釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

大物狙える「新地町海釣り公園」施設&釣り方をガイド

編集部 2023年10月23日 更新

2023年8月、福島県の「新地町海釣り公園」を取材してきた。ここは火力発電所の温海水の恩恵により、様々な魚種の大物を狙える釣り場ながら、流れが強く釣り方にちょっとコツが必要。というわけで、当メディア協力アングラー陣が集まり、ルアー、エサ釣りの様々な釣法で攻略して釣り方を解説!釣りをした後は「釣師防災緑地公園・BBQサイト」に釣果を持ち込み、バーベキューも楽しんだ。




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新地町海釣り公園施設をご紹介

福島県浜通り最北の街である新地町、相馬港5号ふ頭の防波堤上に管理棟と釣り用デッキが整備された「新地町海釣り公園」。釣りデッキの足下から火力発電所からの温海水が出ているので、冬でも水温が高く、年間を通して様々なターゲットを狙える釣り公園になっている。

こちらの釣り公園は2011年東日本大震災で大きな被害を受けた後、2019年4月にリニューアルオープン。しかし、2021年、2022年の度重なる福島県沖地震により再び被害を受け、復旧工事を進めて今年の4月に再オープンを迎えた。

釣り場は全41区画に分けられており、予約時に区画を選んで竿を出す(空きがあれば1回のみ場所変更可能)
デッキは柵で囲まれていて、水場なども整備されているためファミリーフィッシングも可能


管理棟に近い方の1~10番付近から流れが激しくなって温海水が流れ出し、1~20番付近までは渦潮のような流れが発生している
21~41番区画あたりになると流れが少し穏やかに(それでも流されるので注意は必要)。場所による違いがあるので、釣法や狙う魚種による区画選びも重要なポイントになる

魚が集まるポイントを作ってくれる温海水ではあるが、この流れを攻略することが、釣果を上げる上で重要。竿は1人1本まで、オモリは25号(約90g)までと決まっているので、ある程度のウエイトを積めるロッドがあった方が良い。常連さんの中には、ルアー系の釣りでも25号まで背負えるように投げ竿を使用する人などもいるようだ。

【新地町海釣り公園施設をご紹介】
釣り施設は午前、午後の半日入れ替え制で、料金は大人(高校生以上)1人1,200円、小中学生1人700円(小学4年生以上のみ入園可能)。利用は完全予約制ながら、当日空きがある場合は予約なしでも利用可能。
■管理棟TEL:0244-62-5559

管理棟では受付、誓約書記入のほか、ちょっとしたエサや仕掛けにアイスなども購入できる
レンタルタックルも用意してあるので、釣り具を持っていない方も釣りを楽しむことが可能(予約制、大人数の場合は相談)
「新地町海釣り公園オリジナル仕掛け」(ハヤブサ)
ハヤブサ製のオリジナル仕掛け。高い足場からの抜き上げにも対応する十分な太さを採用


非常に足場が高く、通常のタモ網は対応できないため、落としダモとロングタモ網が釣り場に配置されている

【シーズン毎の主な釣り物】
■春(3〜5月)
メバル、カレイ、イシダイ、アイナメ
■夏(6〜8月)
クロダイ、カンパチ、イナダ、ヒラマサ、ヒラメ、スズキ、サバ
■秋(9〜11月)
カンパチ、イナダ、アイナメ、タコ、メジナ、メバル
■冬(12〜2月)
カレイ、アイナメ、クロダイ

【ルール、注意事項】
※メタルジグは使用禁止(ジグヘッド&ワームやタイラバ、バイブレーションなどはOK)
※一人竿1本まで。
※オモリ25号(約90g)まで。
※その他、詳細はホームページ、管理棟に確認を。

釣りTiki東北協力アングラー陣が集結!

