釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

『ハゼと遊ぶ』東松島~石巻・初夏の堤防ハゼ釣りガイド

針生 秀一 2023年7月16日 更新

釣りの原点はハゼ釣りという、針生秀一さんから初夏ハゼレポートが届きました。最近の宮城は秋から冬のシーズンより夏場の方が釣れる年も多く、早めの時季からハゼ釣りを楽しむことができますよ!
※2023年7月掲載
※釣り場の状況が取材時とは異なる場合があります。立入禁止、釣り禁止箇所などに注意し、ルール、マナーを守って釣りを楽しみましょう。

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新緑の頃から宮城の堤防ハゼ釣り探索スタート

令和5年も新緑の5月から、車載常備のヘラ、渓流竿で、今シーズンのハゼの様子を探りに釣り場巡回を始めました。

まぁねぇ、釣り場の情報なんかネット検索で充分。タイムリーな釣果情報がSNSでも拾えますよ~「だから最新」確かに…でもねぇ、自分は現場で見て、竿を出して確かめないと気が済まない性分の釣り人なもので、玉石混合みたいに出てくる情報を頼りに出来ないんですね。

まず今までの経験からポイントを選び、それで現場で感じた潮の香りと水温。そして竿を出して伝わる魚信と引き込み。それらを貴重な自分の情報源として、その後の展開を考えていく。これが楽しみなのです。「すべては海にある」そのときと同じ海は二度とやってきませんよね。

ここで私が釣行して紹介したポイントも参考程度に考えていただき、実際に行って竿を出して、その感触を味わって見てください。それが楽しさで、自分だけが知る真の情報、釣りの財産になりますよ。

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追波川の実績ポイントを片端からチェック

前置きが長くて申し訳ありません。今シーズンはじめ、ハゼを狙って竿を出したポイントは5月中旬の追波川でした。サクラマスアングラーが少なくなって、まずは釜谷大橋から下流、河口の水門など、各所を探ってみました。

まず生体反応、ウキに出た魚信を確認できたのが皿貝川の水門のところ。スーッと消し込むのに竿を立てると、プルプルの感触で抜き上げたのは10cmほどのいわゆるダボハゼ(マハゼ以外のハゼ類、ヌマチチブの類?)でした。

これが同じラインにウキを流していくと連続で釣れてきました。川の土手側に替えて投入。ウキを流れに乗せると逆行するような魚信。これは8cmくらいのウグイで、凄い群れです。これで、ここを見切って立神に移動しましたが生体反応なしでした。 

ちなみに、この水門あたりで、今年の2月にチカを釣りました。近年は宮城三陸沿岸で魚影見えずのチカでしたが、ここと志津川の小藤浜が、チカの魚影を確認できたポイントでした。

翌週、上流の飯野川橋近辺~福地水門あたりからチェックしていくと、敷石の上に手長エビが出てきていました。横川を過ぎて土手に降りて、川岸に釣り座を取って竿を出しました。

ここは満潮時に絶好のポイント。リール竿で遠投したくなるようなところですが、満潮前後は特に、護岸の敷石際にハゼが固まって寄り付きます。下げ潮に入ると上流のほうに流れが反流します。これに乗せるようにウキを流します。


シーバスや投げ釣りでも人気の追波川河口周辺エリア

追波川の釜谷大橋の上流の敷石まわりをウキで流すと、岸際で綺麗なハゼが竿を曲げてきます
サクラマスでお馴染み、飯野川橋の前後でもハゼが釣れます。高水温の真夏はこんな上流域も狙い目でしょう
釣り方はウキ釣りが中心。当歳魚のデキハゼも活発ですが15㎝前後アベレージで釣れてくる追波川。真夏にかけて、さらなる良型ハゼに期待です


福地水門から国道45号線の飯野川橋にかけて

ウキ釣りで護岸のキワに寄った良型ハゼを狙う

竿はへら竿15尺・道糸1.5号にタル型ハリス止め16号でハリス0.8号10cm・ヤマメ針7号、玉ウキ6号にエサはアオイソメです。

ウキ下は一ヒロ、1.5mほどにセット。右手側の敷石前にくるとピクピクとウキに魚信。ウキが止まったタイミングで竿を立てると、グーッとへら竿が胴まで曲がる引き込み。抜き上げると15cmほどのマハゼです。

この敷石前を集中して流すとアタリ途切れずでハゼが釣れてきます。しかし、こんな河口から上流でもフグが多く、ハリス切れが連続。デキハゼと呼ぶ当歳魚、5cmほどのハゼも釣れて、リリースを繰り返します。2時間ほどで12~18cmのハゼを30匹の釣果。やっぱりオッパのハゼはイイ!

この後も数回、この周辺で竿を出しました。雨あとの濁り入ると釣れなくなりましたが、水色が回復するとハゼが釣れます。昨年も6~8月が型、数とも良かった追波川のハゼ。今シーズンも楽しめそうです。

追波川の暑い日の夕方、1時間ほどやって10~15㎝ハゼを12匹。雨後の濁りが入ったせいで少々渋かったです

東名運河~奥松島周辺エリアをガイド

6月には奥松島周辺でメバルと並行してハゼも狙いに行きました。メバルはフロートリグ?なんのことない、ハゼと同様のウキ釣りですwww

昨年7月に良かった富山駅周辺は不発。東名運河は駐車して竿を出せる場所が少ないのですが、旧東名駅前の東名橋あたりから「奥松島釣具店」旧野蒜駅から鳴瀬川水門まで、どこでもハゼが釣れる感じでした。型も15cm前後がそろってマズマズ。

