威力抜群‼活きエサ泳がせ釣りで大物根魚&ヒラメ連発!
岸壁のサビキ釣りで簡単に釣れるイワシや小アジ。釣った小魚類をエサにして大物を狙う、泳がせ釣り(投げ釣り)のテクニックを東海林誠さんが解説!
(2023年1月掲載)
※堤防釣りは工事中や立入禁止の場所に注意し、ルール、マナーを守って楽しみましょう。
【釣りのルール、マナーについて】
皆さんこんにちは。仙台広瀬キャスターズ所属の東海林です。本年もどうぞ宜しくお願い致します。
今回は、ファミリーでも楽しめ、ついでに大物も釣れちゃう?という『泳がせ釣り』について解説してみたいと思います❗
釣ったイワシや小アジを餌にヒラメを狙ってみることに
皆さんもご存じかと思いますが、投げ釣りで一般的に『泳がせ釣り』と呼ばれるのは、釣れた小魚を針に付け、活魚の状態でキャストし、それらを捕食する大型魚を狙うというもの❗
近年、海水温上昇とともに、宮城県でもフグやチャリコ(マダイの幼魚)といった厄介なエサ盗りが激増💧
以前は、春&秋のカレイシーズン中にたまに釣れてくる印象でしたが、ここ数年は、厳冬期でもフグの猛攻で全く釣りにならないケースを多数経験。まさにフグに餌付けをしている印象です。
昨年後半、その日もフグが入れ掛かりで、青イソメでは全く釣りにならなかったのですが、頻繁に回遊してくる大量のカタクチ&マイワシらしき群れを発見❗これをエサにしたら、さすがにフグの猛攻をかわせるんじゃないかと考え、次回はサビキ仕掛けで釣った小魚をエサに、久々に『泳がせ釣り』でヒラメを狙ってみようかと立案。
ところが数日後、仕事中に左手親指を負傷してしまい病院へ💦完治するまでしばらく釣休のつもりが、次男の熱烈!? なラブコールにより、仕事用のゴム手袋装着&サビキ仕掛け持参で、朝食後に準備を開始し急遽出撃することに💦
いつもお世話になっている『つりえさ倶楽部マリン 仙台新港店』に寄り、コマセ用のアミブロックを1kg(500円)と、予備に青イソメを1,000円分購入し、昼過ぎに釣り場に到着。まずはアミブロックに海水を少量混ぜて、砕いて溶かしながらヒシャクで散布。
左手親指のケガのため、ラインを結ぶのも大変な状況でしたが、何とか次男の短竿にサビキ仕掛けをセット。続けて、泳がせ用の投げ釣り仕掛けをセットし準備万端❗
とりあえず、エサになる小魚が釣れるまでは青イソメを付けてキャストし、イワシ等が釣れ次第、泳がせ釣りのスタートとなります❗
この日もやっぱりフグが沸いていて、青イソメを房掛けにした竿を回収してみると、わずか10分ほどで完食。
案の定、ほとんど釣りになりません💧しかも困ったことに、コマセに寄ってくるのは5cmくらいの豆フグばかりで、30分経過してもカタクチイワシどころか、タナゴや他の小魚すら全く寄ってきません…。
コマセも半分以下に減り、さすがにかなり焦りましたが、1時間くらい経過したあたりから魚影が見え始め、ようやく釣れたのは、泳がせ釣りに最適な12cmくらいの小アジ!この時期にまだアジが釣れるのも、温暖化の恩恵と言ったところでしょうか⁉
早速、泳がせ用の針に掛けて投入~
堤防泳がせ釣りのタックル等を紹介
今回使用したタックルについて簡単に説明すると…
オモリ負荷30号の投げ竿に、ドラグ機能付きの投げ専リール。道糸は、普段から愛用しているナイロンラインの『アトミックスライダー(オレンジ)/爆釣夢追人』で、遠投用に3号(+4~12号力糸)&近投根周り用に7号を使用。
※視認性に優れ、抜群の強度と適度な伸びにより大型魚が来ても安心です。
25~30号のL型遊動テンビン+モトス8号で全長1.5mくらいの1本針仕掛けを自作し、針は『シーフォースエボルヴ/まるふじ』18号1択❗
道糸との結び目に5号くらいの小さめのパワースイベルと、砂ズリ部分は、長さ50cmほどの2本ヨリに仕上げ、針のチモトは念のため瞬間接着剤で補強❗
エサが大きい場合は、段差式の『孫針仕掛け』も有効ですが、エサの動きが不自然になるのと、エサへのダメージが大きくなるのが難点。
大型魚が掛かった場合を想定して、タモ網も用意しておくと良いですね‼
三脚は1番低く構え、リールのドラグをゆるゆるにし、ラインはピンと張らずにやや緩めた状態で竿を2~3本並べてアタリを待ち、根掛かりが少なければ時々ドラグを締めてリールを巻き、誘いをかけるのも有効。
泳がせ投げ釣りのアワセのタイミング
泳がせ釣りでは、食い込み重視のため基本的に早合わせは禁物で、飲ませて釣るイメージなのですが、ポイントによっては、根に潜られたり、掛かった魚が違和感を感じてエサを吐き出す場合もあるため、前述とは正反対に、ドラグが勢い良く鳴ったら、瞬時にドラグを締めて強くアワセを入れるのが有効な場合もあります。
前述の通り、仕掛けの長さについては全長1.5mを基本にしていて、短かすぎると食い込みが極端に悪く、逆に長すぎると投げづらい上に、仕掛け絡みが発生しやすくなります。モトスにナイロンライン素材を使用すると格段に食い込みが良くなりますが、糸グセが付きやすいのと、絡みやすいのが難点。フロロカーボン素材だと、コシがあって遠投に向いていますが、食い込みがやや劣る印象ですね。