今回は釣り場の攻略法を紹介するため、釣りTiki東北協力アングラー陣にお集まりいただいた。皆さんここは初めてか2回目の方ばかり。ルアー、ウキフカセ釣り、活き餌泳がせ釣り、それぞれの得意分野の釣法で挑戦した。

【実釣メンバー紹介】
・千葉めぐみさん(釣りTiki東北イメージキャラクター)ルアーとサビキ釣りを担当
・みなせちわ さん(ハピソンガール)ルアー担当
・遠藤久美さん(フィッシュアローフィールドスタッフ)ルアーを担当
・尾形慶紀さん(ハピソン、ベイトブレス、サンラインフィールドスタッフ、Groovy船長)ルアー担当
・鈴木貴博さん(オーシャンルーラー、バリバスフィールドスタッフ)ルアー担当
・亥飼真司さん(バリバスフィールドスタッフ)ウキフカセ釣り
・つりえさ倶楽部マリン卸部・丹野社長:銀兵泳がせ釣り担当
・つりえさ倶楽部マリン卸部広報・小山さん:銀兵泳がせ釣り担当
・鎌田さん(当社スタッフ)ルアー、エサ全般お手伝い担当
さっそく準備して釣り開始

夏から秋は青物系の回遊魚が期待大!ショゴ(カンパチ)の狙い方

取材した頃に最もよく釣れていたのが、ショゴ(~40cm)やシオゴ(40cm~)と呼ばれるカンパチの若魚。回遊魚なので釣果に日ムラはあるが、1日で409匹も爆釣した日もあった。

釣り方はワインドなどルアー系やオリジナル仕掛けのエサ釣りどちらもOK。最初、常連のアングラーさんが見事にカンパチを釣り上げてくれたので、参考にさせていただいた。釣り方はワインド釣法で、流れが強いため42~56gのウエイトを用意しているとのこと。しっかりボトムを取ってから、ダートさせると流れの影響で浮いてくるので、そこで食わせるようなイメージだ。

すぐ隣の区画の常連さんがカンパチを釣り上げた。釣り方は56gのワインド釣法
ルアーチームは13~20番付近の流れのあるゾーンで青物を狙った


最初に来たのはくみちゃん。マズマズのサイズの青物がヒット!
公園スタッフの目黒さんが丁度近くを巡回中で、落としダモを入れてくれた。この足場の高さのため、取り込みも一苦労


あと少しだけ‥タモに入りかけたところで流れに流されてバラしてしまった。このように足場が高いうえに流れも速いので、慣れないと取り込むのも大変なのだ


続いてタカさんもマズマズサイズのカンパチを掛けたが、抜き上げ時に柵に当たってバラしてしまった


新地町の洗礼を受けガッカリ・・肩を落としてしまうお2人。でも、またすぐにショゴは回ってくるはず!

ショゴは群れで回遊しているようで、だれかに1尾釣れると周りも連発することが多かった。常連さんによると「青物はいつもだと午前中の10時過ぎくらいまでが調子良いことが多いです」とのことで、実釣終了まで期待できそう。

カンパチは群れによりショゴサイズ、シオゴサイズがいて、小さめのショゴを捕食する60~70cmのヒラマサや80cmオーバーのブリなども回遊しているので侮れない。

タカさんはさきほどのバラシから10分もしない間にカンパチキャッチ!「クレイジグレンジキープVR」(オーシャンルーラー)の21g使用
くみちゃんはカンパチではなく、アオッコ級のワカシをキャッチ!使用リグはフィッシュアロー「フラッシュ バイブ ヘッド21g


ヒラメキャッチシーンの動画

活き餌・銀兵の泳がせ釣りでヒラメをキャッチ!

