仕掛け(釣れる仕掛けは?船宿で買えるのか?)
・オモリ(号数は?)
・小物(ハサミ、ハリ外し、替えバリなど)
・ウェア(冬場は防寒、念のためレインウェアは必須!)
・ライフジャケット(大体レンタルあり)
・タックルバック等(できれば防水のもの)
・クーラー(発泡箱なども可)
・長靴等
・タオル
・飲み物、食べ物
・酔い止め(必要に応じて)
出船当日!船宿or港へ行こう
実釣当日!集合場所へ行こう。釣り船の出船時間には午前便、午後便、夜便、一日便などいろいろあるが、一般的な午前便の場合は朝が早いことが多い。前日は早く寝て、余裕を持って出発しよう。出船の時間は決まっているので、集合時間は厳守。ちょっとでも遅れると周りの迷惑になったり港に置いていかれても文句は言えない。
集合場所は港の船が出る場所に直接行く場合と、先に船宿の事務所で受け付けを行う場合とがある。集合場所に着いた時に釣り座(船の中の座る位置)を決めることも多い。釣り座については、予約時に決定する場合、先着順、くじ引きなどルールがあるので、船宿の指示に従おう。レンタルタックルで釣る場合はタックルを受け取るのもお忘れなく!
【釣り座について】
初心者なら胴の間(船の前後で真ん中付近)が揺れも少なく、船長にも近いので安心だ。
>釣り座のハナシはこちら
乗船
受け付けを済ませ、船の前まで来たら荷物を船に積み込もう。車は指定の駐車スペースへ。一時的に車を船に横付けできる港もあるので、その場合はいったん車から荷物を降ろしてから駐車スペースに車を置きに行く。
船に乗り込んだらまずは自分の釣り座を確認。荷物をまとめてロッドキーパー(あれば)をセット。可能であれば、ロッドのガイドに糸を通して仕掛けやエサも準備し、邪魔にならないように置いておく。
出船~ポイント移動
船は岸壁を離れてしばらくは徐行しているが、徐々に速度を上げて目的のポイントへ向かう。ゆっくり動いているうちは準備をしたり、軽く食事したりできるのだが、スピードが上がるとちょっと危険。荷物が飛ばないよう安定した場所に置き、船室か船後尾の安全な場所で過ごそう。特に、ウネリがある時の胴の間付近は波をかぶりやすいので注意!
実釣
ポイントが近付いたらそれぞれの釣り座に戻り、タックルと仕掛けの最終準備を整え、エサ(ルアー)をセットしてスタンバイ。船長からスタートの合図があったらいよいよ釣り開始だ(フライングは絶対にNG!)
【おまつり】
釣り方はそれぞれの釣種ごとにガイドを確認するとして、船釣りで気をつけたいのがオマツリ(周囲の釣り人の仕掛けや道糸と絡んでしまうこと)。これは自分と周囲の仕掛けの流れ方の違いによって起こるので、ラインの流れる角度が隣と違っていないか?気を付ける。また、オマツリが多発するようならオモリや道糸の号数が自分だけ違っていないか確認しておくといいだろう。ビギナーなら分からないことがあっても仕方ないので、恥ずかしがらずに船長やベテランさんに相談するのが得策。
【場所移動】
釣りの途中に何回かポイントを移動するはず。移動距離が短ければそのまま釣り座で仕掛けを上げて到着を待てばいいが、長距離の移動の場合は船長から指示があるので、荷物が飛ばないようにまとめて、安全な場所で移動体制を整えよう。また、ポイントが変わると底の質が変わって根掛かりしやすくなったり、オモリの号数や仕掛けを変えた方がいいこともあるので船長の指示がないか?注意しておこう。
【釣果の扱い】
釣った魚は鮮度が落ちないよう海水氷の入ったクーラーに入れるのが基本(氷だけ入れる場合もある)。そのまま魚を入れても大丈夫なのだが、サバやイナダなど青物類はバケツ等で血抜きをしてから持ち帰った方がおいしい。また、イカは氷に触れると色が変わってしまうので、袋などに入れて氷に直接触れないようにすると良い。
帰港
船長から終了の合図があったら釣りはそこまで。速やかに仕掛けとエサをまとめて、船室などの安全な場所で移動に備える。もたもたしているといつまでも船がスピードを上げられず帰りが遅くなってしまう(迷惑をかける)ので、まずは手早く荷物をまとめて体制を整え、港に着いてからゆっくり片づけるのがマナー。
岸壁に接岸したら、荷物を陸に揚げる。クーラーには氷水と魚が入って行きより重くなっているので、周囲と協力して運び出そう。支払いがまだの場合はここで船長やおかみさんに船代を支払う。レンタルタックルも忘れず返却しよう。車を横付け出来る港の場合は、車を移動させて荷物を積めるのでラクチンだ。
帰宅後
船釣りから帰宅すると予想以上に疲れているもの。だが、帰ってからやっておかねばならないことが大きく2つ。道具の片付けと釣った魚の処理だ。まず道具は、次回以降もしっかり使えるように、濡れているものを乾かして整理し、ロッドやリール、ウェア、仕掛けパーツなど、必要に応じて水道水で洗い、塩抜きもしておく(方法はそれぞれの道具により異なるのでここでは割愛する)
クーラーの中の釣果は、保冷がしっかり効いているなら魚の種類にもよるが、1日くらいはそのまま置いておいても大丈夫。ただ、できれば早めに下処理(内臓、ウロコなどの処理)をして、クーラーも洗って干した方が良いだろう。
釣った魚が多ければご近所や知り合いに配るのもありだが、もらった方が困らないよう処理して配るのがマナー。また、最近はスーパーの鮮魚コーナーで持ち込んだ魚を処理してくれることも多い(有料、サイズにより500円ほど~)。自宅で捌く自信が無かったり、ゴミの処分に困るような場合はこういったサービスを使うのもおすすめ。
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