岩手県吉浜湾ヤリイカメタルの基本テクニック
三陸名物の夜イカ船は冬のヤリイカシーズンが盛期を迎えている。ヤリイカ狙いのイカメタルの基本を、釜石・つり具オヤマの小山哲平さんが解説!
※2022年12月実釣。
秋~冬のヤリイカシーズンは後半戦へ
夏スルメに続いて10月にはヤリイカの釣果が聞こえはじめ本格シーズンを迎えている。今回お世話になった吉浜湾根白漁港より出船する喜福丸さんも2022年シーズン、6月下旬より初夏のムギイカ(スルメイカ)がスタート。そして秋から初冬になった10月下旬よりヤリイカが本格始動した。当初は、やや小ぶりながらも月日が経つにつれサイズもアップ。12月に入るとパラソル級も混じるようになり釣況は上向き傾向との朗報を聞きつけ12月初旬、当メディアでもお馴染みの釜石市の釣具店「つり具オヤマ」の小山哲平さんにも駆けつけていただき、ベーシックな釣り方をお聞きしながら実釣。その時の模様をお届けします。
当日はシケ後、久しぶりの出船。前日までは強風、高波にウネリとタフさ勢揃いの状況だっただけに、どれだけ回復しているのかが懸念された。直近の釣況も連日の荒天で出船中止が続き前情報もない中での実釣となった。
小山哲平さんのヤリイカテクニック基本編
攻撃的なスルメイカとは異なり、ボトムを中心に繊細なアタリを取りながら数を上げていくヤリイカメタル釣法。この時期のイカメタル釣法はとてもテクニカル。その時の潮や時間帯によって変化する活性に合わせてアクションやフォールを組み合わせていく。釣り方がマッチしなければ釣果を左右することも。ちなみに今季イカメタルデビューした記者も、そのパターンを読むことが出来ずに苦戦を強いられている状況だった。
そんな中、哲平さんには今回、いろいろなパターンによるヤリイカ釣法がある中でセオリー通りの誘い方を教えてもらった。
いろいろなテクニックがある中、重要と思う点を挙げていただくと、「確かにいろいろあると思うんですが、基本中の基本にはなりますが、テンションフォールでアタリを取ることと、メタル(鉛スッテ)はその時の状況にもよりますが可能な限り軽量な物を使用することですね」とアドバイスいただいた。
テンションフォールとは、ラインを張った状態で仕掛け(鉛スッテ)を落とすテクニック。イカはフォール中に反応がしやすいので、その時に手元にフワっときたり、ツンっと竿先が動いたりと、少しでも目感度や手感度に違和感があったら迷わず即アワセする。ラインが張っている分、竿先やラインにすかさず変化をもたらしてくれるのでアタリが分かりやすい。
メタル(鉛スッテ)を軽くする利点は繊細なヤリイカのアタリをより一層捉えやすくなること。吉浜湾のヤリイカメタルは比較的浅場での釣りになることから10~15号を使用することが多い。当日の哲平さんもスタートフィッシングは15号から。潮が緩くなり始めた中盤には12号、そして最終的には10号を使用し釣果を伸ばしていた。もちろん地域やその日の状況により誘いやアピールは変わってくるので、号数は船長の指示に従いつつ、周囲とトラブルにならないよう対応するのがベターだ。
ヤリイカの活性が上がる時間もありヤリイカメタルを堪能!
釣果はプチラッシュがあったり沈黙があったりと全般的にコンスタントに釣れ続いていた。中には40cm後半のパラソル級のヤリイカをはじめ良型が多数見られた他、冬至スルメの大型スルメイカも姿を見せ始めていた。
喜福丸の吉田船長に今期のヤリイカシーズンをお聞きしたところ「釣況にもよりますが年明け1月中旬頃まで狙います」とイカ釣りファンにとっては嬉しい返答だった。
12月も下旬に差し掛かり中盤から終盤戦へ突入した三陸沿岸の夜イカ釣り。今後は、さらにサイズアップしたパラソル級のヤリイカや、ビール瓶級のスルメイカも有望、期待は大きい。年明け以降も三陸イカシーズンはまだまだ続く。
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