つりえさ倶楽部マリン卸部の丹野社長と広報小山さんは活きエサ「銀平(ぎんぺい)」を使用し、泳がせ釣りに挑戦。ふだん、船釣りでヒラメを狙っているということで、今回は船用タックルをそのまま使用(オモリのみ25号に変更)して足下を泳がせ釣りで狙ってみた。


つりえさマリン丹野社長は船の泳がせ釣りと同様のタックル、活き餌用胴突き仕掛けを使用。ライトに攻められるようヒラメ用ではなくイカメタル用のロッドを選択
お魚柄のハットがお茶目な広報小山さん


丹野社長は銀兵の泳がせ釣りでヒラメキャッチ!


船釣りでも良型といえる約60cmのヒラメ。こんな魚が釣り公園のデッキから狙えてしまう


この日は12cmくらいのサイズの銀兵を使った。取り扱い釣具店も増えていて、つりえさ倶楽部マリン仙台新港店のほか、相馬周辺ではつりえさ豊漁、まつかわ釣具店、トビヌケ釣具店などでも手に入れることができる
血抜きは決められた水場で。しっかり血抜きをして、クーラーボックスで持ち帰った

自販機、水場など設備も充実!暑さ対策は万全に

釣りデッキには水道も完備されており、汚れた手を洗ったりできて大変便利。取材日はまだまだ残暑が厳しかったので、水道で冷感タオルを冷やしたりして、暑さをしのぎながらの釣りになった。

こまめに休憩、水分補給を行いながらの実釣
デッキ上に自動販売機があり、冷たい飲み物を購入することもできる


尾形さんはハピソンの「釣り用風神服」を着用。小型ファンで外気を取り入れ、体の表面に風を流し汗を気化させるので涼しくて快適!

ソフトルアーでロック&フラットフィッシュ狙い!

ジグヘッドリグ&ワームで手前側を探っていた尾形さんはマゴチを釣り上げた。20番より番手の大きい区画の付近は手前側に砂が堆積しているようで、流れの渦に飲まれるギリギリ位の所から沈めて、砂地周辺を探って尾形さんはマゴチを連続キャッチ!

ハピソンガールちわちゃんとハピソンプロスタッフ尾形さんのコンビ


尾形さんは30~35番周辺の区画でマゴチをキャッチ
ヒットルアーはベイトブレスの「TTシャッド」。エサ盗りのフグが多い状況でも耐久性があり、ロック、フラットへのアピール力にも優れたモデル
最初、青物を狙っていた千葉めぐみさんもマゴチ狙いにチェンジすると・・
見事に良型のマゴチを釣り上げた


めぐみさんがコチをお刺身にしたいと言うと、すかさず尾形さんが津本式の「計測マルチハサミ」で脳締め&血抜き。このあと氷締めにして持ち帰った。水場があるととっても便利なのだ

ルアーチームは流れの強い13~15番付近で流れの中を攻めると青物、流れが少し緩い20~30番付近でコチという釣果。1~15番くらいまでは根が多く、20番以降は砂地が多い地形になっているそうで、足下付近の基礎や点在する根を探るとアイナメ、ソイなどの根魚を狙うこともできる。水温が高いためか、7月末には40cmのキジハタなども釣れているそうだ。

ウキフカセ釣りには小型のシマアジが連釣

磯釣りの名手である亥飼さんはウキフカセ釣りでクロダイなどのタイ類を狙ったものの、潮に流されるためコマセを底まで効かせるのが難しい状況。管理人さんによるとクロダイやイシダイは重めの仕掛けを使用し、足下を探って釣っているようだった。

そこで亥飼さんは狙いを変更し、コマセでエサ盗りのフグを浮かせ、下にいる青物に食わせる作戦にチェンジ。この狙いが的中し、ショゴに続いてシマアジを連釣!連日の釣果をみてもシマアジを釣っている人はほとんどおらず、亥飼さんのテクニックがあっての釣果だった。