これが8月あたりからは釣れる場所が限られてきます。今年は特に、野蒜海岸から河口のエリアまでフラット狙いのアングラーで賑わっていますね。宮戸島方向に走って行って、結構良かったのが宮戸島水路でした。

現在は資材搬送のスペースが立ち入り禁止になっていますが、橋下の前後は竿を出せます。ハゼ狙いのアオイソメでのウキ釣りに、30cmくらいのマゴチも釣れてきました。宮戸島側の漁港岸壁は投げ釣り禁止なので注意しましょう。
[関連]宮戸島入り口の松ヶ島漁港(2019年)

大高森から里浜に続く道路際も良いところですが、好天の週末は観光で訪れる方が多く、人目について釣りに集中できない感じですね。大浜、月浜はサーフでマゴチ、イシモチ、イシガレイ。7月に入ってシロギスも釣れていて面白いポイントです。

宮戸島水路近辺で18cmのハゼ このくらいのサイズがそろいました
宮戸島水路はマゴチのポイントです。ハゼのウキ釣りのアオイソメに30cmくらいのマゴチが掛かってきました


付近に工事中や立入禁止の場所があるため、現地の看板などに従って行動してください

メバルやアイナメなど根魚も狙える

大浜港内でメバル狙いのウキ釣りをしていて、デイメバルの定石通りに船影を流していたら、ウキが消し込まれました。アワセを入れたとたんに強力な引き込み。NFエアノス渓流硬調53が立てられない!メバル8号ハリス1号の細仕掛けだけに無理はできない。なんとかいなして浮かせたら、これが良型アイナメでタモ取りしました。

昨年秋の室浜でも、メバル釣りに40cmアイナメが掛かってきたことがあったので、タモを準備していて良かった。尺イワナを越える引き込みでした。計測すると36cm。スリリングな手応えでした。

室浜はメバルが良いところで、メバル狙いのウキ釣りに10~20㎝ほどのキビレが掛かってくることもあります。チンチン~カイズサイズのクロダイだと思っていたのですが、撮影して確かめると、これがキビレでした。

追波川の福地水門のところでも、30cmほどのキビレが掛かってきたので、キビレは宮城の河口域を中心に増えているようですね。汽水域を好み、かなり上流域まで繁殖するというキビレ。これを狙ってチニングも面白いです。

チンチン(クロダイ幼魚)と思っていたら、キビレでした
室浜でワームでのメバリングにヒットしてきた15cmほどのキビレ。スモールですがチニングも面白いです
大浜でメバル狙いのウキ釣に36cmのアイナメ。ハリス1号で渓流竿でしたから、スリリングなやり取り。このときは15~25cmほどのクジメ、アイナメが多く釣れてきました。キープは2匹です

鳴瀬川河口から東松島周辺エリアのハゼ

鳴瀬川河口左岸側の浜市~北上運河もハゼ釣り人気スポット。対岸の河口から明神のサーフはマゴチ、シーバスの人気ポイントですね。まず野蒜築港跡の水路で竿を出すと、20cmほどの大型ハゼが釣れて驚きました。しかしアタリ少なく魚影は薄い感じ。浜市漁港内は作業をしていると出入りできないので注意しましょう。

それで浜市岸壁から鳴瀬川に繋がるところでウキ釣りをしたところ、ウキをひったくるようなアタリで15cmほどのセイゴが連発で掛かってきました。雨あとで濁っていたのもあってハゼは掛からずでした。

昨年も7月から10cm前後のハゼが多く釣れていたので、今年はサイズアップに期待したのですが、7月の状況から見れば望み薄な感じ。以前に高水温になる8月に好釣したこともあるところなので、北上運河から石巻にかけてのハゼ釣りに、また行ってみます。

浜市から北上運河では、濁りのせいか15cmほどのセイゴが入れ食い。ハゼは真夏に向けて期待したいところです

近年好調な宮城の夏ハゼと遊びに行ってみよう

エサは定番のアオイソメで充分に釣れます。ウキ釣り、ミャク釣りには冷凍ホタテも食い込みよく、ハリ掛かりがイイ感じでした。ゴカイなんかあればベストでしょう。河口域ではミミズも良いですね。

近年は宮城の風物詩とも呼ばれた秋ハゼが不調で、7~8月の夏に良型が多く釣れるような釣況が続いています。県南の名取、岩沼、亘理、山元町に、貞山運河、阿武隈川周辺のハゼも面白いところ。これからの気候次第で、先行きはどうなってくるかわかりませんが、竿を持ってハゼと遊びに行きましょう!

ゆったり流れる大河の景観のなかで竿を出すのは心癒されますね。追波川でハゼ釣りをすると、釣果だけでなく気分も良くなりますよ。帰路に道の駅ふたごの湯につかっていきますか~~~
同行した山田さんは、干潮でウキ釣りが良くない時に遠投して探り、ハゼをダブルで釣っていました。以前私も12月に25cmの大型ハゼを投げ釣りで釣ったことがあります。ハゼは基本的に一年魚ですが、追波川のハゼは川で越冬して残り、大型になる個体も多くいるそうです。冬のシラウオ漁の時期に獲りたてのシラウオを分けてもらったことがありました。やはり母なる大河ですね

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PROFILE:針生 秀一

船釣りを中心に、防波堤や河川の小物釣りなど、なんでもこなすオールラウンダー釣り師。全国各地の釣りと釣り具の知識が豊富で、釣りの生き字引的存在。つりえさマリンスタッフ。シマノフィールドモニター

※取材・テキスト/針生秀一

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