マゴチは性転換する?大型のコチにメスが多い理由
宮城沿岸は堤防や砂浜からマゴチ、ヒラメのフラットフィッシュを狙える好釣り場の宝庫。特にマゴチは夏の産卵期前後に岸から良型を狙えるチャンスが多くなるため、フラットフィッシュファンに人気のターゲットになっている。
6~7月のシーズン中は当編集部でも宮城県北や仙台~宮城県南のサーフでマゴチ狙いの取材をすることが多くなるのだが、50~60cm超の大型は全てメスで、30cmくらいの小型はほぼオス。
「同じ産卵期でも50~60cmの大型と30cmくらいの小型が混在していて、タイミングによって30cmくらいのしか釣れないような時もあります。大型はお腹に卵を持ったメスばかりなので、マゴチは大きくなると性転換するんじゃないかと聞いたのですが、実際はどうなんですかね?」
と、質問をいただいたので調べてみた。
メスが大型化するのは子孫を多く残すための戦略
オスよりメスの方が大型化する魚種は多い。メスが大型化した方が、多くの卵(仔)を産むことができ、子孫が生き残る確率を上げることができるためだ。
例えばヤマメの降海型サクラマスの場合、6割以上約7割がメスで、オスのサクラマスは少ないことが知られている。メスが降海・回遊 大型化した方が多くの卵を残せるためで、河川に遡上した時に適当なオスのサクラマスが居ない場合はオスのヤマメとペアリングして産卵することもある。
大型化するとメスに性転換する魚種がいる
魚の中にはオスからメス、あるいはメスからオスに性転換するものがいて、大型化するとほとんどメスに性転換することで有名なのがクロダイ。ノッコミ期に釣れる大型のクロダイは腹パンパンのメスのことが多い。
マゴチは性転換してはいない
さて、マゴチの場合もクロダイと同様に40cmくらいでメスに性転換しているのか? 答えはNO。雌雄で成長曲線が異なりオスのサイズが中型くらいまでで、大型化するのはほとんどメスというのは確かなようだが、性転換する事実は確認されていない。
産卵期の盛期に大型がパタリと釣れなくなるのは、メスの卵が大きくなった影響などで捕食行動をしなくなったり、産卵行動のために付き場や行動パターンが変化することが理由にありそうだ。