釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!
  • 厳寒期のモンスタークロソイ

    佐々木 健太郎 2023年2月27日 更新

    真冬の2月、夜の磯ロックで佐々木健太郎さん(ピュアフィッシングジャパンフィールドテスター)が巨大クロソイをキャッチ!その詳細をレポートしていただきました。
    (2023年2月27日掲載)


    [動画]佐々木健太郎チャンネル


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    東北は2月ともなればほぼ毎夜マイナス気温になり夜は釣りに出かけるのがおっくうになる季節。

    そんな季節でも夢のある釣りができたので紹介します。
    ちょっと尖った釣りですけどね(汗)

    舞台はホームである磯場です。
    注意事項として夜の磯は波の立ち方、潮位、風の強さ等充分に安全であることを確認すること。
    もしチャレンジしたいという方は日中の磯に通いなれてからがいいでしょう。

    狙うはモンスターサイズのクロソイ

    大型のクロソイといえば冬の時期に交尾をする為にカップリングをし、2匹以上の群れで行動をします。
    2月となると三陸の海水温は一桁台と低水温になりますが、クロソイはもともと冷水系の魚種で低水温にはわりと強い魚なのでこの水温でも平気で泳ぎ回れます。

    大型クロソイの行動としては、卵の成熟の為にマイワシやカタクチ等のベイトフィッシュを盛んに追いかけます(マイワシは低水温に弱いので泳ぎが遅くなり捕食しやすくなりますからね)

    この時期、通常は水温が安定している深場にいるクロソイですが以下の条件が揃うエリアでは陸っぱりでも大型が狙えます。

    ・水深があること
    ・潮が当たること
    ・高根があること
    ・ベイトがいること

    条件が揃えば大型が釣れる可能性は充分にあります。
    ベイトもマイワシサイズに合わせると反応がいいようです。
    小さいルアーには無反応なのに、パワーウィグラーのようなスイムベイトにはバイトしてくるケースが多くボリュームが大切だと感じました。

    これは小さいベイトより、一回の捕食で高カロリーを摂取できる大きいベイトを好んで食べているという証拠ですね。

    パワーウィグラー4インチが厳寒期の低活性のクロソイには有効です
    小関くんが釣り上げた48cmのオスのクロソイ。
    これもパワーウィグラー4インチ
    小関くんの1時間後にヒットしたのは同じく48cmのメスのクロソイ

    大型の雄雌。
    (上が雄、下が雌)
    並べると迫力があります
    卵を成熟させるべく、エサを求めて回遊してきたフィーディング個体でしょう
    ソルティーステージプロトタイプロックフィッシュの磯用プロト
    潮溜まりで魚をケアしながら観察しました

    日本記録級のクロソイをキャッチ

    夢を追いかけて通い続けていましたが、念願の特大を釣り上げたので間抜けな裏話を暴露しつつ状況を振り返ります。

    2月のとある日、夜に予定があったので夕マヅメの一時間だけと決めて磯へ降りました。
    まだ薄明るい時間帯だったこともあり、シンカーは35gにルアーは「Tテールシャッド」、フックは5/0とアイナメも視野に入れながらスタートしました。
    アイナメはもうすっかり抜けてしまったのかノーバイト。

    辺りもすっかり暗くなったタイミングでクロソイ狙いにシフトしようとシンカーとフックの入っているケースを開けた瞬間、かじかんだ手からケースが滑り落ち海の中へ…

    手元に残ったのは35gシンカーが一個と5/0フック一本のみ(泣)
    やっちまったとそのまま続けますが圧倒的これじゃ無い感…

    どうにか10g台のシンカーが無いかとケースを落としたところを再度探すと、なんと!手が届きそうなところに一個だけビフテキの海藻グリーンがありました!

    キンキンに冷えた海中へ手を突っ込み無事回収。
    すぐに回収した14gのシンカーに付け替え、ルアーも実績のある「パワーウィグラー4インチ」へ。

    その数投目の着底からのワンアクション目のフォール中にゴンっ!と鈍いバイト。

    一呼吸置いて鬼フッキング!と同時に途中でロッドが止まる大型クロソイ確定!