ポイントの状況を判断し、ショゴ(カンパチ)を釣り上げた亥飼さん


魚を集め、フグを分離しながらシマアジをコンスタントにヒットさせた。焼き魚が美味しいはずなので、この後のバーベキュー用に持ち帰ることに


お手伝い兼、釣果確保要員として参加した鎌田スタッフは、最後に銀兵の泳がせ釣りでマゴチを釣り上げた。タックルは持参のショアジギ用。直前までルアーで釣っていたが、「活きエサはやっぱりスゴいっすね~」銀兵の威力に感心しきり
当初の予定通りに10時半頃で実釣終了。釣りの後のお楽しみバーベキュー場へ向かった

釣り公園から車で約5分「釣師防災緑地公園」

釣り公園から少し北上し、キャンプ、バーベキュー施設を併設した「釣師防災緑地公園」へ移動してきた。ここは東日本大震災で甚大な被害を受けた釣師地区に減災、交流促進、震災アーカイブをテーマに整備された公園で、子供から大人まで楽しめる新地町を代表するアウトドア施設。

海を望む、緑に囲まれた空間には子供たちに人気の遊具がたくさんあるので、公園で楽しく遊ぶことが出来、展示施設のあるパークセンター(管理棟)でドリンクなど購入して休憩することもできる。キャンプ、バーベキューの受け付けやレンタルなどはこちらの管理棟で。


パークセンター(管理棟)


センター内で震災アーカイブと減災のための展示をみることができる


子供たちと遊ぶこともできる緑地公園。センター内の「LEMONADE STAND」で購入できるオリジナルドリンクもおすすめ!


震災モニュメントの鐘のある場所は少し高台になっていて、町のシンボル鹿狼山や太平洋を一望できる

釣った魚を持ち込んでバーベキュー!

パークセンターでバーベキューセットをレンタルし、すぐ近くの釣師防災緑地公園BBQサイトへやってきた一行。ここにはオートキャンプ場も併設してあり、宿泊キャンプも可能。付近のサーフなどで釣りをした後にも利用できる注目のスポットだ。


パークセンターで受け付けを行い、あらかじめ予約していたバーベキューセットを受け取った
センターには貸出品としてベンチ、テーブル、イス、焚火台、調理器具、クーラーボックス、ハンモック等をレンタルでき、その他にも炭、薪(広葉樹針葉樹)、着火剤、着火ライター、電池、軍手、ガス、インスタントグリル、網鉄板セット、ブルーシート、使い捨て容器も販売。手ぶらで来てもバッチリ!


オートキャンプサイト。電源あり区画と電源無しを選べる
水場で持ち込んだ食材を下処理、シマアジやアオッコはマルチハサミで捌いた
釣った魚やお肉を焼き焼き

ハピソンのマルチハサミがここでも大活躍
自分で釣ったお魚を持ち込んで食べられる、最高のひととき
自然いっぱいの空間で夏の終わりを満喫した

海釣り公園での釣りチャレンジから、釣魚を釣師防災緑地公園に持ち込んでのバーベキューと、この場所ならではのフレッシュな体験を満喫。「新地町海釣り公園」とBBQサイトのある「釣師防災緑地公園」、これから釣りを始めてみたい、BBQをやってみたいという方々にも充分対応できる魅力的な施設だった。

2023年9月1日~11月30日まで新地町海釣り公園釣り大会開催中!

「新地町海釣り公園」では11月30日まで無料で参加できる釣り大会を実施中だ。エントリーはinstagramから、毎月の大物賞とベストショット賞に3か月間で一番の大物を釣った方にはMVP賞も用意されているので、こちらの釣行記なども参考にして釣り公園に潜む大物を狙ってみてはいかがでしょう。

【参加条件】海釣り公園利用の方に限り(小学4年生以上)誰でも何度でも大会期間中はエントリー可能
【参加費】無料
[釣り大会公式ページはこちら]

この機会に釣り公園と緑地公園に足を運んで、魅力溢れるの新地町を存分に満喫してみていただきたい。

◆記事に書けない裏話や質問への回答は無料メルマガ(毎月25日発行)で配信中!


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