ショート便で狙う宮古沖のスルメイカ&ケンサキイカ

今季はイカの当たり年で連日盛況を維持している三陸の夏イカ。宮古沖でもスルメイカ、ケンサキイカ混じりで釣れているとのことで、ピュア・フィッシング・ジャパンフィールドスタッフ佐々木健太郎さんによるイカジグ、イカメタルの解説をまじえながら、宮古湾周辺の夜イカ船の模様をお届けします。
※2023年9月掲載。
実釣時間は短めながらメリットも多い夜イカショート便
今季の宮古湾のイカ釣りは7月中旬の夏のムギイカ(スルメイカ)から本格始動。8月に入り、日によってムラはあるものの好調をキープ。日に日にサイズアップしてくるムギイカ(スルメイカ)にケンサキイカも多数混じり、例年にはないケンサキイカの登場にイカメタルファンも大いに盛り上がった。
そんな朗報を聞きつけ2023年8月上旬、宮古港藤原埠頭(藤原地区船揚場)より出船するこうしん丸に伺った。今回は助っ人として当メディアでもお馴染みのピュア・フィッシング・ジャパンフィールドスタッフ佐々木健太郎さんに駆けつけていただき、実釣方法も教えてもらった。
今回の釣行は2023年7月に新たに大型船が就航したばかりの、こうしん丸の夜イカ釣りショート便(平日限定)に乗船。ショート便とは19時に出航し22時半には納竿(季節により変動あり)と実釣時間を短縮(出船~帰港まで4時間程度)して短い時間で釣りを楽しませてくれる便のこと。
メリットの一つは出船時間が遅いこと。夜イカ船の通常便は、遅くとも17時には出船(夏季の場合。季節により変動)するので仕事の関係で乗船出来ない方が多い中、ショート便の場合は、ゆっくり19時の出船になるので仕事を終えてからでも間に合う時間帯が魅力と言える。
二つ目は出船してからポイント到着後、すぐさま集魚灯を点灯しゴールデンタイムからのスタートフィッシングとなるため、着ドンっの期待が大きいこと。
そして三つ目は実釣時間が短縮されている分、通常便よりも乗船代はやさしい設定であること。「船釣りとなると敷居が高く感じられもう一歩が踏み出せない」なんて初心者の方も多いはず。しかしながらショート便は安価で短時間釣行となるため、コスパはもちろん船酔いの心配や疲労も少なくて済み、まさに懸念事項を払拭する初心者オススメの設定になっている。
当日も仕事を終えて駆けつけた皆さんが集結。連日、良型が釣れているだけにテンションは高め。そんな中、19時に宮古港藤原埠頭(藤原地区船揚場)を出船、ポイントを目指した。

イカ釣り船は虫も寄ってくるため、虫除け対策も考えておきたい。健太郎さんは着るだけで虫よけ効果を発揮!春から秋の3シーズンに対応した防虫&冷感機能性ロングTを着用。糸の段階で防虫効果のある薬剤を直接練り込み、半永久的な持続性を持つ
マイクロファイバーのナイロン糸を高密度に織り上げた撥水透湿と、柔らかいメッシュ生地を合わせた撥水メッシュキャップ。ツバはワイヤー内蔵式なので好みの形に変えられる。撥水生地の効果でイカ墨や潮が付いても拭き取るだけで綺麗に!
スルメイカ狙いで宮古湾口付近からスタート
静かな港内を過ぎると低気圧の影響があり、風波、ウネリとややタフさを感じさせられるコンディション。後半も継続する予報だったため、それを回避できる湾口63mラインでの実釣となった。
最初にイカジグでスルメイカをターゲットにレンジを探ることにした健太郎さん。「ドロッパーを使用せずジグ単でやってみます。ドロッパーをつけてもいいんですけど今日のイカの状況次第ですね。特にフォール中に抱いてくることが多い時は、ドロッパーをつけてブレーキをかける状態にした方が乗りがいいので。イカの状況を見てみます」と、まずはジグ単でレンジを探ることに。
開始から30分もすると船上ではポツポツとムギイカ(スルメイカ)が釣れ出した。サイズは大、中、小と様々でレンジも安定はしていなかったが、比較的ボトム付近で乗ったイカに良型が多い傾向だった。
そんな状況下、ワンピッチジャークのロッドワークからホバリングのようにイカジグをヒラヒラとさせていく方法と、テンションをかけてスライドさせていく方法でコンスタントに数を重ねる健太郎さん。



後半、湾内へ移動すると剣先イカが混じり始めた
中盤から後半戦に差し掛かった辺りから海況はタフさを増し、強風、高波とコンディションが悪化。船を影響の少ない湾口からさらに内湾に移動しての実釣再開となった。
ここのポイントは比較的潮が緩かったため、健太郎さんはタックルをジグ単からイカメタルにスイッチ。ケンサキイカを狙ってみることにした。移動して間もないため、まずはイカのタナを探る。すると水深17m前後でアタリが頻繁にあった。イカのアクションは繊細でなかなか乗らず、あきらかに(ムギイカ)スルメイカとは違った感触、ケンサキイカの期待が膨らんだ。
そんな中、健太郎さんがスローフォールからファーストヒット。上がってきたのは狙い通りのケンサキイカだった。サイズも良型、皆さんのテンションも上がる。そこからは情報を共有し17mにタナを絞って攻めた結果、プチケンサキフィーバー到来。乱舞するケンサキイカのサイズは、どれも良型揃いで船上は活気に満ちていた。
扁平型でゆらめきながらフォール。沈下時間を長く取ることができ、イカの抱かせの間をとりやすい。ウェイトも8号から25号まで幅広く展開。
「ソルティーステージ ダクダクスッテ」
ざらつきのあるクロスを採用しており、集魚スプレーやパウダーが長持ち。四つ目でどの角度からもベイトを意識させることができる

ティップはソリッドでイカのアタリを取りやすく、ベリーは適度に曲がりイカメタルのレンジを定位させやすい絶妙な調子。これ一本で8号から30号まで幅広く扱うことができる。
「ソルティーステージプロトタイプスロージギングXSPC-63-1.5-MAX150」
100~150gのメタルジグを快適に扱えるスロージギングロッド。入力の加減でラインスラックを出しイレギュラーなフォールを演出したり、スラックを出さずにスライドフォールをさせたりと使い手次第で意図的に複数の誘いをすることが可能。
「MAX DLC各種」
アブ初となるデジタルカウンター付きのベイトリール。イカメタルにはハイギヤ、イカジギングにはノーマルギヤモデルを使用。夜でも一目でタナがわかるライト機能が付いているのでより再現性のあるゲームを楽しめる



秋シーズンはビール瓶サイズのスルメイカに期待!
今季の三陸沿岸は各エリアともに朗報が聞こえ大盛況、イカの当たり年といっても過言ではない。もちろん季節の変わり目や、日によっては低調、復調を繰り返すものの、依然、安定して釣れ続けている。
これからの時期はサイズアップも見込まれることからビール瓶級のスルメイカも期待は大きい。そこに今まで宮古湾では姿が見えなかったケンサキイカも混じるだけに熱いシーズンは当分続きそうだ。
イカ釣りを始めたい。初心者でも釣れるのかな? なんて思っている方は是非ともこの機会に足を運び、イカシャワーの洗礼を浴びながらイカ釣りを楽しんでもらいたい。イカ釣りファンは今後も目が離せない。
[遊漁船紹介]宮古港こうしん丸
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※スペシャルサンクス/佐々木 健太郎
※取材協力/こうしん丸
※取材協力/ピュア・フィッシング・ジャパン
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