釣行記

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日本海 投げマダイの狙い方

東海林誠 2022年2月22日 更新

ここ数年、東北のキャスター達の間で、がぜん注目を集めている日本海の投げマダイ。防波堤や磯から、投げ釣りで良型のマダイが狙えてしまうのだ。数年前からこの釣りにハマり、夏場はマダイ中心に狙うという東海林誠さんに、基本的な釣り方を解説してもらった。
※2010年8月掲載

東北日本海側のほぼ全域がエリア

東海林さんは仙台広瀬キャスターズ のメンバーとともに、8月19日夕方~20日にかけて酒田港に釣行。写真のマダイは東海林さんが釣ったこの日最大の51cm。20時過ぎの釣果

新潟県から山形県の庄内地方、また、秋田県の男鹿半島から青森県の津軽にかけての日本海側では、磯場や防波堤からの投げ釣りで、70cm超の大型のマダイが狙えます。

例年、5~11月頃が釣期で、日中でも釣れるものの、大型は特に、夜釣りや朝夕のマヅメ時で、少し荒れ気味くらいの時が狙い目です。30~50cm位までのマダイなら、砂底で水深の浅い防波堤からも釣れますが、大型は水深があって、砂底にツブ根の混じるポイントに実績があります。ただ、フカセ釣りなどと違い、あまりにも岩根がキツすぎる場所だと、根掛かりばかりで釣りにならないこともあります。

東海林さんが明け方に釣った50cmのクロダイ。このように、夜明け頃に釣れ始めることも多いので、最後まで油断は禁物なのだ
 
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大物用タックル&ドラグフリー釣法で大マダイに対峙

夜釣りなので、竿先ライトはマスト。竿は2本ずつ並行に並べ、竿先ライトの色も変えるといい。東海林さんは電池式の竿先ライト(パナソニック)やぎょぎょライトシリーズ(ルミカ)などを愛用

タックルについては、根掛かりの無い場所や、50cm位までのマダイを釣るなら、竿の硬さやラインの太さにはあまりこだわりませんが、大型狙いなら、それなりの対策が必要です。

まず、竿についてですが、大型のマダイに対抗するために、4m以上、オモリ負荷30号以上の並継竿が適しています。あまり軟らかい竿だと大型魚を浮かせる事が出来ず、沈み根等に引っかかってしまう場合があります。 釣り場が広いようなら、2~4本の竿を、遠近左右に投げ分けます。

リールは、パワーエアロスピンパワー(シマノ)などのように、ドラグ機能のある投げ専用リールが必要です。アタリを待つ間、ドラグを緩めておかないと、アタリの瞬間に三脚や竿が吹っ飛んでしまいます。ただし、完全にドラグをフリーにしてしまうと、マダイのハリ掛かりが悪くなってしまうので、手でラインを強く引いた時に糸が出るくらいに調整しておきます。竿が飛ぶのが心配な場合は、竿尻に尻手ロープを付けておくのもアリですね。道糸は、PEの4号以上。ナイロンなら5号以上が必要で、力糸としてテーパーラインの6-12号を結びます。ポイントが近いようなら、ナイロン8号(力糸無し)が適しています。

エサは定番のユムシ(上写真)がエサ盗りに強く、マダイの食いもいい。エサ盗りがあまりに多いと、ユムシでもひとたまりもないので、竿数×10~15匹は用意しておく必要がある。その他、花エビ(下写真)やアオイソメ、イワゴカイ、スーパーコールデルなども有効

オモリは、通常はL字の遊動テンビン25~30号を使用し、根のキツいポイントでは、六角(or小田原)オモリの25~30号に、ナイロン4号を捨て糸として15cmくらい繋ぎます。仕掛けは、普通はハリス10~12号&全長1.5m程度の1本バリで、ハリはチヌ12号、ソイ20号、サーフマダイLなどを使い、複数のエサを使いたいときは、段差バリ(2本バリ)を使用します。フグなどのエサ盗りが多い時は、ハリのチモトにビニールパイプを被せるとよく、水深のあるポイントでは、ハリの15cmくらい上に、赤や青の発光材を装着するとかなり効果があります。根掛かりのキツいポイントなら、捨てオモリを付けた胴突き仕掛けが適しています。

エサはユムシが抜群ですが、他にアオイソメの房掛けやイワイソメ、スーパーコールデル、冷凍エビ等にも実績があります。特に、夜が明けてからは、イソメ類に良く掛かる傾向があります。

夜中1時過ぎに横山さんが釣った50cm前後のマダイ。釣り始めから21時頃までバタバタと釣れた後、潮止まりとともに食いが止んだが、1時過ぎに潮が流れ始めると、再び食いが活発化したそうだ

うれしい外道てんこ盛り!イヤ~な外道も結構楽しい

佐々木さんが釣った45cmのクロダイと、高橋さんがアオイソメをエサにして釣った56cmのスズキ。結局、マダイは40~51cmが全体で5枚の釣果。その他、手の平くらいのチャリコ~小マダイはたくさん釣れた

竿は三脚に置き竿にします。三脚1台につき竿は遠近1本ずつの計2本まで。3本以上になると安定が悪くなるので、別の三脚を用意して分けるようにします。2本の竿は並行に並べて、竿先ライトの色もそれぞれ変えておくとアタリが分かりやすくなります。

マダイは砂地と岩場(あるいは防波堤の基礎)の境目を回遊することが多いので、ただの砂地よりは地形に変化のある場所やカケアガリを集中的に攻めます。15分に1回くらいは仕掛けを回収して、エサ盗りの具合をチェック。15分経ってもエサが残っているようなら、20~30分おきに間隔を伸ばし、もしエサが無くなるようなら、頻繁にエサを交換します。

マダイが掛かったら、緩めていたドラグを締めてから巻き上げます。この時、釣り場と魚のサイズに合わせて状況判断をしてください。魚が大きく、かなり引くようでしたらドラグを7分か8分くらいに緩めて糸を出しながら慎重にやりとりします。が、もし近くに魚が逃げ込むような根がある場合は、ドラグを締めて強引に浮かせる必要があります。磯場など、根のきついポイントを攻める時は、最初から糸の強さを数ランク上げておくといいでしょう。

マダイ釣りでは、外道に大型のクロダイやスズキ、ソイ類、また、超特大のアカエイが掛かることがよくあります。アカエイの10~20kg以上ともなると、引きに耐えるだけで精いっぱい。何とか浮かせても、60cm枠以上のタモ網やギャフが無いと上がりません。エイが何度も掛かってくるとかなり体力を消耗しますが、そんな時はマダイもよく釣れるもの。エイとの格闘を何とか乗り切って、75cmオーバーの良型を手にしたいものです。

7月の釣行で釣れたアカエイ。体ごと持っていかれそうな、トルクフルな引きで釣り人を疲弊させる。「エイの出現率は『極めて高い』です。荒れ気味で、タイが釣れそうな日はなぜかエイもよく釣れるんです。1晩で5枚釣ったこともありますよ」。背中の長いトゲには毒があるので、触る時は要注意!

取材・テキスト/東海林誠

PROFILE:東海林誠

家業である米穀店の仕事の合間に、せっせと釣り場に通う、投げ釣りマスター。特に大物獲りに情熱を注いでいて、マダイは拓寸77.5cmの自己記録更新を目指す。仙台広瀬キャスターズ所属

 
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