仙台湾マダラは浅場の荒食いモードへ!
成熟した大型のマダラが産卵場所へ接岸する季節になった。白子や真タラ子は徐々に抜け始めるが、浅場で良型を狙え、産卵後の荒食いに入って釣りやすくなる。これからタラジギングを覚えるのにもちょうどいいシーズンだ。
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産卵前後のマダラを共に狙える季節
仙台湾のマダラの産卵期は、だいたい1月下旬から2月一杯くらいまで。それまで、金華山沖の水深200m前後の深場で釣れていたものが、産卵を終えると、水深80~160mのエリアに集まってくる。100mを切るようになると比較的ライトな道具立てでも楽しめて、ゲーム性もUP。例年、5月、6月くらいまでは浅場でマダラを狙うことができる。
産卵後のマダラは荒食いに入るため、活性が高く、産卵前に比べると大分釣りやすい。ポイントの水深が浅いので引きもよく、これからマダラジギングを始める人には最高の季節。白子(キク)が抜けた後では…と思うかもしれないが、成熟には個体差が大きく、2月半ばくらいまでは産卵前と産卵後の個体が混合で釣れる。高活性な荒食い個体を狙いつつ、遅れてきた白子・真ダラ子にも期待が持てるのだ。
1月9日の釣行時は水深200m前後の深場のポイントを攻め、良型中心に船中64匹の釣果だった。丹野Jr.が船宿記録の16kgをキャッチするなど絶好調!天候が不安定なため出船機会は限られてしまうが、魚影は濃く、産卵後もかなり期待できそうだ。
重めのジグでしっかり底を取る!
基本的な釣り方は過去の釣行記でも何度か取り上げてきているので割愛するが、浅場とはいえ水深100m前後はあるタラジギでは、ボトムを常にしっかり取れるウエイト(と形状)のジグを使うことがキモになる。特に2枚潮の条件下で釣り座が埋まったときなどは、オマツリに注意が必要。
「以前、2枚潮がひどくて釣りにくいときに500gから600gにチェンジしたんですけど、ライン量で計測して4~5mくらいは糸フケの出かたが違っていました。仙台湾のマダラ釣り場にはピンポイントを攻めないとダメな場所も多く、船長の指示に合わせて、出来る限り正確にジグを落とせた方が有利です。また、水深があって、投入回数も限られる中では、オマツリや根掛かりなどのトラブルによるロスが非常に痛いので、重めの道具でしっかり底を取って釣るのが釣果アップの秘訣だと思います」
このトラブルを防ぐという点からすると、自分だけ底を取れれば良いというのではなく、船長の指示に従い、同船者同士で釣り方を揃えることも大切だ。ジグの重さは、金華山沖の深場であれば500~600g、浅場では水深に合わせて300~500gくらいまでのサイズを使用する。ただし、浅場で釣り始めて食いの悪いときなど、急遽、深場へと移動することもあるので、タイプや重さは幅広く用意しておきたい。
ところで、1月9日に丹野Jr.が海友丸の船宿記録を更新する16kgの大物を釣り上げた。タラが大型になればなるほど、水圧の変化で浮力が生じやすくなり、苦しんだタラはより激しく暴れるようになる。さらにジグの重さがかかり、ウネリに伴う上下動が生じることで、かなりバレやすくなるのだが、このときは電動リールの巻き上げスピードに注意して、丁寧にやりとりしたのがよかったようだ。丹野さんは息子さんに、糸をしっかりサミングしながら正確に底を取り、常にボトムを意識しながら、コンパクトでメリハリのあるジャークで誘い続けるように指示。また、魚がアタったらしっかりとアワせてフッキング、ウネリなどでラインが緩まないように、電動リールのスピードをコントロールするよう教えていたそうだ。
大きなタラを釣り上げたら、食べる方も大きな楽しみ。運よく産卵前の魚が釣れれば白子や真ダラ子に期待できるし、釣りたての新鮮な身は売っているものとは一味違う。「かなり淡泊な魚なので、新鮮なシャキシャキの身をコブ締めにして食べると最高です。天ぷら、フライなど揚げ物もいいですし、焼き物類も味噌漬けや粕漬けにすれば、保存が効いて長く楽しめます。鍋物は水炊き、チゲ鍋、何でもイケますが、最近のお気に入りは…ブツ切りを味噌で仕立てたザッパ汁風ですね」
使用ジグ:コモジグ600マグナム MTFオリジナル・活イカレッドゴールド(KOMO)
使用フック:レンジフック東北ジギング5/0(M.TANNO FACTORY)
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菊田釣センター仙台店で店長を務めるオフショアのエキスパート。定休日の水曜日と週末の日曜日はお客さんとの釣行にあてることが多く、メインフィールドの仙台湾のほか、日本海や津軽海峡など東北各地に足を延ばしている
※取材・解説/丹野正文
※取材協力/
第一海友丸(宮城・塩釜まがき港)TEL:022-365-7589、
菊田釣センター仙台店(宮城・仙台市)TEL:022-285-9576
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