東北でよく釣れるイカの種類と見分け方 ~スルメイカ、ヤリイカ、剣先(ケンサキイカ)、アオリイカ、…
釣りのターゲットとして種類が豊富で釣法も発達しているイカ類。こちらでは東北6県で狙える主要なイカの種類をまとめてみました。
[関連]東北夜イカ(船釣り)ガイド スルメイカ・ヤリイカ
スルメイカ
日本近海を回遊する最もメジャーなイカで、小型はムギイカと呼ばれる。別名で夏イカ、マイカなどとも。いくつかグループがあることが知られていて、太平洋、日本海で回遊のルートが異なる。
東北太平洋側では初夏の頃からムギイカ級の小型が北上回遊を始め、秋頃までがメインシーズン。その後、冬に南下してきた大型スルメが釣れ出し、岩手沿岸では各湾に迷い込んだ大型を冬至スルメと呼ばれる。
[見た目の特徴]
・エンペラは正方形に近いひし形。
・2本の触腕が長い。
・体色は変化するが、生きている時は赤黒いものが多い。
ヤリイカ
海流に乗って沿岸から沖合まで広い海域を回遊するスルメイカに比べると沿岸性の強い種類。生息場所として岩礁帯の周りなどを好む。
夏から秋に生まれて、冬にかけてが主なシーズン。春の産卵期には大きく育った個体を狙えるが、胴長40cm近くまで大きくなるのは全てオスで、メスは20cmほどと小さい。
東北では日本海、太平洋の各地で釣ることができる。春のパラソルヤリイカ(雄ヤイリカ)の釣り場は茨城沖が有名だったが、近年、仙台湾周辺でも大型のヤリイカ釣りが人気。
[見た目の特徴]
・エンペラが槍状に尖る。
・腕はすべて短い。
・胴は細長い。
・体色は白っぽい透明色が多い。
[魚種別攻略法]ヤリイカの船釣り
[魚種別攻略法]防波堤ヤリイカ
ケンサキイカ
日本各地で釣りのターゲット。「アカイカ」や「マルイカ」とも呼ばれる。日本海側のイカメタルで釣っている「アカイカ」がこの種類。スルメやヤリと比べると、日中でも釣れやすい傾向がある。
剣先の名の通り、エンペラの先が尖りヤリイカに少し似るため、小型のヤリイカと間違えるケースも多い。ヤリイカに比べると全体にややずんぐりとしていて、腕(脚)が長いことで見分けられる。
[見た目の特徴]
・エンペラの先が剣先状に尖る。
・腕の長さは普通(短くない)
・ヤリイカに比べるど胴がずんぐりして丸みがある。
・体色は赤味が少し強い。
[2023年追記]2023年は暖流の影響が強まり、宮城県沿岸や岩手沿岸でスルメイカと一緒に剣先イカが釣れ盛った。
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アオリイカ
エギングで人気のアオリイカ。胴の幅が広く形態がかなり異なるが、ヤリイカに近い仲間。岩礁帯や藻場を好み、磯、堤防の陸っぱりと船の両方から狙える。初夏に産卵し、初秋から新仔シーズン入り。成長は速く、秋のシーズンに徐々にサイズアップする。春から初夏は1kg超に成長した親イカのシーズンとなる。
[見た目の特徴]
・半円状のヒレが胴の広い範囲を覆う。
・胴の幅が広い。
・触腕が長い。
[魚種別攻略法]アオリイカ
アカイカ
別名ムラサキイカ、ゴウドウイカ。スルメイカに近い仲間の大型のイカ。外洋性の生態で水深500mほどの深場にも生息。近年漁獲量が減っているスルメイカの代替種として加工されることもある種類。釣りでは茨城沖が有名で、当地ではムラサキイカの通称が一般的。
スジイカ
茨城でアカイカなどと一緒に釣れることのある小型のイカ。スルメイカに似るが、エンペラ部分がやや大きく、胴の部分に2列の筋状の発光器があることが名の由来。型がスルメイカより少し小さく、やや水っぽいやめ食味の評価も落ちる。
ジンドウイカ
堤防、岸壁からよく釣れる小型のイカで、通称「ヒイカ」と呼ばれる。青森の「テクビイカ」も同種。ノベ竿、リール竿のエサ釣りや、エギングなら2号や1.8号など小型を使う。地域によってほぼ年中狙えるが、東北では夏から冬が盛期。夏はスルメ、秋冬はヤリイカ釣りに混じっているケースもある。
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[魚種別攻略法]ヒイカ
コウイカ(スミイカ)
ここまで紹介した「ツツイカ類」とは少し異なり、体内に大きな貝殻(甲)を持つ「コウイカ類」の仲間。墨を多量に吐くため「スミイカ(墨烏賊)」と呼ばれている。近縁で良く似る「シリヤケイカ」、「モンゴウイカ(カミナリイカ)」もスミイカとして特に区別しないことも多い。
関東、西日本に比べる東北ではあまりなじみのないイカだったが、近年はアオリイカとともに釣れる機会が多くなってきた。浅海を好み、船釣り、陸っぱりどちらからも釣りの対象になり、食味は良い。