針を刺す場所は、鼻穴もしくは口内から上あごに抜くとダメージも少なく、針掛かりも良好。他に『背掛け』も試してみましたが、キャスト時に空中で回転し、仕掛け絡みの頻度が増しました。なるべく活きの良い状態をキープしたいので、フルキャストは避け、普段の50~70%くらいの力で優しく投げるイメージで。また、ライナー気味に投げてしまうと、ほぼ毎回、空中でエサが道糸側に絡んでしまうので、45度よりやや上空に投げるように心掛けます。
夕方のマヅメ時に60cm巨大アイナメが登場
さて実釣の話に戻りますが、この日、エサのアジが釣れて実質的な泳がせ釣りのスタートはPM1:30頃から。
投入から15分くらいで一度回収してみると、エサのアジは元気な状態で帰還。やはりフグの猛攻にも強い印象です。
その後、エサになるアジはポツポツ釣れ続き、定期的に活きの良いエサに交換しながら投入するも、しばらくは何事もなく経過し、夕方近くになった頃、ドラグが悲鳴を上げる強烈なアタリ襲来❗強くアワセを入れリールを巻くとかなりの重量感で、足下まで全く浮いてこなかったので、てっきりヒラメかエイでも掛かったのかと⁉
すると、水面に姿を現したのは、何と、超~巨大なアイナメ‼水面で激しく暴れ、あいにくタモ網を持参していなかったため3分くらい空気を吸わせて、だいぶおとなしくなったタイミングで慎重に抜き上げ❗
まるで、タラのように極太で、スケールをあててみると60cmジャスト♪
※重量は2.7kgもありました‼
太りすぎのせいか、アイナメ特有の首振りが一切無かったのが意外な印象でした。
この日はこの1匹だけで終了しましたが、次戦は青イソメは購入せず、アミブロックだけ購入して朝イチから出撃してみる事に。
2回目の釣行で本命のヒラメを狙い通りにキャッチ!
3週間後に再訪し、夜明けと共にコマセを撒いてサビキ釣りを開始するも、やはり小魚の群れはなかなか現れず、40分くらい経過してからようやくアジが釣れ始まり、その後、前回は1匹も釣れなかった15cmくらいのマイワシもポツポツ掛かってきて、早速、泳がせ釣りのスタート。
しかし、期待とは裏腹に、午前中は全くアタリが出ず、それでも辛抱して待ち続けていると、PM2:00過ぎ、ドラグが鳴る明快なアタリ到来❗
次男がリールを巻くと、前回と同じように首振りは無く、上がってきたのはまずまずのヒラメ♪12月に入ってヒラメが釣れるのも、高水温の恩恵ですかね‼
その後、ドラグがもの凄い勢いで鳴り、相当道糸を引き出される強烈なアタリ襲来❗かなり走り回るので、青物じゃないかと思いながら慎重にリールを巻いてきたら、やはり良型のイナダ(ブリの若魚)でした‼ 12月後半にイナダとは、これも高水温の恩恵なんでしょうね❗
その後、ヒラメをもう1枚と、夕まずめに50cmオーバーのアイナメを2匹捕獲♪さらに、日没後には良型のクロソイとガンギエイも!イナダやヒラメやソイが小魚類を捕食しているのは理解できますが、アイナメも大型になると、日常的に捕食しているんでしょうね‼
当たりハズレはもちろんあるが、サビキ釣りついでに狙ってみるのも面白い
翌週はポイントを変え、過去に大型ヒラメを釣った実績ポイントへ出撃。この日も1時間近くエサになる小魚が釣れず、小アジが釣れても泳がせ仕掛けにはしばらくアタリがありませんでしたが、昼過ぎにドラグが鳴り、何とか1枚、50cmオーバーのヒラメを捕獲❗
昨年は、息子たちが夏休みの時にマイワシと小サバが入れ掛かりだったので、今年は夏場から本格的に泳がせ釣りで狙ってみようと思います❗
※翌週も再出撃してみましたが、漁港内外に『鵜』が大量に襲来したためか、終日、エサになる小魚が全く釣れず、せめてタナゴでも良いから掛からないかと頑張ってみるも、朝イチから夕方までサビキには一切何にも釣れず大惨敗を喫しました💧
アジやイワシ類も回遊魚ですので、こればっかりは運の要素も大きいですね💦
※今回紹介したいずれの魚種も、専用のルアーロッド&メタルジグやワームで本格的に狙えば高確率で釣れるとは思いますが、ファミリーフィッシングに於いては、ルアーロッドを何時間も振り続けるのもなかなか限界が…。まずは子供達にサビキ釣りを楽しんでもらいつつ、一発大物に期待したいですね❗
【東海林誠さんの関連釣行記】
連載:東海林誠の東北投げ釣り徹底ガイド
2010年:陸から60イシ!投げカレイ大物獲りの心得
2013年:仙台周辺サーフのヒラメ93cm!
2017年:宮城の投げ釣りで60cmホシガレイ&夜アイナメ・マダラ有望
2017年:山形マダイ投げ釣り 堤防の夜釣りで90cm大真鯛撃破!
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家業である米穀店の仕事の合間にせっせと釣り場に通う、投げ釣りマスター。最近はもっぱら子連れ釣行中心。北は青森から南は九州四国まで、大物にかける情熱が足を釣り場に向かわせる。仙台広瀬キャスターズ所属
※取材・テキスト/東海林 誠