    最初の数メートルは割と簡単に浮かせられましたが、ロッドを脇に挟もうと若干ロッドテンションが緩んだと同時に釣られていることに気付いたクロソイが反転!

    頭を向こうに向けられると止まりません。

    50cmクラスでは少ししか出ない設定にしているリールからラインをズリズリと何度も出されます。

    しかし幸運だったのは大型を想定したロングロッドを使用していたこと、そしてクロソイが高根のある方向とは逆のオープンエリアに向かって泳いでくれたこと。

    ラインブレイクの恐れのある一線は越えたのでロッドレングスとパワーで頭をこちらへ向け、じわじわリフトさせながら寄せます。

    浮き上がってきた魚体を見たとたんに手と足が震えてしまいました…

    手足が震えてしまいました…
    海中で拾い上げたビフテキ海藻グリーンとパワーウィグラー4インチ

    神々しい風貌と迫力。

    ランディングは成功しましたが触るのも躊躇するほど…

    大の大人が手足が震えるほどの興奮と喜び…これをどう表現したらいいか言葉が見つかりません。

    嬉しさ、興奮、困惑が入り混じるカオスな精神状態の中、塩津さん哲平さんそしていつも一緒に釣り歩いてくれるゆうたくんに震える手で鬼電。

    みんな祝福してくれたのが嬉しかったです。

    特大サイズが掛かっても冷静にファイトできたのは、これまでの経験とイメージができていてタックルもしっかり備えていたからでしょう。

    狙って釣りましたと胸を張って言える三陸ドリーム。
    これが人生でショアクロソイの最大サイズになるかもしれません。

    これまで色んな雑誌や論文を読み漁り勉強しては磯へ通い詰めて空振りの日々。
    掛けられてもバラシやラインブレイク等、悔しい思いも沢山してきました。

    事故的な一発ではなく毎年ショアから安定して釣っている中での特大サイズ。

    しつこいようですが言わせてください。

    本当に嬉しかった…

    58センチの特大モンスター
    ベストバウトでした

    観察したあとはしっかり魚のケアをして感謝の気持ちを込めてリリース。

    この遺伝子は後世に残しておきました。

    この環境がある限り三陸ドリームは存在します。
    いつかこのクロソイを越える魚を誰かが釣りあげるでしょう。
    その日を楽しみにしています!

    おかっぱりでもボートでもパワーウィグラーが好調です!

    装備・タックル

    日中とは違い、視界がきかないので安全の為にライトを多く持ち歩いています。
    充電式の投光器を二台とヘッドライト一台の計三台。
    そして冒頭にも書きましたが、波の高さや風の強さを事前にしっかり調べておくこと。
    急に高波が来るのが三陸の海です。
    ルアー交換の際も絶対に海に背を向けないよう気をつけましょう。

    ロッドは開発中のソルティーステージプロトタイプシリーズの磯用プロト機種。
    今回モンスタークラスを釣ることで証明しましたが、磯ガチ勢は絶対これ!と言いきれるモデルです。
    まだ詳細は明かせませんが期待通りのものになっています。

    リールはRevoALXθ 3000MSH。
    スーパーファイヤーライン1号にバニッシュレボリューションの20LbをFGノットで組んだものを使用。
    パワーウィグラー4インチは必須です。

    ライトは3個持ちです。先日も磯へ向かいましたが波が高く竿を出さずに帰ってきました。
    引く勇気も時には大切です

    この釣りはもう少し検証が必要な釣りなので通ってみます。
    進展があればまた報告しますね。



    バークレイ
    ボリューム感と水押しがベストマッチ!色々なカラーで釣れているとのこと。


    バークレイ
    少し小さい3.5インチサイズのパールチャートカラー。


    AbuGarcia
    軽量化、防錆性も備えたスタンダードなレボスピニングリール。

    ◆記事に書けない裏話や質問への回答はweb版 無料メルマガ(毎月25日発行)で配信中!

    ※取材・テキスト/佐々木 健太郎(岩手県宮古市)
    ※取材協力/ピュア・フィッシング・ジャパン

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