釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!
  • 横浜竿、江戸和竿で松島湾のハゼ釣り満喫

    編集部 2020年11月7日 更新


    東京湾周辺では古くから和竿でのハゼ釣りが盛んに行われてきた。現代に引き継がれる和竿スタイルで、型の良さでも評判の松島湾のハゼ釣りに挑戦した。

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    横浜竿と江戸和竿で松島湾のハゼを狙う

    当日は濃霧の中、奥松島大高森の観光桟橋より6時半に出船。これから盛期を迎えようとしている松島湾のハゼ釣りを堪能した。

    釣り人は、当メディアでお馴染みの山口充さんと、友人の五十嵐浩さん。

    ハゼ釣りに関しては、双方ともに関東在住ということもあり東京湾エリアがホームグランド。良型で定評のある宮城県松島湾のマハゼを、和竿を用いて粋な釣趣を実感したいという思いから今回の遠征釣行となった。

    【横浜竿】
    丸節を使い全竹または穂先に鯨のヒゲを継いで作った手ばねが始まり。東京湾で釣るキス・カワハギ、マダイやクロダイ、ヘチ竿等が有り、今はリールを使う竿が中心。穂先はグラスファイバー、竹は布袋竹、矢竹、手元は根掘り淡竹等も使用している。

    【江戸和竿】
    発祥は天明年間に 泰地屋東作が下谷稲荷町の広徳寺前で開業したのが始まりとされる。その歴史は優に200年を超えている。「江戸和竿」は江戸時代に江戸で誕生し、研鑽を重ねた竿師により育まれ伝承された釣竿。中通しハゼ竿の穂先には、感度と食い込みがいい布袋竹を使用している。

     

    奥松島大高森の観光桟橋より出船

    大高森は東松島市の宮戸島にある山で標高が106m。展望台からは日本三景松島の島々や塩釜、仙台市も見える。天気が良ければ船形山や栗駒山、蔵王連峰まで一望できる

    金龍丸の小野船長。シーバスの他、湾内のハゼ釣りからロックフィッシュまで多魚種を狙う

    今回の釣行でハゼ釣り仕様の新竿に入魂

     

    創業40年を超える横浜竿「汐よし」の親方、早坂良行さん。作品は自らが釣りをしながら改良、進化を積み重ねた竿

    当日、山口さんが使用した横浜竿・向かって左、「横浜竿汐よし 白鱚竿」、右が「汐よしのお弟子さん・金子氏製作の 黒鯛へち竿」

     

     

    歴史は優に200年を超えている「江戸和竿」。リールを使用せず手元にイト巻きがついている手バネ竿が特徴。大半の釣り人は二本竿を両手に持って釣るスタイル。手元の漆塗りは年数を増すごとに独特の重厚感ある色合いとなる

    松島湾の秋の風物詩!良型マハゼの引きを堪能

    取材を行った10月4日は水深2~3mほどの浅場のポイントの魚影が濃く、深場にも少し行ってみたもののアタリはポツポツ程度だった。今季は水温が高めに推移したこともあり、まだシーズンの走りといった雰囲気。

    仕掛けが着底後、小さく小突いて反応を見る。さっそくアタリがあり1匹目をゲット。続けてダブル。ハゼは釣れた場所の周囲に群れている傾向があるので、アタリがあった場所は丹念に攻めると好釣果が期待できる。一方、五十嵐さんも江戸和竿を跳ね込み、マズマズのサイズを釣り上げた

    棚周りも好漁場。当日、釣果が良かったポイントは水深2~5m。10m以上のポイントも狙ってみたが、魚影は薄い状況だった。取材日は10月初旬。まだ走りに近い状態だったようで数釣りは浅場に集中した

     

    釣況は終日コンスタントに連れ続け、時合に入った時はダブルが連発。アベレージは17~18cm。最大で23cm。魚体には透明感があった。

    これから秋が深まるとともに、ハゼ釣りも本格シーズンへ。ポイントも深場へ移動し20cm後半の良型が数多く見受けられるようになる。シーズン終盤に差し掛かるその頃にはベッコウ色で下あごのシャクれたハゼが姿を見せる。晩秋の落ちハゼ狙いはこれからがシーズン本番だ。

    仕掛けは非常にシンプル。オモリは3~5号。エサはアオイソメを短くカットし、その日の状況に合わせてチョン掛けや縫い刺しに

    1匹釣るごとに新鮮なエサに替えるのではなく、かみもどし(使用後のエサ)に追加するスタイル。ハゼ釣りではこの「かみもどし」が特効エサになる時もあるので、ハリに残ったエサも捨てずに活用しよう

    喰いが上昇したタイミングで、山口さんは20cmオーバーの良型を跳ね上げた

    当日は12~23cmがコンスタントに釣れ続けた。20cm代の良型も多数混じりホクホク。また外道でチンチンやイシモチ、マゴチにカニと多彩な顔触れが上がり船上は大盛り上がり

    本来なら、深場で釣れるはずの歯があるハゼ、赤ハゼも釣れた

    今回お世話になった金龍丸の船長、小野秀樹さんと、帰港後、港で温かく出迎えてくれた奥さんの歩さん

    誰でもおいしく頂けるハゼ料理の勘所を解説!

    ハゼ料理は「釣魚家庭料理研究家」の石井ちか江さんにアドバイスいただいた!

    小さい物はざる、塩で揉んでヌル取りをする

    水で良く洗う

    ペットボトルのキャップを使用すると鱗取りも楽ちん

    肛門から爪楊枝ではらわたを巻き取る

    爪楊枝で簡単に巻き取れる

    頭を落としす

    中骨を取って松葉おろしにする

    松葉おろしに開いたところ

    奥松島マハゼと季節の野菜天ぷら

    大きい物は、お正月用の焼き干しにした

    干物用のシートで冷蔵庫保管

    骨せんべい。頭のから揚げ。余ったら粉砕して出汁に

    日本釣振興会神奈川県支部では和竿の釣り教室も開催している
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    ・マハゼの大名おろし
    ・マハゼの洗い


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    ※モデル、解説/山口充(日本釣振興会神奈川県支部長)
    ※取材協力/金龍丸

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