釣行記

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奥松島 湾内でのんびり船ハゼ満喫

小野秀樹 2020年10月30日 更新

奥松島の湾景をながめながらの船ハゼ釣りは、美しい島々に囲まれて雰囲気抜群なうえ、良型が多く、数が釣れるのも大きな魅力。本場、江戸前で鍛えた関東の釣り師も訪ねて来るという、知る人ぞ知る好フィールドを紹介する。
※こちらの記事は2010年11月の内容です(大震災前の内容をそのまま掲載しています)

絶景を目で追いつつ、手元はハゼの魚信に集中

釣り場は奥松島の養殖棚周り。湾内の水深3~5mをゆっくりと流していく。一応、流し釣りではあるが、ほとんどかかり釣りの雰囲気だ

誰にでも簡単に楽しめ、単純だけど、奥も深いのがハゼ釣り。そんなハゼ釣りの魅力をギュッと凝縮したようなのが、奥松島の船ハゼだ。

日本三景・松島と隣接する奥松島は最高のロケーションに加え、島々に囲まれるため湾内が非常に波静かなのが特長。さらに、ポイントの水深は3~5m。場所によっては1.5mという浅さなので、小気味良いハゼのアタリをダイレクトに感じ取ることができる。

奥松島のハゼはサイズも上々。金龍丸の小野船長が、「良型がたくさん釣れるということで、関東方面からわざわざハゼを釣りに来るお客さんは結構多いんですよ」と言うほどで、県内外に多数のファンを擁する。素晴らしい景色を眺めながら釣果も望める、知る人ぞ知る好釣り場なのだ。

上、中)趣あるハゼ和竿なども使ってみたいところだが、水深が浅いのでコンパクトロッドや激安ノベ竿でも十分楽しめる。もちろん、かかり釣り用のカレイ竿などでも可。誘って釣るか置き竿でのんびりやるかは各々のお好みで。下)仕掛けは基本的に市販品を使用。定番はタイコ型オモリの片テン2本バリ。写真の中通し式1本バリ仕掛けなど、色々試してみるといいかも

ハゼの型に合わせて、ハリとエサは大きめに

この日、10月30日の船中トップは72匹。釣れたハゼは23cmを最大に、20cm前後の良型が多かった

ハゼの魚影が濃い奥松島では、釣りの自由度も自然と高くなる。高感度なタックルでしっかりコヅいて誘うのもいいし、置き竿を基本にたまに聞き上げるスタイルもアリ。釣法と釣果との関係は、その日のハゼの活性や水色によって異なるそうだ。水深がとても浅いので、専用の船竿が無くても、コンパクトなちょい投げ竿や短めのノベ竿でも十分楽しめる。

市販のハゼ仕掛けは、ハリサイズ8号、9号くらいから販売されているが、奥松島はハゼのアベレージサイズがかなり大きいので、11号、12号くらいがオススメ。小さいハゼを釣って逃がすのではなく、最初からハリ掛かりしないようにすることが、良型の釣果を伸ばすコツでもあるのだ。同じ理由から、エサのイソメはダンゴ状に縫い刺しにする。東京湾などでは頭を落として小さくエサ付けるのがセオリーとされるが、ダンゴ状にエサ付けすることにより、大型を狙って釣りつつ、エサも残って手返しがよくなる。このあたり、宮城の伝統釣法である、数珠っこ釣りの流れを汲んでいる感がある。

取材日の10月30日は5人乗船して、1人34~72匹を釣り上げた。釣果的にはこれくらいがアベレージで、雨後などは若干数が落ちるが、それでも30~40匹は望めるとのこと。ポイントは砂泥底を主体に、藻場やカキ殻の場所もあるので、アイナメ、アナゴ、カレイ、シャコなどゲストも豊富。これから11月一杯はハイシーズンの釣れっぷりを味わえそうだ。冬にかけて、ハゼは徐々に深みへと移動し、12月頃には深場に落ちたデカハゼを狙えるようになる。そして、年明けの焼きハゼの季節へ…、まだまだ楽しみは尽きない。

奥松島・大浜の漁師民宿あづま屋は、旬の魚介を中心とした地元食材ずくしが自慢。宿泊料金は1泊2食付き7,350円から
金龍丸は大型船の第7金龍丸と和船タイプの第8金龍丸で出船中。近場を小型船で攻めるハゼ釣りは4人まで20,000円(エサ代別)とリーズナブル。他、松島周辺のロックフィッシュやシーバス、仙台湾のマガレイ、青物も高人気

取材・解説/小野秀樹
取材協力/あづま屋・金龍丸(TEL:0225-88-2125)

 

PROFILE:小野秀樹

自身も釣り好き、ルアー大好きな金龍丸の若船長。先代から引き継いだ釣り場を熟知したうえで、新たなポイント、釣種にも積極的にチャレンジしている

 

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