極寒の夜がアツい!冬の投げアイナメ
水温の低下とともに魚の活性が下がると、陸っぱりの釣り物は軒並み厳しくなってくるが、そんな冬場こそ面白いのが、猛烈な冷え込みに耐えながらの夜の投げ釣りだ。常夜灯の周りは豊富なエサを求めて根魚、カレイが集まる絶好のポイント。特に夜灯付きの小漁港が点在する、宮城の牡鹿半島から岩手の三陸海岸にかけての地域は、有望釣り場の宝庫なのだ。
※2011年1月の取材記事です。 ※取材時の内容をそのまま掲載しているため、釣り場の状況が変わっている場合があります。釣行時は工事中や立入禁止の場所に入らないようにして、ルール、マナーを守って行動しましょう!
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冬にオススメ!夜の常夜灯周りという選択
真冬のこの時期(1~2月)、日中に投げ釣り(エサ釣り)で狙うターゲットといえば、サーフやサーフに隣接する防波堤から狙う産卵後のイシガレイや、河口周辺の抱卵したヌマガレイ(カワガレイ)などが挙げられ、他にも、漁港周りでアイナメやマコガレイ、マハゼなども狙えます。しかし、日中に普通に竿を出しても、魚の活性が上がらず、いま一つ釣果に恵まれない事も多いと思います。
宮城県の石巻~女川~南三陸にかけては、常夜灯が設置されている漁港や防波堤が数多く存在し、日中は底が丸見えになるような水深の浅い小規模の漁港でも、夜になると魚の警戒心が薄れるのか、大型アイナメ&マコガレイの好釣り場に変貌することが多々あり、15年ほど前から、日中でも寒いこの厳冬期の、しかも極寒の夜釣りで好釣果を上げています!この傾向は例年12月半ばから4月いっぱいくらいまで続くのですが、この時期の夜釣りといえば、ルアー(ワーム)を使って、ソイやメバルを狙う人は良く見かけるものの、投げ竿を出している人は、クラブの会員以外、ほとんど見かけません。
放射冷却に凍えながらも大型の期待に胸が高鳴る
常夜灯が海面を照らしている漁港があったら、まずは常夜灯前に陣取り、釣り人がいないようなら、竿2~3本くらいを、遠近投げ分けてみます。遠投と言っても、せいぜい50mくらいまでで、灯の強弱にもよりますが、境目から暗くなる場所が良く当たります。 夜は警戒心が薄れるとはいえ、ベタなぎで底が丸見えの時より、少し荒れた後のほうが良く、また、大型のアイナメは、根周りや防波堤の基礎部と砂地との境目に着いていることも多いので、捨てオモリと太いラインで狙ってみると良いでしょう。私の場合は、ステンレスでL型天秤を自作して捨て糸とオモリをセットし、1m50cmくらいの2本バリ仕掛けを付けて使っています。また、灯りの届かない暗い場所では、ソイやドンコ(エゾイソアイナメ)が良く釣れてきます。
投げ竿の穂先には、竿先ライト(パナソニック製のリチウム電池式のものを愛用)、ケミホタルなどをセットし、色分けして竿先を揃えて並べておくとアタリが良く分かります。根掛かりの少ないポイントだったら、アタリを待っている時間に、手持ちのルアー竿などを出し、ワームやブラーでソイ、メバルと遊ぶのもアリですが、根の多い場所では、大型のアイナメに根に潜られてしまう場合が多いので、竿から離れる場合は注意が必要です。エサは、アオイソメ、イワイソメの他、大型狙いのユムシや、最近、特に気に入って使っているBBワーム(つりえさマリンの新エサ)も実績大です。
この釣りでは夜中の1時前後に最も食いが立つため、21時頃から始めて翌日の未明まで釣りをすることが多いのですが、厳寒期の1~2月の夜釣りということで、最低気温が氷点下になること必至…。濡れた路面は凍結し、水汲みバッカンの海水や、油断をすると、エサのイソメまで凍ってしまいます。とにかく防寒対策は万全に!防寒を完璧にしていても指先の感覚が無くなってきますが、気合いを注入して我慢です。また、マレにですが、釣り場によっては人ではない人影が歩いて(?)いたりすることがあり、そんなときは底冷えに加え、背筋までぞっと寒くなります。若干の危険も伴いますので、実釣される際は単独釣行は避け、十分に注意を払って夜釣りを楽しんでみてください。
取材・テキスト/東海林 誠(仙台広瀬キャスターズ)
家業である米穀店の仕事と育児の合間に、せっせと釣り場に通う、投げ釣りマスター。冬場は灯油の配達に大忙しだが、大物にかける情熱が足を釣り場に向かわせる。仙台広瀬キャスターズ所属