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[連載]常笑upcoming fishing!☆第22回 防波堤チカ釣りガイド(2)ウキ釣り、ミャク釣り編

針生 秀一 2023年4月10日 更新

プレミアム連載:針生秀一さん 第22回 防波堤チカ釣りガイド(2)ウキ釣りとミャク釣りの極意
※この記事は2015年3月にプレミアムメルマガで配信したものです。
※堤防釣りは立ち入り禁止や駐車スペースに注意し、ルール、マナーを守って楽しみましょう!
[防波堤釣りのルール・マナー]

チカはサビキで釣る人の方が多いのですが、ウキ、ミャク釣りも趣あり面白いものです。手軽に繊細な釣り味を楽しめます。サビキに続いて、この釣り方をガイドしてみます。

【関連記事】サビキ釣り編はこちら

まずは道具から説明します。竿は2~3mの振り出し竿で、サビキ釣りで使った竿を流用できます。こだわればキリが無いですが、渓流、ヘラなど小物万能竿として手頃な価格のものでOK。低価格で自分好みなものを探すというB級グッズ探索も面白いのです。私は一時ハマった室内つり掘用、それに岸壁から遠くを釣るときには、柔軟で釣り味の良いハエ竿なども使っていますが、メインはコンパクトな2.1~3mの小継竿です。

ウキ、ミャク釣りタックル。

道糸は0.8~1号。ハリスとの結束は直結でも良いですが、自動ハリス止めを使うと手早くハリを交換できるので便利です。ハリは糸付きの袖、秋田狐、赤虫バリなどの2~3号を選びましょう。赤虫バリは金バリに朱留めで、これが抜群に効くときと全く見切られる両極があるので注意してください。

ウキの選択は浮力が少ない小さなものが良いです。ウキの浮力が大きいとチカの吸い込みに抵抗があり、感度も落ちて食い込み、掛かりが悪くなります。淡水のタナゴ用、トウガラシウキ、ヘラウキなどが良いでしょう。

私は三陸の渓流でやっているヤマメのウキ釣りで使われている、中通しカヤウキも使っています。これはミャク釣りでの目印のような使い方もできます。オモリはウキの浮力に合わせてガン玉、カミツブシ、板オモリで調節しましょう。

ハリは秋田狐、袖などの2~3号。糸付きで良いです。赤虫バリは金に朱留めで、これが効くときと見切られる両極があるので注意して使い分けましょう。
ウキは小さめで浮力が少ないものを選びましょう。ガン玉、板オモリで調整します。ハリス接続はハリス止めがオススメです。
三陸の渓流のヤマメ釣りで使われているカヤ浮き。これはシモリ感覚や、ミャク釣りの目印的に使えるので、チカ釣りにも愛用しています。宮古市のつり吉さんに作ってもらいました。バランスが抜群です。右側のナイロン18号をウキ止めに使います。

ウキ、ミャク釣りでもコマセを使います。冷凍イサダが定番です。粉末のオキアミや集魚剤(チカ専科、サビキパワーなどの粉末コマセ)でも良いですが、冷凍イサダなら、そのイサダ、つまりアミエビが付けエサに使えるのでオススメです。ほかにサンマ、イワシなどのミンチを使うマニアックな方もおります。コマセを入れるバケツにマキエのヒシャクが必需品です。

付けエサは別にオキアミパック(くわせアミエビなど)を用意しても構いません。ほかにミャク釣りではアカタン(赤く染めたイカ切り身)サバ皮、鳥皮などに、名人が使う牛タンの皮といったものまで実績があります。

あとはワカサギ釣りなどでおなじみベニサシ、ラビットでも良く釣れるときがあります。これはアミエビに比べてエサ持ち良く、ミャク釣りでも手返しが早くなります。慣れてきたら色々試してみましょう。

釣り場に着いたら、冷凍イサダをバケツに入れて海水を入れ、溶けてきた部分を削り混ぜます。ヒシャクで良いですが、コマセカッターがあると便利です。このバケツの水をコマセに使います。コマセ剤を溶かしてマキエを作るのも良いです。

まず漁港内でポイントを探します。これは前回のサビキと同じ要領です。キラリと光るチカを見つけたら、釣り座の前に集中して撒いて寄せます。

こんなところが狙い目です。風があるときは、避けられる漁港のコーナー、船の間が良いポイントです。
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付けエサは小さく、コマセから取ったアミエビなら1~2匹をチョン掛けに刺します。オキアミもハリが隠れる程度に切って刺します。アカタンは3mm角程度、魚皮なら幅5mm長さ1cmくらいに小さくカットします。

ウキ下はハリまで30~50cmくらいにして投入します。ウキにアタリが出たらピッとアワせてどんどん釣ってください。釣れ始めたらコマセはうすく、溶いた水だけにします。濃いまま撒くと飽食で食いつきが悪くなるのはサビキ釣りと同じです。

食い上げる、横に走る、ウキが立つ前に食っている。このようなときはウキ下を上げていきます。ウキにアタリが出ない、変化が小さいときはハリスを短くしてみましょう。標準20cmを10cm、そして5cmまで詰めて食い込みを探ります。

短くして見切られてしまうようなときは、上下して誘う、または振り込み直してコマセに同調させるといった釣り方を試します。ハリスに小さいジンタンくらいのガン玉を打つのも打開策ですが、この打ち方にも難しいところがあります。

そこで効くのがミャク釣りです。渓流釣りの目印などを使って見釣りをするのです。そのままウキを目印がわりにすると重みで仕掛けが張り、振り込みやすいですね。このときはハリスを30cmくらいにするのが有効です。

釣り方はコマセを撒いてチカが寄ってくる進行方向に振り込み、同調して捕食した瞬間に合わせ、掛けにいきます。斜め横方向に引いて誘います。竿下に戻っても食いつかないときは、2~3回くらい上下して誘ってみます。これで反応しないときは、すぐに回収してコマセを打って振り込み直しましょう。

竿先や目印の変化に合わせても良いですが、視認で食いついた瞬間に合わせられるようになると、格段に釣果が伸びます。この名人クラスの方に、一日1000匹を記録した話を聞きました。私も半日で300匹をミャク釣りで釣ったことがあります。見釣りには偏光グラスが必需品ですね。

チカはから揚げ、フライで美味しく食べられます。沢山釣ったら濃い目の食塩水につけてから干し網に並べて寒風で干し、これをあぶり焼きでつまむのも良いものです。ぜひ楽しんでください。

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PROFILE:針生 秀一

船釣りを中心に、防波堤や河川の小物釣りなど、なんでもこなすオールラウンダー釣り師。全国各地の釣りと釣り具の知識が豊富で、釣りの生き字引的存在。泉区のロックバーラグ(Rag)オーナー。シマノフィールドモニター

※取材テキスト・写真提供/針生秀一

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